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開店まであと22日

京都から電車に揺られて奈良へ。
小説家の浜口倫太郎さんと歓談。
吉本の養成所「NSC」で鬱々とした毎日を過ごしている時何度も読み返した「お父さんはユーチューバー」の制作秘話を直接お聞きする。

宮古島のゲストハウス「ゆいまーる」のひとり娘、小学五年生の海香は絵を描くことが大好き。 将来は東京の美術大学に入りたいと思っていた。 そんなある日、父親の勇吾が
宣言した。 「俺はユーチューバーになる! 」 宮古島の自然とゲストハウスに集う人々を通じて描く、家族小説。

浜口さんは元々放送作家をされていたので、お笑いの話や文学の話で話題が尽きなかった。

未来屋書店高の原店の書店員さんにツーショットを撮影していただき、名残惜しくも浜口さんとはここで解散。

ありがとうございました。

奈良から電車に揺られて大阪に住む祖母の元へ。
久々に会う祖母は、前回会った時よりも一回りちいさくなっていた。
会うたびに「ちゃんとご飯食べてるか?」と聞いてくる祖母は前回よりも食べる量が少なくなっていた。
忙しさを理由に後回しにしていては、一生後悔することになる。
近いうち、また会いに行くことを約束して祖母の家を後にする。

20時ごろ、主に詩歌を取り扱われている書店
「葉ね文庫」さんへ。
本のラインナップからお店の雰囲気まで完全に僕好みで、いつまでも長居してしまいたくなる素敵な空間だった。
店主の池上さんは、枡野さんの小説「ショートソング」を読んだことをきっかけに短歌の世界へ没入していったらしく、言葉の節々からやさしさが溢れ出ていた。
高円寺の書店「アムレテロン」さんでも感じたのだけれど、店主の人柄が書店の雰囲気に直結するのだろう。真似しようと思ってできるものではないが、枡野書店•古本興業でも少しずつ「味」を出していきたい。

しばし歓談していると、歌人の「多賀盛剛」さんが来客。
多賀さんは、去年の6月にナナロク社さんから
第一歌集「幸せな日々」を刊行されたばかりだそうで著書を拝読させていただく。

「葉ね文庫」さんでは、来客したお客さんが自作の短歌や俳句、メッセージを紙に記入し、その紙を店内の一角に飾るコーナーが設けられていて、僕も自作の短歌と書店開店の宣伝分を飾らせていただけることに。
まだ短歌をはじめたばかりなので、その場にいたお客さんと多賀さん、池上さんにいくつか自作の短歌を詠み上げて、どの首がいいか選んでいただく。

軽いご挨拶程度の予定で伺ったものの、話が盛り上がったのと店内の心地よさに、気づいたら2時間近く居座ってしまっていた。


このハートマークは多賀さんから持ちかけられました。
僕は被害者です。


気づいたら閉店時間を大幅に過ぎてしまっていて、京都までの終電も近づいていたので「葉ね文庫」さんを後にし、すぐ近くの深夜喫茶「マンサルド」さんへ。
このお店の店主も枡野さんとお知り合いらしく、ご挨拶を済ませ、クリームソーダを注文。

あまり時間がなかったので少ししか滞在できなかったのだけれど、全方位洒落ていた。
カウンターで葉巻を燻らすお客さん、その向こう側でコーヒーをドリップする店員さん、本を片手にマッチで火をつけ、煙草と珈琲を嗜むお客さん。
そんな中、飲み干したクリームソーダのグラスの底に沈んださくらんぼを、スプーンで掬い上げようとほじくり返す自分がとても惨めに感じた。
掬い上げようにも氷が邪魔をして、終いには店内に氷の音を響かせるという痴態を晒してしまった

恥ずかしさから逃げるようにサンマルドさんを後にし、京都行きの終電に飛び乗る。
LINEを開くと、祖母から「来てくれてありがとう」というボイスメッセージと共に、キラキラに加工された自撮りの写真が送られてきていた。
「おばあちゃんはインスタグラマー」






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