見出し画像

チェス快速攻撃!エヴァンスギャンビットで黒の守りを粉砕!

IMのじゅんたさんのギャンビット動画を見てからギャンビット熱が再燃中です。今回は、白番のイタリアンゲームから派生する「エヴァンスギャンビット」に焦点を当ててご紹介します。

この戦法は、Bc5に対してポーンを犠牲にした大胆な攻め筋が特徴です。ギャンビット好き、攻め好きの方はぜひ参考にしてみてください。


ナイトアタックが効かない?ならばエヴァンスギャンビット!

ナイトアタックの記事を読んで、このように思われた方もいるかもしれません。「そんなにナイトアタックが手強いなら、黒はNf6と跳ねなければいいのでは?Bc5の方が有力そうだけど、どうなんだろう?」

一時期、私もそのように思ってBc5を指していました。ところがBc5に対してはすかさずb4とポーンを捨ててくるエヴァンスギャンビットが難敵なのです。

次節では白番の視点で私の実戦を基にポイントを絞って解説します。

エヴァンスギャンビット実戦編~仕掛けまで~

chess.comラピッド戦からの取材で私が白番です。相手氏のレートは1800点台です。白のBc4に対して黒がBc5と対抗してきたところです。

図はBc5まで。

ナイトをf6に跳ねなければクイーンの利きがg5まで通ったままなので、白のナイトアタックは成立しません。

ところが、Bc5に対しては白に新たな攻め筋があります。それがb4といきなりポーンを捨てるエヴァンスギャンビットです。

いきなりのギャンビット。

黒はBxb4と自然にポーンを取りますが、白はc3と突いてビショップに当てます。黒はBe7と逃げますが、そこでd4と突くとポーン損の代償に白が中央を制圧しています。

白はのびのびとした陣形。

実戦で黒側を持って指したことがありますが、白の強烈な攻めを受けきるのは困難と感じました。

実際、ここからの白の攻めは強力です。それでは実戦の進行を見ていきましょう。

白の猛攻サクリファイス:再掲局面

今6手目に白がd4と中央に向かってポーンを伸ばしたところです。

再掲。白はのびのびとした陣形。

…exd4 7. O-O dxc3

黒危険。黒は陣形が立ち遅れすぎている。

さすがにc3のポーンまで取るのは危険すぎました。理由は以下の通りです

  • 黒のキングはキャスリングが間に合っていない

  • 白は攻撃陣が揃い、f7を徹底的に狙う準備ができている

  • 黒はポーン3つの得だが、駒の展開が遅れている
    8. Qd5!

クイーンとビショップの強力な連携プレイ。

何度も同じ話で恐縮ですが、とにかく「黒のf7の地点は弱い」です。f7の地点にはキングしか利きがないので補強が困難なことがその理由です。

黒はなんとかf7の地点を受けようとしますが……
…Nh6 9. Bxh6

ビショップでナイトを外す。白勝勢。

黒は苦心して受けましたが、ビショップでナイトを取ればf7の守りがなくなります。白が一気に勝勢になりました。しかし、黒はあきらめません。不屈の闘志を見せてがんばります。
9. O-O

黒はキャスリングでf7をしのぐ。白の継続手は?

黒はキャスリングでf7の地点を補強しました。現局面はナイトとポーン3枚の交換なので、黒もここを凌げれば希望が見えてきます。

白のビショップが当たっており忙しい局面ですが、決め手がありました。
10. Ng5!!

やはり黒のf7の地点が急所。

h6のビショップを捨ててナイトで攻め込むのが急所です。白は徹底的に初志貫徹でf7の地点に猛攻を仕掛けているのがポイントです。
…gxh6 11. Nxf7

f7をついに突破。

f7にナイトが跳び込んでついに黒のバリケードを突破しました。
Rxf7 12. Qxf7 Kh8 13. Nxc3

味よし。全軍躍動。

最後のNxc3がポーンを回収しながらルークを連結させる味の良い手です。以下は黒も更に粘りましたが、白の勝ちとなりました。

今回のまとめ

エヴァンスギャンビットのまとめです。

  1. 黒のBc5に対してb4と突いて応戦

  2. ポーン損の代わりに駒の展開を早くする

  3. f7の地点を徹底的に狙う

エヴァンスギャンビットは攻めの感覚に磨きがかかるので、今回の解説をきっかけにぜひ実戦でもトライしてみてください。


また、フィッシャーのエヴァンスギャンビットを取り上げたものぽさんの動画も非常に参考になるので、こちらもぜひチェックしてみてください。

今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。


いいなと思ったら応援しよう!