ライブ配信のBGM/映像出しに「QLab」がオススメ
こんにちは、近頃は週イチでライブ配信をしている古谷です。今回は、我々がオンラインイベントなどのライブ配信の際にBGMや動画、テロップを送出する際に使用している「QLab」というソフトをご紹介します。
私にとっては、ライブ配信になくてはならないソフトになっていますが、最近お仕事でライブ配信に少しだけ関わるようになったり、様々な構成などをインターネット上で参考にさせていただく中でも、このソフトを使っている方に出会わないので、せっかくなら「記事にしてしまえ!」ということで書きます。
YouTubeやnoteのライブ配信界隈で非常に有名な松井さんという方が、動画再生方法を様々試されているのを見たのもきっかけであります笑
QLabとは?
主に、演劇などの舞台音響や映像、照明、イベントPAなどで用いられている、音声・映像ポン出し用ソフトです。Mac版のみ公開されています。ダウンロード自体は無料ですが、特に映像周りでしっかり使おうと思うと、課金(買い切りもしくは1日単位のレンタル)が必要になってきます。
BGMやSEの再生程度であれば、課金をせずに使用しており、動画の再生などがある案件の時は本番前後のみレンタル(一日あたり数百円)をして使用しています。
私は、もともと舞台音響やプロジェクターを使った舞台上での映像演出をかじっていたこともあり、3-4年ほど前から使用してきました。
QLabでできること
音声ファイルや動画ファイル、画像ファイル、文字表示用のキューなどを順番にキューリストに配置しておけば、それぞれの再生タイミングでスペースキーを押すだけでキューが再生されます。
また、Auto Follow(特定のキューの再生が終了したら、次のキューを自動的に再生)やAuto Continue(特定のキューの再生と同時に、次のキューを自動的に再生)という機能もあり、BGM再生⇒スペースキーでBGMをフェードアウトした途端に動画を送出するなんてことも簡単にできます。
再生デバイスは、映像や音声ともにそれぞれのキューごとに選択ができます。例えば映像であれば、送出先として、ディスプレイやスイッチャーを選択しておけば、選択した出力先においてフルスクリーンで動画が再生されます。出力先には動画が出力されるのみで再生ボタンなどが見える心配はありません。
私はあまり使用しませんが、サンプラーのように画面上の決まった場所のボタンにキューをアサインできるCue Cart機能もあるようです。
残り時間が見える+iOSアプリがある!
松井さんも上記の動画で指摘されていたポイントですが、ライブ配信では必須の残り時間表示。Qlabだと再生時間の表示は、「経過時間」と「残り時間」で切り替えられます。「動画終わり何秒前です〜」なんていうキュー出しもやりやすい。
そして、iOSアプリ(有料。2000円程度)からMacのQLabを遠隔操作&表示をネットワーク経由で確認できます。つまり、動画を再生する人とキュー出し担当が分かれていても大丈夫。
安定性その他
キューを順番通りに並べて、スペースキーを押す...という仕様なので、動画再生時に再生ボタンが見えてしまう...や誤って別の動画を再生する...ということも起こりにくいです。
また、ライブ配信において、気になる安定性については、失敗が許されない舞台演出でも使用されていることから、安心できると感じています。
ただし、以前リハーサルなどで動画再生中にMacがフリーズするという問題が何回か発生しました。リハ・本番前の再起動、編集機能がない「Show」モードで再生する、16インチなどスペックの高いMacを使用する...などをするようになってからは起きてませんが、失敗できない現場では、別のPCでQuickTimeなどを用いて動画を同じタイムコードで流し、いざという時に差し替えできるようにするといったような対策を取っています。
まとめ
舞台界隈のソフトだからか、あまりライブ配信では用いられていないポン出しソフト「QLab」をご紹介しました。どなたかの役に経てば光栄です。
少々機能を使いこなすのに慣れが必要なこともあり、解説記事なんかも今後出していきたいなぁと考えています。また、数年間QLab使っていますので、使用する上で疑問などがあれば、ある程度お答えできるかなと思います。
実は、QLabからはOSCやMIDIも送出できるということは、Blackmagic ATEMスイッチャーなんかをこれから制御できるかも...?という夢を持っていたりします。近々試してみて、また記事にできれば。