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【エッセイ】 日本語を話すということ

デンマークで僕はホームステイをしている。

ホストマザーは日本人で、ホストファザーはデンマーク人。

ホストファザーも日本に住んでいたことがあるためか流暢な日本語を話す。


車で山道をゆっくり走っていると道端にシカが歩いていた。


「一人でおるのは可哀想だなあ」と僕が言った。

「シカは一匹でもよく行動するよ」とホストマザー。

「シカは一頭と数えるよ」とホストファザー。

「いや、あれは小さいから一匹でも良いよ」とホストマザーが返す。


一瞬の間があって


「日本から来たばかりのfutaが”一人”というのは酷すぎるよ!」と二人が口を揃えた。


「間違いない」

笑いにつつまれた車内で、僕はひとり納得した。


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