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またね、また会おうね
小さな人形げき ふぅるらのさーさんです。
私の住む埼玉ではここ数日「光の春」を感じられるようになったと思っていたら、今日は午後から一転北風さんが吹き荒れています。
やがてやってくる「暖かな春」は、さよならやはじめましてといった変化の時節でもあります。卒園卒業、受験や引っ越しなどで心身ともに大変な方も多いのではないでしょうか。またいろいろな生き方や事情がありますから、世間のそんな変化や慌ただしさがおつらい方もいらっしゃるのではと思います。
どうか、なるべく皆さんが暖かく穏やかに自分らしくお過ごしできますように。
わたしのさよならの思い出の一つに、大好きだったぬいぐるみとのお別れがあります。大好きだったけれど、もう大きくなったのだからそろそろお別れしないといけないと感じていたあのころ。ある日、大好きなぬいぐるみのちょっとした汚れに気づいてそれがとても自分に害があるように感じてしまい「これは絶対に捨てなければならない」と何かに追い立てられるように捨ててしまいました。きれいな包装紙に包んでたくさんの言葉を添えて何かの儀式のように捨てました。
いつかさよならしたかもしれないけど、ちゃんと自分で納得できてからでよかったのにと今なら思います。
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さて人形劇の話をします。いつも思うのは人形劇は子どものもの、それも小さな子どものものだと思っている方が多いのではということ。初めて見る方も、続けて見る方もどうかそんなふうに思わないで、楽しんでほしいです。
もちろん小さなお子さんが楽しめるように工夫することはありますが、大きなお子さんや大人の方が一緒に楽しんだり、あるいは大人の方だからこそ楽しめるものもあります。
ご高齢の方に「人形劇なんて、と思っていたけれど。見ているうちに引き込まれてとても楽しませてもらった」と感想をいただいた時は本当にうれしく思いました。
お子さんがある時期、もう人形劇は興味ないなと離れしまっても仕方がないと思っています。でももし本当は興味があるけど、もう小さな子どもじゃないからと感じているのなら、大人になってもずっと好きでいいんだよーって伝えたい。何より私が努力してそれが伝わるような活動をしていきたい。と考えています。
またお子さんがどんなに人形劇を、ふぅるらの出し物を好きでいてくれても、もう二度と会えない可能性もあります。私の思い出をたぐってみても、保育園で見た人形劇団のお名前は覚えていません。
本当に私のしていることは一期一会の繰り返しなのです。
だからこそわたしも人形たちもさよならではなく、またねと言います。
必ず会える日常でもなく、もう会えない決別でもない。ちょっとワクワクするちょっとだけ非日常の世界。けどこれっきりのご縁かもしれない。だからこそ希望を込めてまたねと言い続けます。もちろん大人の皆さんに向けては、ぜひまたご縁をよろしくお願いしますとの願いを込めて。
また会おうね、いつになるかわからないし、どこで会うかはわからないけど。
もししばらく人形劇から離れても、またいつでも近づいてみてほしいな。
それは、「小さな人形げき ふぅるら」ではないかもしれないけど、
それはそれでうれしいこと。さらに素晴らしい人形劇の橋渡しができたということだから。
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とか考えていたら、ちょっと、かなり悲しくなりました。
それでもまた名前も知らない方たち子どもたちとしばしちょっとした非日常の時間を共有する、そんな日々を愛おしく愛おしく感じながら、これからも人形劇を続けます。
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