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半年で社員数1.4倍!急成長の罠を避けるHQの“カルチャーフィット採用ノウハウ“を初公開
こんにちは。株式会社HQ(エイチキュー)VP of HRの古田です。
「半年で社員数が1.4倍」──数字だけ見ると、成長の勢いにワクワクしますよね。
けれどその裏では、「今まで大切にしてきた“らしさ”を、このスピードで増えるメンバーと共有できるのだろうか?」という、不安と期待が入り混じった声が上がっていました。
「このまま人が増えたら「HQのカラー」、薄れちゃうんじゃない?」
「新しく入る人たちに、どうやって私たちの価値観を届けていけばいいんだろう?」
そんな“揺らぎ”を、HQはむしろ組織の軸を再定義する好機ととらえました。
行動指針やコンピテンシーを改めて明確化し、それらを採用や評価、日常のコミュニケーションにまで根気強く浸透させていくことで、どれほど人が増えても揺るがない「HQらしさ」を育む“カルチャーフィット採用”のノウハウを築き上げたのです。
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本記事では、急拡大の中でもカルチャーを守り抜くためにHQが積み重ねてきた具体的な取り組みをお伝えします。
前提となるHQの採用状況について
本題に入る前に、前提となる最新のHQ採用データを公開します。
今年7月にHQの採用責任者に就任してからあっという間に約6ヶ月間が経過しました。
この半年の間にシリーズBでの資金調達もあり、人財投資にアクセルを踏んでいくタイミングでもあったため、寝ても覚めても採用のことを考え、ひたすら全力で打ち込んできました。
その結果、採用優先度の高かったポジションをはじめとする各職種において15名の素晴らしい方々の入社が決まり、社員数34名→49名(※)(対比約140%)という成果を半年間で残すことができました。
※入社予定者含む
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2024年12月時点の正社員(入社予定者含む)の入社経路を見てみると、リファラルが約半数を占めているものの、その他のチャネルからのエントリーも比較的割合としては多いことが見て取れます。
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また、直近半年間に絞ってみると、スカウト経由や自主応募などの新規チャネルからの入社割合が増加してることが分かります。
これは、リファラル施策の手を抜いたというわけではなく、創業初期は友人知人経由でしかそもそも採用できなかったという背景が大きいです。(笑)
しかし今は、代表坂本のX(旧Twitter)やnote、PIVOTでの発信が大きなきっかけとなり、自主応募やスカウトへの返信に繋がっています。
【本日発表】HQ、シリーズB 20億円を調達しました!
— 坂本 祥二|HQ CEO (@shoji_hq) December 12, 2024
あわせて
・7つの新製品ローンチ
・日本を代表する大企業3社との戦略的パートナーシップ(*1)
も同時発表しました!
■調達目的は一つ——『EXプラットフォーム』への進化
調達目的は一点に集約されます。… pic.twitter.com/zgZq0BiyDN
各種発信によって素晴らしい人財が集まり、優秀な人財によって事業が成長し、それをまた発信する…
このサイクルが少しずつ回り出してきた感覚を抱いています。
HQの行動指針とは
HQにおける行動指針は下記のように定義しています。
・社員一人ひとりが”Driver”(=Mission実現を担う運転手)として、
・主体的に、ミッション実現に向けた”自分らしい貢献”を描き
・自らの全ての判断、行動に宿していき、
・集団としての大きな力をつくるためのHQ全社員の”共通軸”
私たちはそれぞれ違った個性や強みを持っています。
多様な考え方・バックグラウンドを持つ私たちが、ミッション実現に向けて群れとしての力を発揮していくための共通となる軸。それが行動指針です。
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そして実は、HQの行動指針は12個あります。
「12も?多い!」と感じられる方もいるかと思います。
HQは、長期的なオペレーショナルエクセレンスが重要な事業領域に注力しており、短期ではなく中長期的な成長を目指しています。
そのため、行動指針の数は多いほうが網羅性が高まり、実務での活用がしやすくなると考えています。(Amazonやモノタロウ、Ripplingのような長期成長企業も、実は行動指針が多い傾向にあります)
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HQは長期戦を見据えており、あえて数の多い指針を運用する価値があると判断しています。
覚えるのが大変などのデメリットもありますが、様々な社内施策を通じて運用の徹底や浸透施策を継続的に強化し、本気で指針活用に取り組んでいます。
そしてもちろん、これらの行動指針は、日常の業務だけでなく、採用プロセスにも深く根付いています。
行動指針と選考基準の結びつけ
HQの成長を支える共通軸として、すべての社員が体現すべきもの ──それが行動指針です。
全社員がこの指針をベースに、組織として一つにまとまっていくための「共通の価値観」でもあります。
しかし、その行動指針を具体的に現場レベルに落としていくと、職種ごとに特に重要視される指針や、そのレベル感には違いが出てきます。
そこで、私たちは選考プロセスの中で「コンピテンシー」と自社の行動指針を結びつけ、職種ごとにどのポイントを特に確認すべきかを明確にしました。
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コンピテンシーは、その人が過去に取った行動パターンの特性を示すものです。
ただし、過去の行動を深掘りしてあらゆる角度から事実を確認するには時間がかかりますし、すべての行動指針を正味60分程度の面接で一度に確認することはほぼ不可能です。
そのため、職種ごとに必要な行動指針に優先順位をつけ、最も有効なアセスメントが取れるように整備しました。
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さらに、面接官同士での申し送りを徹底し、前の面接官が確認しきれなかった行動指針については、次プロセスで確実にアセスメントが取れるように役割分担をしています。
(逆に、前の面接官が確認できたポイントについてはスキップし、次面接時にはその他のポイントの深掘りに時間を使えるようにしています)
また、ヒトによる面接においては、少なからずバイアスが生じてしまうリスクもあることを考慮し、選考プロセスの中で受験いただく適性検査内のコンピテンシー項目とも行動指針を紐づけることにより、候補者さんについての情報を網羅的かつ濃密に収集できるよう工夫しています。
上記のような施策の掛け合わせにより、組織の共通軸を守りながらも、職種ごとの特性や求めるレベル感に合わせた採用基準を実現しています。
行動指針(=社内カルチャー)の染み出し
HQのカジュアル面談を受けた方なら、面談担当者が自然に行動指針に言及する場面が多いことに気づくかもしれません。
あるいは、明確なワードが出てこなくても、言葉の端々からHQのカルチャーが伝わる瞬間があるのではないでしょうか。
HQはスタートアップとしては珍しく、創業初期からビジョンと行動指針の策定を行ってきた会社です。
21年3月に会社を立ち上げ、翌年4月には行動指針の元となる「バリュー」を作りました。
当時15名程度のメンバーで神楽坂にある古民家貸しスペースに集まったのですが、そのとき代表の坂本からこんな話をされました。
「本当はこの時期、一件でも多く商談したり、コードを書かなければならないということは分かっている。でも『今』みんなで決めることが重要なんです。絶対に将来そう思うはず。だから今日は集中して取り組んでほしい。」
この言葉を受け、サービスリリースも間もない時期でしたが、私たちは一日かけて侃侃諤諤の議論を交わしました。
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その頃から表現は変わりつつも、実は同じDNAが今のHQに受け継がれています。
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HQは先日11月29日に、年に一度のオフサイトイベントである「Unleash」を開催しました。
全国で働く非常勤メンバーを含む全社員と投資家の皆様が一堂に会する一大イベントで、今年は2回目の開催でした。
去年からの成長を象徴するように、入社予定者も含めると倍の人数規模にまで拡大し、永田町のイベントスペースがいっぱいに。
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そして1日をメンバーと過ごす中で、気づいたことがあります。
それは、社員数が倍増した今でも、全員が「All for Two」であり、「Be a Driver」であり、そして「ユカイに理想を追求する」だった、ということです。
2年前の代表の言葉が蘇ると同時に、改めてこの組織を誇りに思う瞬間でした。
選び・選ばれる選考プロセス
実は先日、二次面接を辞退された候補者の方から「自身がHQにいるイメージが湧かない」といったご理由の選考辞退連絡をいただきました。
そして実は、このご連絡を見た瞬間にまず「あ、うちって良い組織に育ってきているかもしれない」と感じました。
もちろん、辞退された理由は上記だけではなく、採用担当として反省すべき点があることは間違いないです。
しかし同時に、HQのカルチャーや雰囲気が「合わない」と感じる方がいるということは、「バッチリ合う」と思っていただける方もきっといるということだと思いました。
ナレッジワークの麻野さんが「ALL STAR SAAS PODCAST」の中で、「採用が強い会社は体臭が強い」と波頭亮さんが言っていたことが印象的だったとおっしゃっていました。
(ここでいう「体臭」とは会社のカラーやチームの雰囲気など、所謂カルチャーを指しています。)
入社後のマッチングにおいて、その匂い(=カルチャー)に違和感を感じるのか、それとも「しっくりくる」のかは、非常に重要なポイントです。
しかし、残念なことに、可でも不可でもない組織は「無味無臭」で、候補者さんがその匂いを感じ取ることができません。
入社後のことも考えると、会社が一方的に選考するだけではなく、候補者さんご自身も、HQの匂いを嗅ぎ分けてジャッジしていただくことが大切です。
HQのHRとしては、採用プロセスと組織開発の両軸でカルチャーを確立し、お互いに選び合う採用を目指していきたいと考えています。
入社前から共に描く未来
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ここまで色々述べてきましたが、HR領域においてはまだまだ「光明が見えてきた」レベルの話です。
この半年間で少しずつ手ごたえを感じ始めたものの、課題は山積みです。
HQでは、当社でのキャリアを検討いただいている方が主体的に機会選択いただけるよう、働き方やカルチャーをまとめた「Entrance Book」を公開しました。
上述した行動指針の詳細や、メンバーのプロフィールなども掲載し、魂を込めて創りました。
上記もぜひお読みいただき、壮大なビジョンを達成するために、共にHQの未来を作っていきたいと感じていただけた方、ぜひ一度お話ししませんか?
下記より、ぜひカジュアル面談にお申し込みください。
お待ちしております!