緑風
【チェンマイ俳句毎日】2024年4月6日
あの世より緑風紙の旗騒ぐ
タイはすでに3月中頃からソンクラーン(タイ正月)気分が盛り上がっている。スーパーに行けば、レジの担当者がアロハ柄のシャツを着ていたり(ソンクラーンではカラフルなアロハシャツを着る。色がタイっぽい)、コンビニの入口に水掛け祭り用の大きな水鉄砲が売られていたりして、今年もやって来たな〜と思う。
チェンマイでは水掛け祭りとしても有名なソンクラーン。観光客は旧市街のお掘り周辺に集中し、お掘りの水をバケツに汲んで掛け合ったりもするので、毎年、この時期にはお掘りの水の入れ替え作業が行われる。今年も大きな鯰か雷魚が見つかったという写真がSNSに流れていた。なんかほっとする話題だ。
他にも、ピックアップトラックの荷台に大きなバケツと一緒に5,6人が乗り込んで対向車と激しく掛け合あったりもする。ご丁寧に氷水を仕込んでいる人もいて、そんな水を浴びれば心臓が止まりそうになる。子供や若者にはとてつもなく楽しく、弾けまくる祭りだが、中年以上は家で大人しく引き籠もるしかない。そして夜はエンドレスの宴会だ。
昨日、旧市街のワット・ジェットリンに寄ったら、「チェンマイ一大きな砂の仏塔」がまた復活しそうな様子だった。砂の仏塔は、年に一度タイ正月の時に境内に作る(寺のものを持ち出してはいけないという教えがあるため、足の裏に付いて知らずに寺から持ち出してしまった砂を川から運び込んで寺に返す意味もある)。
その仏塔には、カラフルな紙の旗や干支のスタンプを押した旗を刺す。日本の七夕で作る紙の網にそっくりのものもある。薄紙製の素朴な紙細工だが、地獄でさまよっている祖先の魂を助けたり(網が魂を掬って天国に届けるらしい)、新年を家族揃って幸せに暮らせるようになどの願いが込められている。
色とりどりの旗は時折風に吹かれると、何かのサインのように一斉にきらきらと輝く。
おまけ
ソンクラーン原色アロハのレジ係
水鉄砲ギャング襲来ソンクラーン
堀の水抜かれて目覚む大鯰