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Ruy-Lopez: Old Steinitz Defenseのクイーンサクリファイス

今回の記事では私の実戦からRuy-Lopez: Old Steinitz Defenseを題材に、注目すべき局面を解説します。

この対局では戦略的なクイーンサクリファイスが勝利を引き寄せました。以前の記事のクイーンサクリファイスとの違いにも着目していただけると、より楽しんでいただけるかもしれません。

それでは棋譜を基に対局の流れを見ていきましょう。


序盤:Ruy-Lopezの静かな展開

1.e4 e5 2. Nf3 Nc6 3. Bb5 d6 4. O-O Bg4

黒はピンで応戦

白はRuy-Lopezを選択し、黒はOld Steinitz Defenseで応戦しました。この形は堅実で黒がd6のポーンで中央を支えつつ、後に攻撃的な展開を狙う布陣です。

5.d3 a6 6. Ba4 b5 7. Bb3 Nd4

黒はピンを利用して積極攻勢。

黒はナイトを積極的に展開しましたが、ここで白は的確な対応を見せます。
8.Nbd2 Qf6?

f3を集中攻撃。

対局中はf3の地点に圧力がかかっていて、白が大変な局面と感じていました。
しかし、局後にエンジンで調べてみるとわずかに白良しの判定です。この辺の人間の判断との微妙な違いが面白いですね。


中盤:決定的なクイーンサクリファイス
9.Bd5 c6??

悪手。白にチャンス到来。

黒のc6が判断ミス。この手により、白にクイーンサクリファイスを決断するチャンスが訪れます。
10.Nxd4!!

クイーンを捨てる大胆な構想。

白はクイーンを取らせる間に、黒のクイーンサイドの駒を回収します。
10... Bxd1 11. Bxc6+ Kd8 12. Bxa8

やや白有利。

ここで白はルークを取って、マテリアルでわずかにリードを奪いました。さらに黒のキングは露出しており、防御が非常に困難な状態です。黒はキャスリングの権利を失ったことも響いています。


終盤:駒得で有利を拡大
…exd4 13.Rxd1 Nh6 14. Nf3 Ng4 15. Bg5

クイーンを取り返すことが確定。白勝勢。

黒のキングの露出を突き、白は冷静に駒を展開して相手の動きを封じました。この後数手ほど進み、黒はリザインしました。


この記事のポイントまとめ

  • クイーンサクリファイスの意義
    クイーンサクリファイスは非常にリスクが高い選択ですが、相手の陣形が崩壊する明確な見通しがある場合は非常に効果的です。

  • 黒のミスを的確に突く
    黒のc6が敗着となりました。相手のミスを見逃さずに攻撃を組み立てることが重要です。

  • キングの安全性を常に意識する
    今回の対局では、黒のキングの安全性が非常に低かったことが白の勝因の一つでした。


最後に

この対局ではクイーンサクリファイスを選択する決断が功を奏しました。大胆な手を指すことが勝利への鍵となることもあるので、皆さんもぜひ挑戦してみてください。

今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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