見出し画像

書評;二宮敦人著 「最後の医者は桜を見上げて君を想う」

こんにちは、匤成です。今日は二宮敦人氏の「最後の医者は桜を見上げて君を想う」を紹介します。映画化も決まっているとあるが、消え入りそうなほどに、まだ何の動きも無いそうだ。

「最後の医者」シリーズは、本作と『最後の医者は雨上がりの空に君を願う』上下巻がある。

メインキャラ
・桐子修司
・福原雅和
・音山春夫
・神宮寺千香
 

武蔵野七十字病院(むさしの しちじゅうじ)に勤務する医師と看護師が主な登場人物。主人公は誰か1人というより上記の4名共が当てはまりそうだが、「桐子と福原」が話の軸にある。

治療方針の違う2人の医師

「とある〇〇の死」などと、誰かが亡くなる事は短編の題から明らかにされているものもある。様々な病が取り上げられていて、治療法やその治療を選ぶリスクが丁寧に説明されながら物語は進む。

桐子は治療に熱心でないというか、現実主義者・リアリストだ。だから寛解(かんかい)や完治の見込みが無い患者には包み隠さずその事を宣告し、意義ある時間を過ごすように勧めるタイプの医者だ。ちなみに神宮寺君は桐子と福原の間を行き来するスパイ看護師だ。

いっぽうの福原は『是が非でも患者を治してみせる、奇跡を起こしてみせる、病気と戦い続けるよう励ます』熱血漢の強い医師だ

七十寺病院は父親が院長であり福原はその副院長だ。意見が合わない2人だから、病院内ではすれ違い、反発しぱなし。何故ここまで反発し合っているのかはのちに明かされる。がん、白血病、ALSなど難病が題材だ。私はALSの音山先生が好きだ。

無料記事部分のまとめに

Dr.コトーや神様のカルテのように、地方で逼迫した「医療もの」ではなく、友情の物語だ。もちろん一人ひとりに感情を寄せる箇所もあるし、病気の説明が難しいと感じる部分もあるけれど、死ぬはずだった患者を蘇らせて感動を誘うようなお話ではない。


ここから先は

786字

定期購読という事でネタバレも何かも公開します。コミックスなどライトなものも含めて書籍を紹介します。読みたいと思われたら、アマゾン商品ページも貼りますので速やかにご購入して頂けます。

このマガジンは、本を読む時間がない人向けの書評マガジンです。書評というより読書記録と覚え書き。小説・エッセイ・ビジネス書・コミックなど月に…

良ければサポートをお願いします。次回の紹介作品の購入や、今後の創作活動に活用させて頂きます。