『ファッションピンク・ヘアー』

　しみったれた世の中さ、くそったれな世の中さ。だからそう、俺がうっかり腹を下して暗がりに転がってるのも仕方ねえ。仕方ねえのさ。漁って食った弁当（プレパック）がすっかり腐ってやがっただけだ。
俺はストリートカムだ。道端に転がってる空き缶と一緒。道端のゴミ。死にそうに悶えてたって誰も気に留めやしねえ。
だが今日はマシさ。転がってようがギャングにもイキったガキにも絡まれねえ。痛みに“集中”して悶えていられる。
そのうち下着の中をクソだらけにしながら、俺は意識を失った。