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【反対多数】「『小中学校給食無償化のための補助制度新設等を求める意見書』採択についての陳情書」が不採択となりました【前代未聞】

割引あり

扶桑町議会議員 山田あつきです。
12月18日(水)、扶桑町議会が閉会しました。

最終日、採決が行われたのですが、その中で多くの皆様に知っていただきたい事案がありました。
「小中学校給食無償化のための補助制度新設等を求める意見書」採択についての陳情書が、反対多数で不採択となったのです。

子育て世帯にとって、大ダメージとなるこの採決。今回はどのような経緯で、扶桑町議会は反対多数で不採択としたのか、解説していきます。

念のため申し上げておきますが、私は少数派、賛成をした議員のうちの1人です。


1.扶桑町と給食費無償化のこれまで

まず昨年、扶桑町議会は「小中学校の給食費無償化を求める意見書」というものを全員賛成のもと提出しています。この意見書は以下のリンク、扶桑町議会のホームページから読むことができます。
「小中学校の給食費無償化を求める意見書」

続いて、今年9月17日に愛知自治体キャラバン実行委員会に対して、鯖瀬武扶桑町長の名前陳情書に対する回答書が出されています。

こちらの14ページには、「小中学校の給食費を無償にしてください。」と書いてあり、扶桑町の回答には「国及び愛知県に対して、無償化について機会があれば要望していきたいと考えております。」とあります

そこで「そういうことなら機会をつくりましょう」と10月23日、扶桑町長からの回答内容に沿う形で、扶桑町議会に対して「『小中学校給食無償化のための補助制度新設等を求める意見書』採択についての陳情書」を愛知自治体キャラバン実行委員会が出してきてくださったわけです。

ところが扶桑町議会は、それを反対多数で不採択としました給食費無償化にノー、鯖瀬武扶桑町長の回答に過半数議席という民意をもってノーを突きつけたわけです。これほどまでに二元代表制が機能しているというのは素晴らしいことです。
多くの議員の皆様が、さぞ町民の利益を第一にしているのでしょうねえ。まさか自分の保身のためとか利益のためにやっているわけじゃ無かろうに。

ノーが多かったのはわかりました、しかしながらイエス・ノーの理由というのは、採決ではわからないものです。賛成者が立つ、または挙手をする。その行動自体からは理由まで出てきません。そこで採決前に「討論」というものがあります「私はこのような理由で賛成します」「私はこのような理由で反対します」と述べる機会のことです。次は討論の内容を見ていきましょう。

2.どんな質疑・討論があった?

12月9日の本会議にて、この陳情書は「福祉教育常任委員会」へと付託されました。付託先の福祉教育常任委員会に所属する議員は、まず1回目、ここで討論をすることができます。(私は総務経済常任委員会所属なので、ここでは討論できません)
12月10日、福祉教育常任委員会では「質疑、討論はなく、賛成少数で不採択とすること」を決めました。私は委員ではないので、どうして何も議論せずに反対多数となったのか、そのプロセスはわかりません。
そして閉会日の12月18日、ここで採択の可否を議員全員で決めるわけです。福祉教育常任委員会所属者にとっては2回目、それ以外の者にとっては最初で最後の討論機会です。
前日に福祉教育常任委員会で不採択とすべきと決した、と知った私は、賛成討論を用意して閉会日に臨みました
基本的に討論は反対→賛成の順で行いますが、何と今回反対討論はありませんでした。いきなり私の賛成討論から始まったので、職員さんは驚いたことでしょう。

3.山田の賛成討論<全文>

「小中学校給食無償化のための補助制度新設等を求める意見書」採択についての陳情書につきまして、賛成の立場で討論いたします。

本町では昨年12月12日、福祉教育常任委員会で「小中学校の給食費無償化を求める意見書」採択についての陳情書を挙手全員で採択すべきとし、同年12月20日の定例会では異議なしで採択、その後「小中学校の給食費無償化を求める意見書」が意見書案第6号として提出、可決されております。

昨年可決された「小中学校の給食費無償化を求める意見書」と、今回提出された「小中学校給食無償化のための補助制度新設等を求める意見書」採択についての陳情書を見比べますと、国に対して求める内容はほとんど同じであり、「小中学校給食無償化のための補助制度新設等を求める意見書」はそこに県の補助制度について加えたものとなっています。この1年弱で国の制度改革が進まなかったため、県を加えている、と私は解釈しています。

昨年と今年で本町の財政状況が大きく変わり、恒久的な安定財源をもって、継続して給食費を無償化できるようになった、だから国や県に対して無償化を求める必要がなくなった、ということであれば、賛成から反対に転じることも理解できます。しかし、現実問題そのような状況下にはありません。扶桑町として自主財源での無償化ができていない以上、国や県を頼るべきという本陳情に反対する理由が見当たりません。

よって既に扶桑町議会として国に意見書を出し、定まっている方針であります給食費無償化を求める方向性を継続し、発展させるべきと考え、賛成いたします。

R6.12.18 扶桑町議会にて山田が行った賛成討論原稿

4.反対者の理由は?

これは、「わからない」というのが唯一の答えです。
何故なら、反対討論が無かったからです。
反対する理由がないのかもしれないし、公の場で言えない理由があるのかもしれない。でもそれすら憶測にすぎず、わからないんです。反対討論で理由を言わないから。

ただし1つ言えるのは、反対した議員は明確に反対したという点です。
議員は実は賛成、反対に続く、第三の選択肢を持っています。それは「退席」です。
賛成する部分もあるけど反対する部分もあるなら退席をすれば良いわけで、それをせずに反対をしたということは反対をするだけの確固たる理由があった、もしくは賛成をする理由が全くなかったかのどちらかであるといえます。私なら迷ったら町民の為になるほうを取るか、どちらもためになる・ならないと判断したら退席すると思います。

私のような1期目の議員はさておき、昨年の意見書に賛成して今年の陳情書に反対した2〜4期目の議員が何を考えているのか、私にはわかりません。この間にあった大イベントは選挙、町民から選挙目当てで意見書を出したと見られかねない真逆の結論。皆様はどう捉えますか?

5.扶桑町の給食費の行く末は

扶桑町では令和5年度から値上げ分、1食あたり20円の補助をしています。
11月22日の議員全員協議会では、物価高騰のため来年度よりさらに1食あたり30円値上げをして、それでも負担額を上げないように合計1食50円の補助をする方針だという公表が議員に対してありました。

しかし、鯖瀬町長はこの方針を見直さなければならないでしょうね。
そもそも財政が厳しい、来年度の予算編成では財政調整基金を取り崩して…と事あるごとに言っている中で、扶桑町議会は給食費無償化へ向かう陳情書にノーを突きつけた。給食費無償化のもっともっと手前にある、給食費一部補助も当然その対象です。
これでも方針を変えないのであれば、議会軽視です。私は賛成討論をした身ですが、議会の議決には従います。給食費補助が予算に組み込まれていたら、必要ないというのが民意の大多数だと12月定例会で示されたじゃないか、何故補助するんだ、議会軽視をやめろ、と反対するつもりです。
仕方ないですよね、賛成少数で不採択にしたのは扶桑町議会ですから。

扶桑町の給食費は小学校290円/食、320円/食。補助は1円も無し。そんな答えに近づきましたかね。ただし、国民民主党・立憲民主党・日本維新の会が共同提出する給食費無償化法案が可決されれば話は別ですが。

6.最後に

令和7年2月1日発行の「議会だより」5ページ、大切に取っておいてください。きっと次の町議選の投票行動に役立ちます。

そして、皆様の考えと異なる採決を出した、討論をしなかった議員にその根拠を訊いてみるのも良いかもしれませんよ。町民の皆様に政治へ興味・関心をもっていただくことは、扶桑町にとってプラスに働きます。議員の連絡先は、扶桑町議会のホームページに載っています。

この下には何もありませんが、購入していただくことで応援していただけますと幸いです。

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