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新型コロナ:ソフトランディングという選択

新型コロナウイルス・パンデミックはおさまるどころか、ますます混沌としている。その原因は明確で、たった一言で表現できる。「日本も含めた各国がハードランディングを選択したから」だ。あるいは「なかったことにして、元の生活に無理やり戻そうとした」と言ってもいい。

忘れたふりをしても、現に感染するし、後遺症になるし、下手すると死ぬ。この対応は最悪だ。2023年の実績は以下の通り。
・新型コロナ死者  :38,086人
・インフルエンザ死者: 1,382人
・交通事故死者数  : 2,678人
・殺人事件の被害者数: 745人
この数字が如実に示す通り、新型コロナウイルスはいまなお凶暴なままである。2024年の数字は確定していないが、上半期までの人口動態統計の数字を見る限り、2023年と同程度の死者数になるだろう。かつ、注目すべきは上半期だけで現役世代(20代‐50代)が約300名も死亡していることだ。子どもの致死率は低いが、子どもからうつされた親が(推定)100人単位で亡くなっているということである(どんなに子どもは辛い思いをしているだろうか)。

不都合な真実が次々と明らかになっている

マスコミがほとんど報道しない「新型コロナの不都合な真実」が、医学研究で次々と明らかになっている。箇条書きにしておく。この病気は到底、「ただの風邪」と言えるものではない。

  • 何度も感染する(ノーガードなら平均年に2回は感染するだろう)

  • 感染するたびにダメージが蓄積される(3回感染で約40%がLong COVIDを発症する。長く続く症状に苦しむ)

  • 感染で脳・心臓・血管・脾臓など全身にダメージが残る。しかも軽症でも影響がある(IQが5ポイント落ち、急性期後の突然死リスクがあがり、2型糖尿病の発症も増えている)

  • 感染で免疫がダメージを受けるので、新型コロナ感染後は、菌感染症・真菌感染症・ウイルス感染症にかかりやすくなる

  • 再感染時にある条件を満たしてしまうと、サイトカインストームが起きやすくなる(若くても重症化リスク・死亡リスクが高くなる)

つまり、新型コロナウイルスは「万病の原因」となり、ヒトを様々な病気で苦しめるきっかけをつくるウイルスである。身体中で炎症を起こし、血栓をつくって血流を阻害し、場合によっては体内に持続感染もする。

この状態で「なかったふりをする」のは難しい。どんなに確率が低い事象でも、自分や家族が該当したら運命を呪うしかない。まして、新型コロナの場合、運の悪さを嘆くことになる確率は3回感染で40%近い。5人のうち2人が押し出されるイス取りゲームを絶対に生き残れる自信のある人はいないだろう。

ソフトランディングのすすめ

やはり5類化(2023年5月8日)時に、弱毒化幻想をふりまかれてしまったのが痛い。インフルエンザよりも致死率が低いことがたとえ事実でも、感染力が並外れているので、結果として死者数は増える。38,086人 VS. 1,382人という数字が、致死率の低さだけで判断するのが誤りであることを示している。

5類化とともに療養期間は推奨になり、検査は有料になり、当然、飲食店などへの協力金の類もなくなった。さらに2024年4月からはワクチンも治療薬も有料化だ。ちょっと極端すぎるくらいのハードランディングである。

本来、国は国民に対して、「もう国のお金は使いたくないから5類にする。後は自分たちでなんとかしてください」とお願いすべき立場なのではないか。しかるに、対策をやめることに対する批判を恐れたのか、「もう怖い病気ではなくなった」というイメージをつくってハードランディングをした。

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