上司と部下
2000年一桁台
メーカー系企業が受託した、とある開発プロジェクト
マゴ受けよりも下の立場で常駐していたSES現場
プロジェクトは顧客企業の決算期に向けてリリースしてカットオーバーの予定だったと記憶
それがうまく決算できず、延長
1年回して、翌決算
それも失敗、延長
ということで丸2年は開発会社or顧客企業に常駐していた
日常的に終電ダッシュ
しばしばタクシー帰り
月末締とか報告会議前といったイベント時は徹夜もあった
残業、休出入れると、月300時間超が続いたりしてた
直接的な契約でないせいか、発注側と末端の作業者は関係良好だった気がする
たまに、「お前たちには1日あたり5万円も払っているんだからな」みたいに言われたけど「半分も届いてないです・・・」という感想
今思うとシンドイよなーと思うけど
当時は、現場メンバーでお客さんの悪口言ったり
時にはお客さんと深夜のラーメン屋で元請けマネジャーの悪口言ったり
殺されるわけじゃないし、と
境遇のわりにはポジティブに、毎日結構楽しく仕事してた
まあ30歳前後、若かったし
ある日常駐先に、新しい役職プロパーが赴任した
その人に「今日からボクがキミのジョウシダカラ」って言われた
自分の直接取引の発注会社の人で
たぶん、悪い人じゃない
配属されて頑張ろうと、張り切っている
たぶん、はじめが肝心と思うタイプ
当時でも、社会の仕組みなのかな、従うべきと考えた
それでもなんだか嫌だった
その人とは、あまり会話もせず次の継続契約拒否した
業務自体は嫌じゃなかった
毎日遅いのは確かにツライ
でも、一緒に開発するメンバーもお客さんも
その業務を良くする、とか
なんとか乗り切る、とか
お客さんとしては、うまくいったということにしてクローズしたい、とか
多少ニュアンスは違っても
プロジェクトを成功させたい、というベクトルは一致していたように思う
2年以上一緒にやってきたチームに急に加入した新しい役職プロパー
どう振舞うのが良いのか悩んだのかもしれない
けど、「今日からキミの上司はボクデス」は違う
自分は嫌だったから去った
20年ぐらいたった2022年
ふと思い出したけれど
やっぱり嫌だし
自分を軸とした判断としては、まあ間違いないかなと思う
結果として、そこで去っていなければ、今の状況にはなっていないはずなので
現在は全く別の会社に在籍していて
まあ、色々ありつつ、10年以上は関連し続けているけれども
先日、ある役職についた方の所信表明的な発言で
「自分が部下を従える」
という表現をしているのを聞いて
ああ、この人ちょっと嫌かも、と思った
直接人柄を知っている人からすると
なんてことないクダリかもしれないのですが
良く知らない自分からするとネガティブな印象でした
20年前ならいざ知らず
2022年に於いて、上司が部下を従える、という考え方や表現はどうなんでしょう
"部長"や"課長"という役職は、"部門メンバーの管理業務を行う"という役割であって
"部下"に対して能力が上回ることを示す称号などではない
というのが今の私の認識です
確かに昔は自分も
「プログラミングできない人が上司（e.g.課長）なのは許せない、だって理解できないでしょ？」みたいな気持ちもありました
おそらく、職人的な業種だとそういう感情があったのではないでしょうか
いや、営業職であってもあったのではないでしょうか
部下よりも課長のほうが売り上げていなければおかしい、立場がない、みたいな
今はそう思いません
課長や部長といったマネジャー職は、メンバー管理のプロフェッショナルであれば良い、と思います
もちろん、プログラマーメンバーのマネジャーであればプログラマーの気持ちを理解できる能力は必要ですが、プログラミングできる必要は無い
営業課長が営業メンバーより売り上げる必要もない、というか営業業務も不要で、メンバーの売上を上げることが仕事かなと思います
まあ、そう考えるとプログラマーの気持ちが理解できるのはプログラマー経験者だろうし、売上を向上させる経験を持つのは営業職のベテランだろう、というのも必然な気がしてきます
だから、その道で（それなりに）成功し、かつ、メンバーマネージメントスキルを持つ人が課長なり、部長になるんでしょうね
色々考えてみたけれど
SES常駐している末端の私に「今日からキミの上司はボクデス」と言った方のマネージャ能力はどうだったのかな、とは思います
人を管理するって難しいですよね
それでも、2022年の今、"上司"だから上で偉いとか、"部下"だから偉くない、とかは違和感あります
先輩が後輩に"オマエ"とかいうのもすごく嫌です
テレビとかでも、芸人とかスポーツ選手・選手上がりで古い人、オマエとか言うの嫌だなと思います
年齢とか性別とか経験とか関係なく、フラットにならないかな