G1 GAME CENTER GRAND PRIX(通称:谷口杯)の感想

まずは選手の皆様、運営の皆様、企業の皆様、お疲れさまでした。

今回も解説役としてお声掛け頂きましたので僭越ながら務めさせて頂きましたが、いかがでしたか?

知識豊富なひたらぎアドバイザーと共に譜面の見所などをお伝えしたつもりですが、いま思い返してみても「もう少し〇〇にしたほうがよかったかな」「ここは〇〇と言ったほうが良かったな」等と反省するばかりです。

このような記事を作るのは初めてですが会場で皆様の熱を受けて私も何かを残しておきたいと思い、記憶が鮮明なうちに筆を手にした次第です。
パソコンなので筆は必要ないですが。

●自己紹介



今回、解説役を務めさせて頂きましたFUSEI3です。(福岡県登録)
過去のSP/DP谷口杯や名古屋の双打劇でも解説させて頂きました。

メイン機種はIIDXですが主なプレイスタイルはDPと左右片手プレイ。
両手SP時のプレイサイドは右利き2P側です。
基本運指は固定。世間で認知されている運指は一通り使えます。

SP/DP共にEX皆伝、アリーナクラスはA1/A1。
片手の最高位は左右中伝(IIDX情勢の煽りを受けて現在は両十段)

ただ、DPや片手の知識量に対し、お恥ずかしながらSPは浅識です。
(それでも毎回SPの大会に解説としてお招き頂き恐縮ですが・・・)


そんな私からの視点で今回の大会を振り返っていこうと思います。


●そもそもG1ゲーセングランプリ(通称:谷口杯)って何?


G1 GAME CENTER GRAND PRIX
9/17(日)に北九州(福岡県北九州市小倉北区浅野2丁目14−5あるあるcity)で行われたゲーセン5社合同BPL形式の大会です。
同日べあー杯という大会が行われていましたが『東のべあー杯、西の谷口杯』なんて書き込みも見受けられる程度には認知されてきたのかな?と感じています。
過去に同場所で行われてきた大会名が谷口杯だったので、今回の略称も自然とこのような形になったものと思われます。

●試合について


実は過去の谷口杯の時から試合で飛び交うであろう曲は全てミラーでプレイして、ある程度は予習をしていました。
(今回からは事前に決まっていたので少し楽でした)

予習の時に残していたメモがあるので、それらも一緒に載せながら各試合を振り返ります。

●第一試合 先鋒 きりしゃろ選手vsねね選手

・楽曲メモ
Journey
正規かミラー。個人的に正規。見た目より忙しい。
BPM200以上だと思ってやる。

予想通り双方とも正規ミラーでの戦い。
開幕、第一発目の試合ながら安定したプレイを魅せるきりしゃろ選手。
自選をしっかり通して大差をつけての勝利。

・楽曲メモ
Central Station
個人的には乱。終始さわやかな曲調で譜面も素直な乱打。
だけどラストだけワケわからん連皿がくる。

きりしゃろ選手は乱、ねね選手はミラー。
乱打地帯は乱が光らせやすいので中盤では接戦を魅せるも、後半の連皿でねね選手が持ち直し、お互いに自選を取り合う形で終了。

大会開幕直後から白熱した試合が始まり、これ以降の試合にも期待感が高まる場面だったと感じました。

●第一試合 中堅 千早選手vsウール選手


・楽曲メモ
kors k's How to make OTOGE CORE
個人的には正規。
言うまでもなくソフランだけど、譜面自体も普通にムズい。
デニムはずれるとヤバいかも。

両者ランダム。
Lv11の中では結構重い譜面なので、これは個人的には意外だと感じました。
特に、千早選手(自選)は昔から知っているプレイヤーなのですが、今までこういう譜面を避けている印象だっただけに新鮮な試合でした。
道中は常に僅差で争っていたもののラストのディレイ&軸地帯でウール選手が若干崩れ、ちはや選手が余裕を持って勝利。


・楽曲メモ
Holic
乱で良いと思うけど連打の位置によっては苦しくなる。
後半は細かいズレも含まれてるし譜面がムズい割にはノート数が少ないので1発ずつの精度が求められる。

こちらも両者ランダム。
試合展開は序盤からウール選手がリードする形にはなっていましたが終盤までずっと10点くらいの僅差を維持しつつ進行。
お互い精度は五分と言った状況でしたがウール選手はフルコンボだった分、ノーツの少ないこの曲の特性も相まって点差に繋がったんじゃないかと思われます。
仮にお互いフルコンボなら6点差が縮まっていたので、前半でその状態だったらまた違った試合展開だったかもしれません。
ラストの物量で若干引き離し、ウール選手の勝利。

ここもお互いに自選を取り合う形で終了。

●第一試合 大将 はくお選手vsきょん選手


・楽曲メモ
ECHIDNA
個人的にR乱。
でも正規ミラーは中盤のCN地帯の同時押しがメッチャ押しやすい。

配信のミスでスコアグラフが表示されていませんでした。
結果的に50点差、はくお選手が勝利したのですが私は自分の目で点差をチェックしておりまして、実は中盤では僅差でした。
両者ランダムでしたがお互いに自己べ-100点台となっており少し配置がよろしくない印象でした。
後半から譜面が複雑化し、ジワジワはくお選手が点差を広げて勝利。


・楽曲メモ
LOCUS OF THE TRAVEL
連皿とCNの嵐。普通に押そうと思っただけでもムズい。
特に中盤の連皿&トリルがムズすぎ。
正規ミラーなら片手で押せるけど終始階段多いのであんまり向いてないかも

こちらも画面にグラフ非表示のまま進行。
今回も両者ランダムでの勝負。
前半からはくお選手が大きくリードし結果としてはくお選手の勝利なのですが、きょん選手も要所要所で一気に20点くらい差を縮めていました。
はくお選手は自己べ更新、対するきょん選手は自己べ-100ほどあり、元々の自己べ勝負なら圧倒していただけに悔しい結果だったと思います。
いま思うと後の試合に繋がっていく、はくお選手の好調の片鱗だったのかもしれません。

●第二試合 先鋒 きりしゃろ選手vsゴルシ選手


・楽曲メモ
The Sealer ~ア・ミリアとミリアの民~
OPは何でも可。とにかく最初が命。そこからはずっと心臓勝負だけど後半少しだけ16分の折り返しが来るから緊張解けないように注意。

両者ランダム。最初のソフラン抜けた時点では5点差くらいでしたが、予想していた通りラストまで僅差を維持したままの試合展開。
そのまま2点差でラストの細かいノーツに突入。
僅差ながらリードを維持していたゴルシ選手、最後の最後で若干スコアを伸ばしつつ勝利。

・楽曲メモ
NRG STAR'86 feat.大山愛未
終始短いトリルと隣接がセットでくる。
中盤の白トリルとラストの連打に注意。

きりしゃろ選手ランダムに対し、ゴルシ選手はR乱+レガシー。乱数調整か。
お互い違う譜面パターンにも関わらず終始1ケタ差のまま進行。
中盤の難所でどちらか差をつけるかと思いきや両者譲らず。
最後の最後で6点差をつけてゴルシ選手は2タテ。
きりしゃろ選手は自己べ出したものの惜しくも届かず。

解説中にも少し触れましたが「お互いの選曲が逆じゃね?」と思わせる試合内容でした。
私個人の感想ですが、過去の谷口杯ではゴルシ選手はガチガチの単発系、きりしゃろ選手は少しテクニック要素を混ぜたものを投げる印象だったので、もしかすると両者ともあの頃から腕を磨いて得意傾向や対策も変化しているのかもしれませんね。

●第二試合 中堅 はくお選手vsいなり選手


・楽曲メモ
カジノファイヤーことみちゃん
中盤までが鬼門。ワケわからん皿と鍵盤のリズムで脳ミソやられてしまう。
片手処理前提なら個人的には正規。

ここは1P正規vs2Pミラーの戦い。
開幕のセリフ地帯からはくお選手が20点ほどリード。
そこから更に伸ばしていき、中盤のセリフ地帯を抜けた時点で70点差。
最終的には86点差を付けてはくお選手が圧勝。自選の強さを見せつける。
いなり選手も自己べから50点伸ばしており、決してコンディションは悪くなさそうな雰囲気でした。

・楽曲メモ
SAMURAI-Scramble
個人的にはR乱。トリルのハズレを減らすのと片手処理のしやすさを維持。
のほうをやり過ぎると前半ついつい回し過ぎになりがち。

はくお選手R乱に対し、いなり選手はミラー。
片手プレイヤー的にはミラー推奨なのですが、両手でプレイすることを考えると意外なオプションでした。
開幕は自選のいなり選手がリードしていたものの、中盤から調子を掴んだはくお選手が追い越す展開。
中盤~終盤手前のブレイクで、はくお選手は割と交互な配置であるにも関わらず、いなり選手が相手の優位にも負けず57トリルを完璧に処理してほぼ互角の状態を取り戻す。
終盤のVトリルでいなり選手が少し崩れて完全に試合展開がわからない状況になり、最後のトリルで9点という僅差ではくお選手の辛勝。

結果だけ見ればはくお選手の2タテでしたが特に2曲目の試合展開は誰にも予想できないくらい白熱した内容でした。
「もし〇〇でこうしていれば・・・」とifの話をしても仕方ないのかも知れませんが、そういう話をしたくなるような熱い展開でした。

●第二試合 大将 山田選手vsてみこ選手


・楽曲メモ
Concertion in Blue
乱で良いと思う。 微ソフランとぐちゃぐちゃした譜面なので、簡単そうに見えても思った以上にスコア出にくい。

両者ランダム。開幕の加速抜けで山田選手が早速20点リード。
山田選手のコンチェは過去の谷口杯を見てる方々なら説明するまでもないほどの脅威でしょう。
最終的に96点差を付けて山田選手の圧勝。
てみこ選手もAAA+80点と、かなり余裕持ってAAA乗せてるのでアリーナでも充分通用するスコアでした。

・楽曲メモ
n/a
ソフランもムズいし譜面もムズい。とにかく早くて忙しい。押せるなら乱で良いと思う。でも固定は後半の同時押しと階段が全体的に押しやすい。

・ストラテジーにより変更
冥 (楽曲メモは無いのでこちらを参照)

両者ランダム。n/aを投げたかったてみこ選手としては割と近い譜面傾向の楽曲を引けたんじゃないかなと感じました。
配置はお互い1Pでメイン2サブ3。3:5固定が使えるなら割とマシな配置。
前半てみこ選手が50点差を付けて大きくリード。正直この時点で地力に自信のあるてみこ選手が余裕で勝つものだと思っていましたが、本番のステージはそう単純なものではありません。
低速から山田選手が驚異の追い上げ。加速後で10点リード。
これは山田選手まさかの逆転か!?という展開から、後半乱打の細かい部分でてみこ選手がジワジワとスコアを稼ぐ。
最後はまさかの10点差でてみこ選手が勝利。
2分間で怒涛の展開を繰り広げた試合に会場も白熱していました。


●第三試合 先鋒 T選手vsゴルシ選手



・楽曲メモ
bass 2 bass
個人的にはS乱。道中で片手処理したいなら固定でもいい。
どれだけラップ歌えるかが勝負。

両者S乱。課題曲スクラッチでT選手の自選に対峙するゴルシ選手は心中穏やかでは居られなかったことでしょう。それくらい過去の谷口杯でも猛威を振るった存在でした。
中盤の時点で5~60点差を広げて最終的には84点差でT選手の圧勝。

・楽曲メモ
Do Back Burn
個人的には正規。何故なら片手処理がしやすい。ずっと続くバックスピンとマルチスピン。中盤の鍵盤地帯もBPMが遅いので軸に釣られないよう注意。

お互いプレイサイドが逆ですが両者正規。
前半からゴルシ選手が10点ほどリードしたまま進行。終盤までこの点差を維持しつつ、最後の難所で差をつけて26点離してゴルシ選手の勝利。

同じスクラッチ分野の楽曲ではあるものの譜面傾向が全く違うので、お互いの得意を刺し合った結果となりました。


●第三試合 中堅 53様選手vsいなり選手



・楽曲メモ
Scharfrichter
高速BPMの8分メインなので一見するとEDEN強化版って感じだけど小刻みに16分が混ざってくる。後半のCNが難しいので固定推奨。

お互いプレイサイドは逆ですが両者ミラー。
試合展開を見るに地力は53様選手、精度はいなり選手に分があるように感じました。
8分主体なのでリズムキープではいなり選手が優勢だったものの、細かい16分が来る度にリードを広げられてしまい最終的には34点差を付けて53様選手が自選をしっかり通す形で勝利。

・楽曲メモ
乱膳の舞姫
終始細かいCNがくっついてくるし、よく見ると細かいディレイみたいなのもちょいちょい降ってくるのでCN抜きにしても鍵盤がムズい。個人的にはR乱が良いかも。

こちらも両者逆サイドのミラー。前曲から推察するに両者とも階段の向きに好みがあるのかな?と感じました。
自選のいなり選手が開幕から常に10~20点リードを維持したまま進行。
危なげもなくそのままラストに突入し、53様選手はフルコンボだったものの36点差を付けていなり選手の勝利となりました。


●第三試合 大将 大野選手vsYあくしす選手


・楽曲メモ
mosaic
心臓勝負。隣接を3:5で取るならR乱が無難かも

・ストラテジーにより変更
VOX UP(楽曲メモは無いので簡単に説明します)
個人的にはR乱推奨。全てが完璧に上手ければ前半の連皿&ゴチャゴチャ地帯で割と勝負つきそうだけど自選で事故ってもおかしくないような譜面なので要注意。

オプションは予想通り両者R乱。
開幕からYあくしす選手が大きくリードし、そのまま大差をつけて勝利となりましたが自己べを見ると双方とも大きくマイナスで、特に大野選手は-200点ほど低かったので譜面の当たりハズレはあるものの本来の調子を掴めていなかったかも知れません。
G-stageチームにとってはストラテジーが活きた試合でもありました。

・楽曲メモ
Little Little Princess †
開幕と後半にSPAガニメデみたいなのが降ってくるのでそこが勝負かも。
階段っぽい配置なので乱で良いと思う。
基本は8分なのでしっかりスコア稼ごう。

大野選手は乱、Yあくしす選手は正規。どちらも気持ちは分かります。
開幕から中盤にかけては大野選手が持ち前の8分譜面の精度を活かし試合を常にリードしていました。これがmosaicだったらと思うと対戦相手は恐ろしいでしょうね。後半のゴチャゴチャ地帯でYあくしす選手が地力を活かして僅差の勝負へ持ち込んだのち最後のソフランでは1位2位を行き交うデッドヒート。僅か3点差でYあくしす選手が勝利。会場を歓声(喚声)が包みました。


●第四試合 先鋒 大野選手vs室蘭選手


・楽曲メモ
恋はどう?モロ◎波動OK☆方程式
中盤と後半に一瞬細かいの降ってくるから気を付けて。
後半は皿が少し増える。オプションは好きなの何でも良いと思う。

大野選手は乱、室蘭選手はミラー。
自分で"オプションは好きなの何でも良い"と言いつつ、大野選手のオプションは少し意外でした。理由としては隣接が多いので嫌な箇所に鍵盤が絡むと崩れやすいのとデニムっぽい連打地帯が嘆きの樹のハズレっぽくなると押しにくいからです。
室蘭選手が得意の固定オプションで挑み、他選を喰う形で勝利。
純粋な実力だけでなく情報収集の能力にも長けたプレイヤーなのでチームに居るだけでも戦力アップに繋がりそうですね。

・楽曲メモ
Tori-no-kimochi
開幕からとんでもないハネ方してる。終始休まることなくズレハネ。後半は早い螺旋階段が来るので乱でもいいけど配置自体は固定も結構押しやすい。

お互いに先ほどと同じオプションとなりましたが、今回はどちらのオプションも気持ちは分かります。階段ぎみの箇所を押しやすくしたいので乱も有効ですし、ハネた先の譜面が全体的に押しやすく後半の螺旋地帯が室蘭選手の運指にマッチしている固定系も頷けます。

結果だけで言えば室蘭選手が53点差を付けて圧勝したのですが、このとき大野選手は自己べ+20ほど更新したものの今回の2曲でFAST比がかなり傾いていたので、先ほどの大将戦から何らかの思考を挟んだ結果それが裏目に出てしまったのではないかと予想しました。元々FASTに寄せて光らせるタイプの方だったら私の勘違いです。


●第四試合 中堅 53様選手vsDVDBOX選手



・楽曲メモ
デモーニッシュ
開幕はマジで1個も落とさず通過したい。乱で良いと思うけど一瞬くるトリルが外側に来たら嫌だね。ちょいちょい謎に12分挟んでくるから注意。

両者ランダム。
この手の譜面は開幕のソフラン明けで自選者が少しリードするものだと思っていましたが、まさかの0点差。中盤から増えてくる細かい部分やトリルで53様選手がジワジワ引き離していき37点差でゴール。
谷口杯出場は今回初の53様選手ですが高速系に定評があります。

・楽曲メモ
Battle Train -IIDX Edition-
ひたすらノンストップで16分。合間に挟んでくる24分や32分で体力を削がれるしラスト前にとんでもないトリルがくる。
乱でもいいけど、細かいのが一個でも外れると全部外れるから注意。

53様選手は乱、DVDBOX選手は正規。
前半から常に53様選手がリードする試合展開に正直なところ「これは53様選手の勝利濃厚か」と思っていました。
ところが最後の10秒で怒涛の展開。10数点差まで縮めたDVDBOX選手がラスト前の隣接を完璧に光らせて2点差まで持ち込みます。
とうとう1位2位がチラつく状況まで縺れ込み、最後の半小節で大逆転。
序盤の劣勢を押し退けてDVDBOX選手の勝利。
これには解説席も絶叫。ドラマチックな展開を魅せてくれました。


●第四試合 大将 CXF(クロスファイア、人間火炎放射器、装填された銃、ドールサイス、オーメンシェイブ)選手vs晩餐選手



・楽曲メモ
龍王の霊廟 †
ずっと12分。中盤から始まるCN地帯も押しやすく鍵盤地帯も同時押しのノリで押せる正規ミラーが良いと思う。

両者ランダム。
序盤の歌い出しまでは両者譲らず。中盤のCNが絡んできたあたりから自選のCXF選手が少しずつ点差を広げていき、最終的に53点差とかなり大きく差をつけて勝利となりました。
元々地力に自信のあるプレイヤーなので、こういった我慢大会系の譜面でも後半バテずにペースを維持出来た印象でした。

・楽曲メモ
kors k's How to make OTOGE CORE「LONG」
曲が進むにつれて様々な要素が飛んでくる。 連皿、複合、連打、ディレイ、パート毎に難所がハッキリしてるけどヒネくれた要素はなく、一譜面で色んな要素を練習できる。 たぶん原曲のほうがヒネくれ具合は上かも?中盤あたりから隣接ムズくなってくるので一個ずつを大事にしたい。固定なら片手処理が容易だけど直後に物量来たり忙しいので片手自体オススメしにくい。

両者正規。序盤から隣接や連皿が多いので、自選でこの選曲ならここで差を付けるだろう・・・という予想に反し晩餐選手は10点程のリードに留まりCXF選手が喰らい付く展開に。しかし中盤のCN地帯あたりから徐々に晩餐選手が優勢となり、CN抜けの連皿で一気に30点差へ。そこからは完全に晩餐選手がペースを掴み、53点差を付けて余裕を持った勝利となりました。

よく見ると、お互い自選で53点差を付けて引き分けとなった試合です。
チーム内に53様選手が居た事と何か関係があるのかも知れません。



●第五試合 先鋒 ねね選手vs室蘭選手



・楽曲メモ
Dazzlin' Darlin
ひたすら八分同時押し。一個でも黄ばんだらヤバい。
地味に隣接多いので注意。

ねね選手ランダム、室蘭選手はS乱。
このオプションは両者に対して意外だなと感じました。
精度の高いねね選手、譜面傾向と対策で勝負する室蘭選手。
両者の性質や過去の大会を鑑みると固定かR乱かと思っていました。
試合内容は想像していた通り僅差での進行。軸を全て抜けるS乱の強みを活かしつつ室蘭選手が5~7点ほどリードした状態で後半へ。
後半からは16分が増えてS乱は若干嫌な箇所に連打が固まり、徐々に点差が縮まります。そしてラスト2小節でまさかの同点。
そこから1点差でねね選手が逆転勝利となり会場も大盛り上がりでした。

・楽曲メモ
NANAIRO
基本はEDENみたいな高速8分メインだけど前半は24分の折り返しで後半は階段が来る。ちょいちょい変なリズム来るから曲調の割にスコア出にくい。
個人的には乱でもいいけど前半の折り返しが外れたら嫌&後半の交互がヤバいことになりそうなので怖い。

ねね選手ランダム、室蘭選手ミラーで試合開始。
両者のオプションを見た瞬間、正直「あっ・・・」と思いました。
どんな譜面にせよ当たりを引けば良いだけの話なのですが、この曲は一度ハズレてしまうと延々ハズレを叩かされるタイプの譜面なので何やら嫌な予感がしていました。そして予想は的中。4鍵から左右に出張できればまだ交互で押せる配置ではあったものの、どちらか一方でも固定で押そうとすると厄介な組み合わせとなり点差を大きく広げられる展開に。
自身が得意とするクセの強い譜面&相手が未プレイである事を見透かしたかのような選曲により65点差を付けて室蘭選手が勝利。

個人的には対戦でDazzlin'Darlinが飛ぶこと自体が意外だと感じました。
だってアリーナ4人A1の部屋でAAとかクロスロードみたいな同じレベル帯のプレイヤーなら誰でもやり込んでそうな譜面が飛んで来たら「コイツどんだけ自信あるんだよ・・・」って、クセのある譜面より警戒しませんか?


●第五試合 中堅 Gぐら選手vsHAL選手



・楽曲メモ
nostos
言わずと知れた曲 ソフラン、連打がムズい。 あとトリルのリズムが変

・ストラテジーにより変更
four pieces of heaven(楽曲メモは無いので簡単に説明します)
一見ただの高速乱打・・・に見えて実はメッチャ汚い。中盤にソフランもあるし隣接も割と鬱陶しい。仮に綺麗な配置でソフランが無かったとしてもLv11の中ではかなり物量寄りな譜面。

nostosが消滅。完全に自身のフィールドから外れた選曲となり、Gぐら選手もフィールドから外れて崩れ落ちていました。
開幕からズレをものともせずにHAL選手が順調に点差を開いていきました。
G-stageチームの作戦が見事にハマり「これは確定か~」と思っていましたが、中盤のソフランで思わぬ展開。Gぐら選手が謎ギアチェンを連発し低速地帯で1ケタ差まで持ち直しました。私が今まで一度も見たことがないやり方だったので目から鱗でした。
しかし高速に戻ってからは再びHAL選手が大きく差を開いて圧勝しました。

・楽曲メモ
FUTURE is Dead 地味に前半の単発地帯も変なリズムなので気が抜けない。 ソフラン覚えてても加速中のズンドコリズムがハネてたりハネてなかったりしてムズい

・ストラテジーにより変更
D(楽曲メモは無いので簡単に説明します)
個人的には乱でも良いかなぁ。開幕は低速から始まり、中盤に向かって加速。しばらくは落ち着いた高速乱打が続いて徐々に減速。低速後は叩き皿系のバチバチ譜面。ソフラン覚えておくに越したことはないけどAAA出すだけなら割とゴリ押しギアチェンでも何とかなるタイプの譜面。

両者2P側ミラー。全く同じ条件で試合開始。
ソフランと言えど、やや高速系寄りの曲なので、この曲も若干HAL選手に分があると読んでいましたが前半の低速~加速地帯でGぐら選手の本領発揮。
高速で伸ばしてくると思われるHAL選手に対し加速突入の時点で50点差と、かなり大きな貯金を作ることが出来ましたが、それを黙って見過ごすHAL選手ではありません。高速でグングン追い上げていき低速に戻る時点でGぐら選手の貯金は+18点差まで削られてしまい、試合の展開は予想出来ない状況になりました。
そこからGぐら選手が持ち前の精度を発揮して残りの点差をそのまま守り抜く形でラストまで走り勝利を収めました。

両チームともストラテジーを投げ合った結果、自分の持ち味を活かして得意分野で星を取り合う試合結果となりました。

●第五試合 大将 ウール選手vsDVDBOX選手


・楽曲メモ
Session 9 -Chronicles-
開幕連打。あと微妙にソフラン。前半の乱打のリズムがちょいちょいおかしくてムズい。後半は高速乱打と2重階段がずっと続く結構重ための譜面。
正規ミラーも以外と悪くない

両者ランダム。
自選のウール選手が連打地帯の終わり際で崩れてしまい、DVDBOX選手は+59点の状態で良好な滑り出しに成功。この時点でDVDBOX選手かなり濃厚か?と感じていましたが、やはり本番は誰にも予測できません。前半~中盤のヘンテコリズム地帯でウール選手がジワジワ接近。後半から4小節ほど1位2位を彷徨い、かなりヒリついた展開へ。そこからウール選手が10数点リードを維持してまさかの逆転勝利。
チームメイト達が壇上へ駆け寄っていました。
そしてこの時DVDBOX選手は今作未プレイの曲でもありました。もし開幕の59点差が見えていたと思うと悔しい試合だったと思います。

・楽曲メモ
F
譜面自体は12の中でも簡単な部類だけど、何でもない乱打に見えてメチャクチャずれてる。休憩終わった後の後半ラッシュが特にひどい。

こちらも両者ランダム。
前半から常に1位2位を彷徨うデッドヒート。「多分ここでどちらかが差をつけるかな?」という箇所でも両者全く譲らない展開。
休憩前の24分地帯あたりでウール選手が20点前後のリードを取り、そこから終盤まで優勢を維持するもラスト5小節からDVDBOX選手が怒涛の追い上げ。
ウール選手がギリギリ逃げ切る形で勝利となりましたが、その差10点。
大将戦に相応しい激戦でした。


●第六試合 先鋒 きりしゃろ選手vsDVDBOX選手




・楽曲メモ
thunder
ありえないほどズレハネ。
脱力しようと思っても顔真っ赤にしてバチバチ叩く。

きりしゃろ選手正規、DVDBOX選手ランダム。
開始直後はしばらく拮抗していましたが、ズレハネの強さを魅せるきりしゃろ選手がジワジワと伸ばしていきます。前半の休憩入る手前でほぼ完璧に近い光らせ方をしていて一瞬会場の声が大きくなりました。
サビのハネ乱打を固定譜面でしっかり光らせて自選の強さを見せつけました。DVDBOX選手も高い精度で喰らい付きますが26点差できりしゃろ選手の勝利となりました。

・楽曲メモ
ANDROMEDA II
全体通してトリル混じりの中速乱打って感じだけど、ちょこちょこ24混ぜてくる。後半一ヶ所だけ謎に連打くるので譜面知らないとビックリする。

両者ランダム。これは妥当なオプションでしょう。
開幕~中盤にかけて常に自選のDVDBOX選手がリードしていましたが10数点差程で止まっており気を抜けない状況。きりしゃろ選手は精度を活かしてしっかり他選曲に張り付きます。流れが生まれたのは後半から。
その流れを掴んだのは自選のDVDBOX選手でした。この譜面をよく見ると刻みの細かい箇所が随所に散りばめられており、そういった部分でDVDBOX選手が強みを発揮した印象です。
後半のトリル交じりから徐々に点差を伸ばして23点差を付けてDVDBOX選手の勝利となりました。

●第六試合 中堅 千早選手vs晩餐選手


・楽曲メモ
Shadow world
細かい乱打とか高速階段とかあるけど、このレベル帯の実力者ならほぼ心臓勝負になると思う。
最後さりげなくトリル来るのでそこ事故らないように注意。

両者ランダム。気のせいかもしれませんが何故だか千早選手はいつもShadow worldやってるような感じがします。
解説中にも少し話しましたが、お互いにとって勝負が良くも悪くも変化するとしたらラストのトリルだと予想していました。
そして予想通り、トリル前まで激戦。試合展開だけでみれば常に千早選手がリードしていましたが、その差は常に数点~10数点だったので両者の緊張が会場にも伝わるような感覚でした。
最後のトリル突入時の点差は6。どちらに転んでも不思議ではありません。
ここで千早選手がまさかの勢い加速。10点差を付けて自選獲得。
しかし晩餐選手の画面をチラッと見ると自己べは千早選手の自己べと同点。
Shadow worldって名勝負生産機ですよね。

・楽曲メモ
Hydrogen Blueback †
BPMがあと少し遅ければ叩き皿が出来るし、あと少し速ければブン回せるのに…って感じの譜面。正規ミラーは片手処理しやすいけど、むしろ片手以外に良い解決策ある?

千早選手2Pミラー、晩餐選手1P正規なので条件は同じです。
楽曲と選曲者を見た瞬間「あっ・・・」と思いました。
晩餐選手のプレイ傾向は過去の谷口杯を見ている方ならご存じでしょう。
前半の連皿地帯が始まってからモリモリ点差を開きます。
千早選手も高い精度を駆使して鍵盤地帯は点差を譲らないのですが、無常にもこの曲は後半にも長い連皿が降ってきます。
123点差と圧倒的なスコアを叩きつけて晩餐選手が勝利しました。

●第六試合 大将 山田選手vsHAL選手




・楽曲メモ

S乱が定番オプションだけど実は3:5固定使うと正規ミラーが結構いけてる。

山田選手S乱、HAL選手R乱。これはどちらの気持ちも分かると思います。
楽曲メモにも書いている"固定がイケてる"理由なのですが、隣接皿が全て鍵盤に合わせやすい位置になり光らせやすい&残った邪魔な部分は反対の手でカバーしやすい配置パターンが多いからです。(運指によります)
そしてS乱が定番というのも、そもそも押しやすい配置にしたところで連なった配置を正確に押し続けるという行為が人を選ぶので、それなら全部バラバラにしてしまおうという魂胆です。
まずは開幕ラッシュ。過去の谷口杯でも桜の脅威を見せつけた山田選手が20点ほどリードしたまま中盤まで進行しますがここで流れが変わります。
HAL選手が「 ボ ン 」地帯から逆転。他選であってもトリッキー系の強さは健在です。加速のギアチェンは両者完璧。点差1ケタで後半へ。
しかし後半の繰り返し地帯でHAL選手に不運が。連打と軸の絡みが一瞬だけ冥の1・2引いた時のような配置になっていたので同じ2Pの自分としてはさすがに失点も止む無しと感じました。一方山田選手はS乱の特性を活かしつつ生まれた隙を突いてしっかりと点差を開き、43点差で勝利となりました。

・楽曲メモ
Fascination MAXX
AAA出すだけなら乱とかS乱で無理矢理押し通せばなんとかなるけど上位の戦いとなるとそんなものが通じる訳ないのでちゃんと対策しよう。

・ストラテジーにより変更
New Castle Legions(楽曲メモは無いので簡単に説明します)
個人的には乱でも固定でもOKかなぁ。これもゴリ押ししようと思えば出来るけど、さすがに大将戦でそんなのを相手が許してくれるとは思えん。

山田選手はランダム。HAL選手はミラー。
序盤から山田選手が優勢でしたが点差自体はどこで覆るか分からない状況。
しかし中盤で一瞬BPMが遅くなって170まで加速する箇所で山田選手が一気に40点差を開き、そのままラストまで駆け抜けて勝利。
ただ、この時HAL選手側のスタートボタンが少し怪しい感じだったので少し引っかかる部分が残る試合でもあります。
ギアチェンの方法も常に進化する昨今、"8個目の鍵盤"とも呼ばれるスタートボタンの重要性を知る試合でもありました。

●第七試合 先鋒 千早選手vsCXF選手


・楽曲メモ
獅子霞麗の舞
前半~中盤は別にズレハネとかがある訳じゃないけど独特のリズムと小刻みに挟む細かいリズムがある。中盤~後半は長めのCNに緩やかな鍵盤を挟んでくるのでしっかり拾おう。

千早選手ランダム、CXF選手はR乱。
私の知る、千早選手らしい選曲に感じましたがオプションは意外でした。
譜面自体は一見するとトリッキーに見えますがこのレベル同士ならさほど差を付ける要素にはならないと予想してました。中盤までに関してはおよそ想像通りの展開ではあったのですがラスト前までギリギリの勝負になったのは完全に想定外です。
最後まで耐え抜いた千早選手が見事に自選を制しました。
元々コンボラーの印象が強かったCXF選手がこういった譜面で喰らい付く姿も新鮮でした。

・楽曲メモ
RIDE ON THE LIGHT †
ライドンの嫌な部分をそのままに、ひたすらCNを追加しただけの凶悪譜面。俺ならミラーで外側にトリル移してラストは皿側トリルにしたい。
しかもこれでLv10。意味不明。

お互いにプレイサイドは逆ですが正規同士でのバトル。
前記した通りトリルの位置が前半と後半で違うので好みがあるのでしょう。
前半のトリル2回をほぼ完璧に捌いたCXF選手が早速30点リードしましたが、更に中盤のCN地帯明け(ずっと明けないけど)のトリルで6~70点ほど引き離して完全な優位を築きました。
ラストのトリルも全て揃えて、ダメ押しをするかのように98点差で圧勝。

●第七試合 中堅 山田選手vsT選手


・楽曲メモ
Swarm of Scarabs
叩き皿。大小のバックスピンを終始挟んでくる。
中盤のCN来る直前にリズム遅いところが来る。視覚的にメチャクチャずれてるけど多分普通に押しても光りそう。後半はソフランしてないのになんか倍のBPMになったような気分。正規ミラー推奨。

山田選手は正規。T選手はミラーなのでお互い条件は同じとなりました。
開幕からずっと拮抗した試合展開。両者一歩も譲りません。
動きがあったのは後半の疑似加速地帯からでした。ここからは鍵盤の密度が高くなるので自選の山田選手に分があるところでしょう。
そのままジワジワと点差を開いていき30点差を付けて自選を取りました。

・楽曲メモ
IDC feat. REVERBEE
皿が遅かったり早かったりしてムズい。鍵盤と互い違いになってて、どちらかのリズムに引っ張られがち。
そんなに片手力が要るような譜面でもないのでオプションはお好みで。

両者プレイサイド逆の正規ミラー。無難オプションだと思います。
少し気になったのはT選手の109ノーツ目の謎ミスです。
連皿で片手処理と3:5固定使う気満々で早々から準備していたのでしょうか?
ここで意外だったのは前半の皿地帯で思ったより差が開いていなかったことでした。山田選手もしっかり連皿を光らせており、基礎的な部分でも彼の強さを感じました。しかし中堅戦の課題はスクラッチ。後半の連皿では己の武器を誇示するかのようにT選手が+31点で勝利となりました。

●第七試合 大将 はくお選手vs53様選手


・楽曲メモ
THE PEERLESS UNDER HEAVEN
個人的にはR乱。連皿地帯は片手で全部押せると難易度かなり下がる。
後半の5連皿地帯が一番ムズい。前半と後半の鍵盤地帯だけで結構重い。

・ストラテジーにより変更
Sence2007(楽曲メモは無いので簡単に説明します)
遅めの隣接皿と連打がずっと続く。多分ダメな人はずっとダメ。
地力に自信があればS乱。精度に自信があれば何でも。
皿曲の割に、片手で押すには手に余る。片手だけに。

ストラテジー喰らったにしては嬉しそうな はくお選手が印象的。
両者ランダム。連打は6鍵です。
序盤から好調なスタートを切り試合をリードする はくお選手。
しかし瞬間的に難しくなる箇所で53様選手が点差を縮めます。それだけにファンタジスタチームとしてはもう少し重い曲を引きたかった試合です。
そして波に乗った はくお選手が83点差を付けて勝利となりました。

・楽曲メモ
X-DEN
個人的にはR乱 嘆き地帯がヤバすぎ。灼熱地帯は遅い皿が苦手な俺的にはむしろ楽になってるけど、嘆きの直後に灼熱という組み合わせが凶悪。
灼熱の入りがミスりがち。穴冥地帯はちょっと優しくなってる。

個人的名勝負を挙げるとすれば、この試合は絶対に外せません。
オプションは両者ミラー。
開幕のデニムで53様選手まさかの自選で大失敗。正直、このレベル同士の戦いでこのミスは「これはもう厳しいか・・・」と思っていました。
対する はくお選手、この日は絶好調の様子。
卑弥呼地帯を抜けた時点で130点ほど差を開いて絶対的な優位を確保。
冥地帯で53様選手が持ち前の地力を活かして100点差まで縮めるも、後半でこの点数差は絶望的です。AA地帯~2重トリル地帯で追い上げるもデニム前でようやく80点差。はくお選手の勝利かと思ったタイミングで大事件が。
なんと、最後のデニムで開幕とは完全に逆の状況に陥り、はくお選手が大失敗するというドラマのような展開に。
対する53様選手、土壇場でデニムを完璧に光らせて奇跡の追い上げ。
勝負の行方は・・・
はくお選手が僅か2点差で勝利。

私が思うに、この日 はくお選手は実力以上の何か・・・座敷童にでも懐かれた様な何かを持っていたんだと思います。
譜面の運だったり、ストラテジーの運だったり、最後の2点だったり。
高レベルのプレイヤー同士あるいは自分よりも強いプレイヤーと対峙する時、最終的には運命力も大事だったりします。

アリーナで前半から大差を付けられると士気が下がってプレイに雑味が混ざりがちな私ですが、この試合を見て最後まで諦めないようにしようと思いました。結果だけ見れば惜しくも敗れてしまった53様選手でしたが、最後まで諦めなかったからこそ生まれた名勝負だったと思います。

●第八試合 先鋒 Gぐら選手vsCXF選手


・楽曲メモ
真夜中のバベル
ズレハネ、隣接、8分オッス、CN、高速階段、ディレイ。
スコア狙いに必要な要素が全て詰まったような譜面。

両者ランダムです。
この試合が始まる前はGぐら選手に分があると踏んでいました。
ところが蓋を開けてみると予想外の展開に。どこのパートを切り取っても互いに1位を奪い合う超激戦です。ラスト前まで±0を繰り返したのち、最後の最後でズレハネを完璧に光らせたGぐら選手が自選の意地を見せつけて一気に14点開き、チームメイトとしての役割を果たしました。

・楽曲メモ
罪過の聖堂
みんな知ってるし説明する必要ないやろ。

Gぐら選手ランダム、CXF選手は正規で試合開始。
CXF選手は本来、地力特化型プレイヤーなので「なんでこれ投げた?」と疑問に思う方も居たのではないかと思いますが私の考えは少し違いました。
コンボラーに多いのが『座学』を行ってフルコンするという方法なのですが彼らはその情熱を高難度フルコン埋めに使っているだけで「もし低~中難度のソフラン研究にも熱量を向けたとしたら?」と思うと、その秘めたるポテンシャルは目を見張るものがあるでしょう。
・・・と、持論を展開したものの、惜しくもCXF選手は15点差で敗退。
Gぐら選手の他選であっても自分の土俵を活かし精度で差を付けていくその強さ、やはりと言うべきでしょうか。べあー杯でも実績を残していることが何よりの証左でしょう。

●第八試合 中堅 ねね選手vs大野選手


・楽曲メモ
ディッシュウォッシャー◎彡おいわちゃん
正規ミラーは好み別れるかも。とりあえず固定。中盤のクレンザー地帯以外は基本的に隣接多めの8分同時押し主体。ラストのトリル外れたら終わる。

ねね選手は正規、大野選手はR乱。前半は両者譲らず拮抗した試合です。
動きがあったのは中盤のクレンザー地帯から。R乱だとここのトリルが押しやすい配置になる確率が高いです。譜面とオプションの特性を活かして大野選手が一気にリードしました。そこからねね選手もしっかり光らせて点差をこれ以上開かせまいと喰らい付いていました。ラストのトリル次第では逆転も大いに起こりうる譜面です。
30点差でラストのトリルに突入。R乱は若干押しにくい要素もあったものの比較的良い配置だったことと、ねね選手のトリル中のミスも重なり大野選手が53点差を付けて勝利。

・楽曲メモ
the trigger of innocence †
ミラー(1P正規)めっちゃ良くない?
でも終始同じリズムだから固定オプション多用してたら脳ミソ壊れるかも。

両者ランダム。固定でプレイすると思っていたので意外でした。
大野選手の過去の大会を見ても分かる通り、8分主体のリズムキープ系がメチャクチャ強いです。それらを踏まえて「自選は取るだろうな」と予想していたのですが、ここでも大きな番狂わせが。
開幕から戦況をリードしていたのは ねね選手。そのまま点差を最後まで維持して13点差でゴール。ここで感じたのは、ねね選手は試合が進むに連れて調子が出るタイプなのかなと思いました。第五試合の時といい、本番での心臓系に強いのかも知れませんね。

●第八試合 大将 きょん選手vsT選手


・楽曲メモ
Everlasting Message
とにかく速い。 細かいCNたくさん降ってきてムズい。CN無くてもムズい。鍵盤自体は乱使いたい譜面だけどCN考えると固定系しかないかなぁ

・ストラテジーにより変更
共鳴遊戯の華(楽曲メモは無いので簡単に説明します)
高速乱打。かなり高密度だけど譜面自体はあんまり特徴がない。
CN地帯は別に捨ててもいい気がする。それより直前の連打がヤバい。

きょん選手はランダムでT選手は正規。正規難しくないですか?
ストラテジーで曲が発表されたとき、正直「あんまり変わってねーじゃねーか!」と思いました。さすがにエバラスのほうが難しいですが譜面傾向は割と近い要素持ってると思ってます。
連打地帯あたりから鍵盤力に分があるきょん選手が一気に点差を広げます。
中盤のCN地帯明けから続く物量ラッシュで更に点差が開き、最終的にきょん選手が144点という大差で勝利を収めました。

・楽曲メモ
ディスコルディア
メッチャ速いけどBPM120くらいのつもりでプレイしたほうがいい。
全体的な譜面構成考えると乱使いたいけどCNあるのでR乱が無難か。
例の地帯抜けた後の階段、簡単そうに見えて全然押せないけど俺だけ?
後半は連打メッチャ多いから頑張って。

・ストラテジーにより変更
Almagest(楽曲メモは無いので簡単に説明します)
AAA出すだけならレガシー付けたらOKだけど、さすがに猛者を相手に通用する作戦でもなさそうなので、ダメそうなCNだけ捨ててしっかり光らせたい。

きょん選手ランダム、T選手は2Pミラー。押しやすさで言えば断然ミラーだと思いますが光らせるとなると難しいです。双方ともストラテジーを使う試合となりましたが、思ったより割と近い属性の譜面同士が抽選されており、鍵盤では若干不利なT選手が困ったような顔をしていました。
そんな本人の不安を表すかのように、ラッシュ前の時点で50点ほど差を付けられてしまったT選手。一方きょん選手は調子良く試合を運んでいたかのように見えましたがCN地帯でT選手が追い上げてきます。CN明ける瞬間で10数点にまで差が縮んだものの、きょん選手はディレイや物量が増えるタイミングを逃さず、要所要所でキッチリ自分の得意を発揮して差を広げていき34点差で勝利しました。

●第九試合 先鋒 ウール選手vsYわくしす選手


・楽曲メモ
Abyss
純粋な単発勝負に見せかけて実は結構トリッキーな譜面。とにかく皿複合の置き方が嫌らしい Lv8の割には前半の難易度はかなりのもの。
地味に2回来る連打も怖い。

両者ランダム。
この曲を投げて勝負を付けるとしたら前半だと予想していました。
目論見通り?ウール選手が前半で10点ほど先行した状態で後半へ突入していきます。前半とは違って後半は綺麗で押しやすく、高レベルのプレイヤー同士なら相手の失点は考えにくい譜面です。それだけにYあくしす選手としてはブレイク時点での10点差は痛かったことでしょう。
前半で作った点差を維持したままウール選手が14点差で勝利。

・楽曲メモ
toy boxer
ジャリジャリとかトリルは何回も挟んでくるけど譜面の置き方自体は素直。 トリル考えると固定系が良いかも。
たぶん大会で戦う者同士ならトリルで事故らん限りは接戦になると思う。

2曲目も両者ランダム。こちらも心臓勝負か、例の箇所で試合が決まると予想していました。先ほどのAbyssもそうですが、先鋒戦のこういう『クセの少ない譜面』は投げられた側の精度や地力が足りていれば初見でも割となんとか出来てしまうので、投げる側としては「ここだ!」という難所を100回プレイして100回とも光らせるくらいの安定感が鍵となります。
明確に勝負が動いたのは後半から。ウール選手が合間に挟まる細かい譜面を確実に光らせていき10点差になりました。
Yあくしす選手も非常に安定したプレイングでしたが連続トリル地帯でウール選手が完璧に光らせて16点差。終盤密度が上がりYあくしす選手が地力を活かして追い駆けますが、13点差でウール選手が逃げ切り勝利。

●第九試合 中堅 きょん選手vsてみこ選手



・楽曲メモ
Psycho Sheep Riddim†
叩き皿。バックスピンが小刻みに飛んで来る。鍵盤は全部早めのEDENだと思ってガチ押しする系の譜面。でも一瞬速いのくるので注意。
長いCNたくさん来るけど勝負の決め手になるほどのトリッキーさは無い。

・ストラテジーにより変更
Golden Palms†(楽曲メモは無いので簡単に説明します)
通常版でも結構厄介な譜面だったのに更に厄介になってる。
A→†への変化がライドンっぽい。CN抜きにしても変なハネが難しい。

両者プレイサイド逆のミラー正規なので実質同じ譜面です。
このストラテジーを見た感想としては「なんかPsycho Sheep Riddim†より酷くなってない?」というものでした。多分きょん選手の当初の作戦としてはオール手首皿のてみこ選手に刺さりそう&相手より長けた分野での勝負に持ち込めるといった選曲だったのでは?と感じていましたが、結果的に似たような選曲となり内心ホッとしたことでしょう。
きょん選手、早速前半から点差を開いていき中盤のCN地帯明けで+50とかなりの優勢。この時点で勝利は堅いものとなり、てみこ選手が追い駆けるものの点差を縮める事も許されず54点差できょん選手勝利。

・楽曲メモ
THE BLACK KNIGHT
終始中速16分乱打だけど、常に長めのCNがくっついてくる。荒れるとしたら確実に中盤。 高速トリル&高速階段なんだけど明らかにリズムがおかしい。このズレのせいで視認難も相まって激ムズ。今までランダム派だったけどCNの安定感とトリルの位置考えると正規ミラーも良い気がしてきた。

てみこ選手の自選。両者ランダムです。
『若手』『地力特化型プレイヤー』『THE BLACK KNIGHT』
この3つが重なると、どこか環選手(過去の谷口杯選手)を彷彿とさせるのは気のせいでしょうか?そんな事を思いながら試合を観ていました。

間近でプレイを見ていた方なら分かると思いますが、てみこ選手はガチガチのガチ押し。しっかり16分を光らせて、常にきょん選手に対して10数点の優位を保っていました。
そして点差を維持したまま最難所へ突入。難所明けで38点差。
両者ランダムならここはハズれる程てみこ選手の領域となります。
きょん選手も持ち前の精度で後半の乱打をほぼ完璧に光らせて追い駆けますが、今度は1曲目とは逆の展開に。てみこ選手が追走を許しません。
難所明けからの点差を守り、31点差でてみこ選手が勝利しました。


●第九試合 大将 Gぐら選手vsいなり選手


・楽曲メモ
雪上断火
連皿中の鍵盤は全て片手で押す身としては正規(1Pミラー)一択。
中盤が一番厄介。皿も鍵盤もリズムめちゃくちゃ

オプションは両者ランダムだったのが意外でした。
皿絡み難しくなりませんか?
この試合は前半の連皿でどちらかが2~30点ほど差を付けると予想していましたが、まさかの両者譲らず。自選のGぐら選手が少し先行する形で低速地帯へ突入しますが、ここでいなり選手が魅せます。
低速後のギアチェンを失点無しで通過。これにより順位が入れ替わりますがその差は1ケタ。このまま低速中は拮抗します。
加速地帯のギアチェンは両者完璧。なんと一点差で後半へ突入。
常に1ケタ差を行ったり来たり。後半の連皿も互角の激戦を繰り広げた最後の最後、Gぐら選手が気合いの8点差で自選を制する試合となりました。

・楽曲メモ
SAYBAY
個人的に正規(1Pミラー)一択。理由は中盤のCN中に降ってくるトリルが押しやすいので。 後半は2重階段というか、全体的にスクリプっぽい譜面。

Gぐら選手ランダム、いなり選手R乱。
開幕トリルの位置が入れ替わるタイミングでGぐら選手がミスしてしまったのに対し、いなり選手は完璧に光らせて通過。これによりGぐら選手は実質20点ハンデを背負った状態で演奏開始したような状況に。
前半の小さなトリル&8分隣接地帯でも開幕と同じ展開になり、ここで一気に40点の差が開きました。この譜面をランダムでプレイする場合、当たりハズレが激しいので実力以上に強い引きが重要になってくると感じます。
そこから自選のいなり選手は更に引き離していき後半も特に危なげな部分もなく86点の大差で圧勝しました。

後から思ったのですが、私から見るとGぐら選手といなり選手は両者ともプレイ傾向が近いプレイヤーだと感じました。
だからこそ、お互い違う譜面で戦う時の得手不得手が表れやすいのかなと感じる試合でした。

●第十試合 先鋒 室蘭選手vsゴルシ選手


・楽曲メモ
PARANOIA MAX ~DIRTY MIX~
気持ち的にはめっちゃS乱使いたくなる譜面。中盤の謎連打で差を付けられなかったらマジモンの心臓勝負になる。

両者正規・・・と思いきやゴルシ選手LEGACY。乱数調整。
前半から自選の室蘭選手がリード。数点の優位ですが演奏時間もノーツも少ないこの曲では大きな点差です。
ゴルシ選手のLEGACYが作戦ミスとなったのかも知れません。
この試合で両者の手元をよく見ると連打が来る前に5鍵の上に手を添えています。結果的に25点差で室蘭選手の勝利となるのですが、ゴルシ選手も他選をしっかり予習出来ていたと感じる一幕でした。

・楽曲メモ
gentle stress
中盤とラストのジャッジャッジャッジャッ……地帯が勝負どころ。
譜面自体は素直なのでその2箇所で両者事故らなければ接戦必至。

室蘭選手S乱LEGACY、ゴルシ選手LEGACY。
まさかの室蘭選手、相手の気持ちを汲み取りアンサー。
アリーナモード等でこちらの意図が伝わると少し嬉しくなりますよね。
グラフは常に室蘭選手が先行していましたが終盤まで2点差程をキープ。
ラスト次第ではどちらに転んでもおかしくない状況でしたが、ラストの軸地帯でS乱の特性を活かした室蘭選手が7点差で勝利。
あるいはLEGACYの効果?

●第十試合 中堅 HAL選手vsYあくしす選手


・楽曲メモ
Theory
罪過とかFAXXとか、これ系って説明するとこ有りすぎてもはや説明いらないと思う。何気に中盤抜けた後の連打が結構疲れる。片手プレイヤーじゃなくても正規ミラーがやりやすいと思う。

HAL選手ミラー、Yあくしす選手は正規。両者とも2P側です。
右利き2P側の私としてはミラーのほうが好みですが、この試合を観て「正規も悪くないかもな~」と思いました。
開幕の皿地帯で自選のHAL選手がリードしていましたがYあくしす選手が喰らい付き、その差は14点ほどでした。初めて彼を見た時は鍵盤特化の印象だったYあくしす選手ですが、いつの間にか皿も上手くなっていて驚きました。低速手前の交互地帯でHAL選手が完璧に光らせて一気に30点差を付けるのですが、自選の本領はここから。魂のノーギアチェンで低速地帯を凌ぎます。
Yあくしす選手が低速明けのギアチェンで少し失点したこともあり、連打地帯に入る頃には100点差。ここで勝利はほぼ揺るぎないものとなり、怒涛の148点差でHAL選手が勝利しました。

結局こういう譜面は対策無しで全て光らせられるのが一番理想的なんだなと感じました。

・楽曲メモ
Ah Hah Yeah
ソフランだけど基本的にリズムは一緒。
曲調で「ここから速くなりますよ~」感が伝わってくるので加速部分は予習してなくても察しやすい。低速は不意打ちなのでやっぱり予習必要。
速そうに見えるけどBPM115のリズムに合わせてプレイしてていい。
譜面自体は叩き皿&高速同時押しの繰り返しがメインなので固定系が無難

1曲目のTheoryもそうですが「これ課題ソフランか?」と思う譜面です。
HAL選手ミラーでYあくしす選手はランダム。実際に自分も譜面を体験してみて、自選なら固定を使うだろうと思っていたのでこれは予想外でした。
最初の加速は両者とも綺麗にギアチェンしましたが直前のジャリジャリを健全に光らせたHAL選手が若干先行します。Yあくしす選手の譜面はちょっと難しかったような気がします。個人的にはあれが皿側に向いていればもう少し光らせやすかったのかなと思いました。
ラスト前まで僅差で試合が進みますが、最後の繰り返し地帯でYあくしす選手があまり譜面に恵まれなかったせいか若干の失速。HAL選手が対策系譜面の強さと固定の良さを活かして27点で勝利。


●第十試合 大将 晩餐選手vsてみこ選手


・楽曲メモ
Peaktime Booster
個人的に正規ミラー。 前半と後半に連皿地帯があるけど、一度連皿に入ると落ち着くまでがメチャクチャ長いし偶数/奇数が複雑だしリズム変えてくるので厄介

両者正規。課題トレンドっていろんなジャンルごちゃまぜなので何でも投げられる気がしてきました。
連皿地帯に入るまでは3点差でしたが自選の晩餐選手、本領発揮です。
前半の連皿地帯だけで一気に76点差を付けて引き離します。
てみこ選手も負けじと高い地力で鍵盤地帯を光らせて後半の連皿前で40点差まで追いつきましたが、無情にもこの譜面はもう一度長い連皿が降ってきます。そこからの点差を埋めることが出来ず、晩餐選手が得意を活かして47点差で勝利しました。


・楽曲メモ
The Limbo † 個人的には正規(1Pミラー) 前半はメッチャムズいモザイクだと思ってプレイすると良いかも。 中盤の休憩入る直前のトリルが有り得ないくらい速いけど固定だと意外と押しやすい。 後半に進むにつれて譜面が重くなっていく。 たぶん全曲の中でもなかなかの重さだと思う

・ストラテジーにより変更
Super Freak(楽曲メモは無いので簡単に説明します)
物量系だけど超素直な譜面。個人的には正規ミラー。

The Limbo†がトレンド枠である事に疑問を抱きます。譜面は好きですけど。

晩餐選手は正規、てみこ選手ランダム。このとき私は内心「これランダム外れたら結構ムズいけど大丈夫かな?」と思いました。そして試合が始まると配置自体はまだマシな部類ではあるものの、所々光らせにくい配置になっており「こりゃ厳しいな」なんて思っていたのも束の間、てみこ選手の地力を見誤っていました。試合展開は想像以上の激戦。常にてみこ選手が先行はしていたものの、その差は数点。晩餐選手は固定の押しやすさと精度を駆使して相手にリードを許しませんが、明らかに流れが変わったのは終盤の鍵盤地帯からでした。物量が増えたことで、てみこ選手の土俵となりフルコンボを決めつつ27点差で勝利しました。

後日談ですが、ストラテジーを喰らって自選を投げられなかったてみこ選手と一緒にThe Limbo†をプレイしました。

●決勝戦 サイドセブンvsテクノワールド


全ての試合が終わり上位2チームが決勝進出となりました。
前記の試合も名勝負ばかりでしたが、決勝戦も最後に相応しい激戦です。

早速振り返っていきましょう。

●決勝 先鋒 きりしゃろ選手vsねね選手


・選曲 サイドセブン
Infinity Mirror

両者ミラー。このとき解説席で選手のオプション選択画面見ながら「まぁInfinity Mirrorですからね」とか言ってました。
さすが決勝先鋒戦。前半の乱打程度では両者全く揺るぎません。常にグラフが平行です。変化が訪れたのは、やはり中盤のCN地帯からでした。
きりしゃろ選手がCNの渡りを綺麗に処理して10点ほど先行。しかし後半に差し掛かるCN+トリル地帯、きりしゃろ選手も充分上手いのですが、ねね選手がほぼ理想的な形でこれを通過。ここで1点差となり勝負の行方が分からなくなりました。最後まで順位が交錯する試合を制し、4点差で勝利したのはサイドセブン きりしゃろ選手でした。

余談ですが、きりしゃろ選手はこの試合で自己べ+1点。
ねね選手の自己べはそこから更に2点高いという逆境の中での戦いでした。

・選曲 テクノワールド
新宝島
両者ランダム。第八試合の中堅戦でも少し触れましたが、ねね選手が次第に仕上がってきており、この土壇場で実力を発揮します。
演奏開始から常に試合をリードし、きりしゃろ選手も追い駆けますが、明らかに今までの試合よりも高い精度を叩き出すねね選手。
CN地帯明けから更に点差を開き、フルコンボしつつ22点差でテクノワールドねね選手が勝利しました。

1曲目とかわって今度はねね選手が自己べを更新。
両者とも重要な場面で己の限界を超えた試合でした。

●決勝 次鋒 山田選手vsGぐら選手


・選曲 サイドセブン
do the thing feat.Kanae Asaba

両者S乱。二人の地力やプレイスタイルを考えると妥当でしょう。
Gぐら選手、前半からミスがちらほら重なってしまいます。そこを逃さず突いてキッチリ拾ったノーツで点差を開く山田選手。こういったガチ押し系はこぼしたノーツが後の展開にかなり響いてきます。
Gぐら選手も非常に高いスコアを出しますが前半の点差を埋められず、サイドセブンの山田選手が33点差で勝利です。


・選曲 テクノワールド
明鏡止水

両者ランダム。全てがグチャグチャでまさに凶悪な譜面です。
(解説の時にCNが降ってくるとか意味不明な事を言いましたが、何故かDPだとこのグチャグチャ譜面にCNが追加されています)
こういった譜面でもしっかり光らせるのがGぐら選手の魅力でしょう。持ち前の精度で前半をリードしていましたが、相対するは山田選手。相手の得意分野でも常に僅差で喰らい付いてきます。
隣接地帯でGぐら選手に一瞬生まれた隙を山田選手が逃さず突いて、1ケタ差で優勢となりますが明鏡止水はどこで何が起きるか誰も予想できません。
ラスト前ではお互い1位を奪い合う激戦。そのまま低速へ入り、その差わずか5点で山田選手が2タテしました。

Gぐら選手、実は1曲目のdo the thingは未プレイで自選の明鏡止水は自己べ-67と、本来の実力に対して運やコンデションに見舞われなかったようにも感じました。決勝の舞台だけに悔しかったことでしょう。

●決勝 中堅 千早選手vsウール選手


・選曲 サイドセブン
bloomin' feeling

個人的にはR乱だと思っていたのですが両者ランダムでした。
グラフだけで見れば常に試合を先行していたのはウール選手だったのですが自選の千早選手も驚異の精度で1ケタ以上の点差を許しません。
ようやく変化が訪れたのは後半から。折り返しが若干外側に寄った箇所でウール選手がしっかりスコアを取り10点ほど差を付けてラスト前の8分地帯へ突入します。ラストの折り返しやCN、隣接もこぼすことなくそのまま14点差でウール選手が逃げ切りました。

・選曲 テクノワールド
Vulkan

両者プレイサイドは逆ですが正規でした。
前半からどちらもハイレベルな試合なのですが高速の細かい部分やトリルを確実に光らせて相手に点差を開いていくウール選手。
しかし中盤の8分地帯をほぼ完璧に光らせて再度1ケタ差まで迫る千早選手。
後半のラッシュ前に来たトリルで若干崩れる千早選手に対し、ウール選手しっかり拾い切って再び10点ほど優位に立ちます。そして終盤ラッシュへ。
ここからウール選手が在り得ないほど完璧に光らせて最後のトリルも理想的な形で通過。見事フルコンボ&自己ベストを叩き出して14点差で勝利。
今度はテクノワールドが2タテする形となり、チームメイトの仇を討ったウール選手は喜びを表現するかのように壇上で踊っていました。

このとき千早選手も自己べを16点更新。自分が限界を超えたと思ったら相手も更に超えてくるという非常に熱い試合となりました。

なんか千早選手って谷口杯の名勝負メーカーですよね。

●決勝 副将 山田選手vsGぐら選手


・選曲 サイドセブン
Drop Z -Line-
音楽

両チームどちらもストラテジーを喰らう形で副将戦へ。
抽選結果を見るに、個人的には両者ともギリギリ自分のフィールドは外れてない選曲になったんじゃないかなと感じました。
1曲目は両者ランダムでの開始となりました。
まずは開幕のゴチャゴチャ地帯。鍵盤に分がある山田選手が28点先行し好調な滑り出しのようです。そこから曲が進むにつれて細かいジャリジャリや鍵盤地帯で更に点差を開き中盤の時点で156点差。そのまま一気に駆け抜けてサイドセブンの山田選手が306点と大差を付けて勝利。自己ベストも更新しつつの圧勝となりました。

Gぐら選手のリザルトを見ると自己べから-223、最小ミスカウント13個に対し今回は54個だったので苦手な譜面配置を引いてしまったのかも知れません。

・選曲 テクノワールド
Y&Co.is dead or alive
PARANOiA ~HADES~

両者ランダム。この試合は本当に波乱に満ちた名勝負でした。
どれも名勝負ばかりですけどね。
演奏開始前の『ここからスタート』を見て会場がザワつきます。
いわゆる『割れ』というやつです。
前半は山田選手が10数点の優位を常にキープ。低速に入る瞬間は両者とも安定したギアチェンです。低速地帯ではGぐら選手が喰らい付き1ケタ差へ。
そして低速明けで大事件が起きました。ここでグラフを見ると順位が1位2位を行ったり来たりの激戦になっているのですが、画面をよく見ると両者ともトリルでBADハマり。さすがにこの展開は誰も予想できなかったことでしょう。勝負の行方が全く分からない状況から一変、山田選手が一瞬早く立て直してそのまま逃げ切って36点差で勝利となりました。

●決勝 大将 はくお選手vsきょん選手


・選曲 サイドセブン
No Border

両者ランダム。この戦いも本当に名勝負でした。
私の中でベストバトルを決めるとしたら間違いなくこの試合です。
やはり決勝戦ともなると名勝負だらけですね。
静まった会場に流れるNo Borderが大会の終末を醸し出してくれます。

別の試合でも似たような表現を使いましたが、こういった細かいズレハネ系は「ここで差を付けろ!」みたいなポイントが決まっているので試合の展開は読みやすいと踏んでいたのですが、全くの見当違いでした。
前半はきょん選手がリード。このまま優勢を保つかと思いきや、はくお選手が追いついてきて1ケタ差へ。休憩地帯で±0~1点差のまま後半のラッシュへ突入。ここで絶対流れが変わる・・・と思っていたのですが、衝撃です。
なんと、ここからずっと±0を維持してラストへ向かっていきます。
最後の1小節。最後の最後で、
しっかり光らせつつもミスが出てしまった はくお選手。
しっかり押しつつも黄グレが出てしまった きょん選手。
両者の相反する状況が重なり、運命の歯車が嚙み合ったのは・・・サイドセブン、はくお選手。その差わずか2点。本当に凄い試合でした。

曲が始まる前、音声の都合でほとんど聞き取れなかったと思いますが解説で「両者の間には敵同士というBorderがありますけど」なんて言ってました。

・選曲 テクノワールド
dicadica

両者R乱。大会最後の試合です。
前半から10数点きょん選手がリードしていましたが、自選はくお選手が中盤のトリルを光らせて順位が逆転。そこから調子を掴んだのか、直後の連皿で一気に20点ほど差を広げました。しかし、きょん選手も黙っている筈がなく10数点差まで引き戻して僅差で走ります。そこからはくお選手も再度引き離し、再び20点ほど差を付けて終盤に突入。最後の連皿で更に伸ばし29点差で勝利しました。

もし私が、選手から『本日のMVP』を選出するとしたら間違いなくはくお選手でしょう。ただ単に優勝チームのメンバーという訳ではなく全試合全勝という偉業を成し遂げました。
この日の彼は何かを持っていたと思います。

●あとがき


こんな感じで大会を振り返りましたが、いかがでしたか?
かなり長文になりましたが、それくらい観る側としても見ごたえのある内容だったと思います。ゲーセンが減っていく一方、BPLなどを通じて地域の大会は盛んに行われるようになってきていると感じます。

こういった行事に『ダブルプレイヤー』『片手プレイヤー』『クリアラー』
という他機種といっても過言ではないほどかけ離れた分野の私が携われたことを本当に誇りに思います。

大会とは、店舗様の協力や企画・運営様の尽力あってのものではありますが何よりも主役である選手の皆様が居るからこそ成り立つものだと私は常々感じております。
どんな高級料理だって誰も食わなきゃ腐るだけですからね。

最後に、選手の皆様一人ひとりにメッセージを残して〆とさせて頂きます。

●選手へのメッセージ


ウール選手
初対面のファーストコンタクトでいきなり「素人さんですか?」とか言っちゃった。持ってきたワサビラーメンの汁が酒によく合う。頭が良い。
札幌のサッポロビール初めて飲んだけど苦みというか、まろみと言うか、なんか独特だったっす。九州も味違うんすかね?是非また来てください!

きょん選手
名前自体は昔から知ってたけど、上手くなりすぎ!
ってか大分おらんやん!
なんかあんまり打ち上げとかで遠い場所にいたり、見失ったりしてちゃんと話す機会が少なくて、今回も別れの挨拶程度しか出来んかったんで今度一緒にプレイしたりしましょう!

Gぐら選手
精度高くてビックリ。「こんなうまい人おったんだ~」と、最初は知らない人だったけど後からべあー杯の戦績みて更にビックリ!そりゃ上手い訳や。
打ち上げで全然喋れなかったのが悔やまれる!
絶対また谷口杯来てくださいね!

ねね選手
飲み会のポテンシャルが非常に高い。
ビートマニアの実力も充分で、是非とも『音ゲー全機種合同交流会"大優勝ステージ"』のスタッフとして勧誘したいくらい。
もし次の谷口杯まで宇都宮のFUSEI3を守り続けたなら飯奢る!

はる選手
打ち上げで座り込んでいるところを発見。
話す前は、のほほんとした印象でしたが話しているとゲーセンの事とかビートマニアの事とか僕が思っていた以上に自分の考えや情熱みたいなものを持っててメッチャいいと思ったっす。生でプレイ観て改めて上手いと思ったっす!また谷口杯きてくださいね!

晩餐選手
晩餐さん。そろそろ谷口杯の常連?
初めて見た時は「あ!アリーナで当たった奴だ!」って思ったっすけど、
明らかにあの時より強くなってて「こりゃあ迂闊にSPアリーナ入れねぇな~」と思いました!地味にまだ会話が少ないんでまた福岡きてください!

だいちゃん選手
D V D B O X 。Blu-rayになる日は来るんすか。
さりげなく打ち上げの時に去っていく背中を見て「あ・・・帰っちゃうんだ・・・」と寂しく見送ってました。
また谷口杯に来たときは打ち上げ参加してほしいっす!

室蘭選手
いつでも喋れるんで特に言うことないっす!

大野選手
オ ー エ ヌ オ ー 。すっかり谷口杯イツメンって感じっすね!
生きている間に大野選手のモザイクが見れる日は来るのか!
次の大会も絶対来てくださいよ!待ってます!

T選手
俺がアリーナ入ってるときにログインしてくるの禁止!

ごみ様選手
俺が知らん間に飲み会やっとるの卑怯者すぎ!参加したかった!
何気にプレイまともに見るのはこの大会が初めてな気がするけど想像以上に上手くてヤバかった。谷口杯あっても無くてもまた福岡で飲みましょう!

CXF選手
             
オーメンシェイブ。

山田選手
だーやま。
何だかんだ言って毎回俺を見つけては声を掛けてくれるの嬉しい。
大会では毎回よく話す相手だけど打ち上げでは何故か姿を見失う。なんで?

はくお選手
今回、個人的MVPを贈るなら間違いなくあなた!
自分がDPerだからってのもあるかも知れんっすけど、なんか得体の知れん上手い人多すぎじゃないすか?マジでビビりました。
また次の谷口杯でも暴れてください!

千早選手
なんかいつも勝手に優勝してない?

きりしゃろ選手
谷口杯プチ常連?
打ち上げでうなだれているところを見つけた。椅子と完全に癒着しており、どこからがきりしゃろ選手で、どこからが椅子なのか分からなくなっていた。大丈夫か?次回も待ってます!

いなり選手
最初は知らんかったけど、めっちゃ上手くて驚いた。
大会終わってからも一緒に行動しとったけど面白かった!一緒にバトルして俺なりにSPの何かを掴めたような気がするけん本当に良い刺激になった。
また福岡きぃや!

てみこ選手
うますぎ。FUSEI3(福岡)キッズがこの世におるとは思わんかった。
また事務所きていいぜ。一緒に配信とかやっても面白そうやね。

Yあくしす選手
ワイアクシスも上手くなったなぁと、しみじみ。
また警固飲みしようぜ。別に公園やなくても良いけど。

ゴルシ選手
最初見た時は「こいつアリーナで単発投げてきやがった奴だな!!」と思ったのも懐かしく、今ではすっかり谷口杯の顔。
打ち上げメッチャ面白かったな~。また盛り上がろう!!

解説:ひたらぎ氏
選手やないけど一応。
チラッと言ったけど一緒に解説しててメッチャやりやすい!
青木さん、ちぃえる、ひたらぎ氏は一緒にやってて何か噛み合うというか、相性が良いと感じる。相手がどう思っとるかは分からんけど。
今後の谷口杯でもそうやけど、それ以外でも一緒に色々出来たら面白そう。
また福岡きたら"色々"教えちゃあけんな~



多分これで全員かな?怒涛の28,393字でした。
お読み頂きありがとうございました!

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