毛を生やす勇気〜薬の選び方〜
かつて人情の街と言われた都市のはずれに、ハゲ治療はどこまでもシンプルであり、ハゲは今日からでも治療できるというハゲ哲学者(哲ハゲ)がいた。
納得のいかないハゲ青年(青ハゲ)は哲ハゲのもとを訪ねた。
悩み多き青ハゲの目には、世界はハゲに満ちた混沌としか映らず、まして幸福などあり得なかった。
第一夜 天の復活
青ハゲ「では質問します。哲ハゲのおっしゃるシンプルなハゲ治療は、我々ハゲを救ってくださるのですね?」
哲ハゲ「まさに。自らのハゲを認め、薬を手にした者に産毛は訪れるのです。」
青ハゲ「ふふ。哲ハゲ、産毛は誰にでも訪れると、そう断言されるのですね?」
哲ハゲ「いかにも」
青ハゲ「なんという嘘を!哲ハゲ!今あなたのM字は深くハゲているではありませんか!」
哲ハゲ「落ち着いてください。確かに私のMはハゲています。しかし私の天もご覧なさい」
青ハゲ「天!?」
哲ハゲ「はい。天とは頭頂部のこと、つまり天パゲのことを指します」
青ハゲ「ははは。哲ハゲ、あなたはM字から注意を逸させるため頭頂部を見ろとおっしゃるのですね。いいでしょう、どうせ見事にハゲている、、、な!!」
哲ハゲ「お分かりでしょう。私の天は毛で覆われている。しかし、天は少し前まで不毛の地でした。」
青ハゲ「どういうことです!?」
哲ハゲ「天は復活したのです。薬によって」
青ハゲ「お、教えてください!哲ハゲ!あなたが天を復活なされたその薬とやらを!」
哲ハゲ「その前にまずはハゲの種類と原因論についてお話しましょう」
青ハゲ「お願いします。私にその原因論を教えてください!」
哲ハゲ「勿論です。今日はもう遅いので、明日またいらしてください。おやすみなさい、青ハゲ」
青ハゲ「分かりました。哲ハゲもおやすみなさい」
※現在の哲ハゲの頭。どうだろう、天パゲとは言えないだろう。
第二夜 5αを抑えよ
青ハゲはきちんと約束を守り、翌日哲ハゲの書斎を訪れた。
一晩悩みに悩んだ青ハゲは、自分には産毛は訪れないのではと不安を抱え、やがてその不安は確信へと変わっていった。
青ハゲ「哲ハゲ、私は思うのです。私みたいな金もないハゲに産毛は訪れないのではないかと」
哲ハゲ「無理もありません。すぐに自信を失う、それがハゲです。まずはハゲの原因論を学びましょう。」
青ハゲ「お願いします!」
哲ハゲ「ハゲの原因は様々言われますが、もっとも科学的な原因論はジヒドロテストステロンです。」
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