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次の停車駅はf7~f7…じゃなくて、もうチェックメイト!? ダニッシュギャンビット急行爆走!

前回のエバンスギャンビットの記事に続き、今回も白番のギャンビットを見ていきます。今回取り上げるのは、攻撃好きにはたまらない「ダニッシュギャンビット」です。

序盤からポーンを大胆に犠牲にしスピード感あふれる攻撃で相手を圧倒するこの戦法は、白番で一方的に攻め続けたい方にピッタリです。

ギャンビットの魅力を存分に楽しみながら、会心の勝利を目指してみませんか?

それではさっそく実戦の進行を一緒に見ていきましょう。


序盤戦:ビショップが光るダニッシュギャンビットの仕掛け

白番 私(レート1600点台) 黒番 相手氏(レート1600点台)
Chess.comラピッド戦からの取材です。
1.e4 e5 2. d4 exd4 3. c3

ダニッシュギャンビット発動。

白はd4に続いてさらにc3のポーンも捨てて、スピードアップする構想です。
…dxc3 4. Bc4 cxb2 5. Bxb2 d6

白はポーン損の代償にビショップが好ポジション。

白はポーンを次々に捨てて、ビショップ2枚を好位置に持ってきました。黒としてはビショップの利きが強力で神経を使う展開です。
6. Nf3 h6??

危険。白にチャンス到来。

黒のh6はほとんど1手パスに近く、戦いが起こりそうな中央に全く関与していません。白はここでチャンスを迎えています。白はチャンスを活かせるのでしょうか?

中盤戦:攻撃のチャンスを逃さないポイント

白はわずか1秒で7.O-Oを選択しました。しかし、これはチャンスを逃した悪手でした。

キャスリングは悪手だった。白の正着は?

正解はNe5!!です。やはり黒の弱点であるf7の地点を狙うのが急所です。

変化図。ナイトをいきなり捨てる。

例えばこのナイトをポーンで取ると、更にビショップをf7に捨てる手があります。

更にサクリファイス。白の攻めは止まらない。

白の攻めが強烈で一気に優勢を築くことができます。以下、Ke7にはBa3があるので、黒のクイーンは助かりません。
それでは本譜に戻りましょう。

再掲。白はチャンスに気づかなかった。

白はチャンスを逃しましたが、自然に駒を活用しながら黒キングに攻め駒を集めます。
7... Qe7 8. Re1 Nd7 9. Nc3 Ne5 10. Nd5 Nxf3+ 11. Qxf3 Qd7

白の駒の威力がすさまじい。白勝勢。

白の駒が盤上を支配しているのに対して、黒の駒は眠ったままです。白が差を拡大してエンドゲームに突入しました。

終盤戦:ナイトフォークが決め手!

白は黒のキングに狙いを定めてどんどんポーンを進めます。自陣が鉄壁なので、相手陣だけ見れば良いので読みやすい局面です。
12.e5 Ne7 13. e6 fxe6

白に再びチャンス到来。

ここで、再び白にチャンスが訪れました。白はためていた力を一気に放出します。
14.Rxe6!!

ルーク一閃。

ルークが一見ただのようですが……
Qxe6 15. Nxc7+

ナイトフォークで勝負あり。

強烈なナイトフォークが決まって黒は粘りが利かない形となりました。
Kd7 16. Nxe6 1-0

黒のルークとビショップは最後まで活躍できなかった。

チェックメイトではありませんが、クイーンを取って白の駒得が大きく勝ちが決まりました。

まとめ:ダニッシュギャンビットで攻め続けるコツ

最後に今回のダニッシュギャンビットのまとめです。

  • d4,c3と次々にポーンを捨てて、ビショップを急所に配置

  • 2枚のビショップの利きで黒の陣地を徹底的に狙う

  • 1度攻め始めたら最後まで止まらない意識で戦う

ダニッシュギャンビットは、ポーンを犠牲にしつつスピード感あふれる攻撃で相手を圧倒する魅力的な戦法です。

大胆なサクリファイスを恐れず、ビショップの利きを最大限に活用する構想を実戦でぜひ試してみてください。あなたの新しい視点や発見につながれば幸いです。

今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。


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