30代持病持ちゲイが家を買うまで(その3)
3連休フィーバーが終わり、月曜から金曜までのフル出勤が体に堪えます。
といいつつ、今は基本テレワークなので出社メインの方と比べるとその疲労具合は全く異なると思います。
私も転職前はテレワーク制度が形骸化した職場に勤めておりましたので、毎日の通勤は本当に辛かったのを覚えています。
ゲイのマンション購入記第3弾。今回はパートナーと一緒にはじめての商談に臨んだ体験から書いてみたいと思います。
5.vs営業マン
初めての商談は、物件にエントリーしてから1ヵ月と少しが経った頃でした。
私にとって人生初の商談。指定された場所へ1人で行くのも心細く、パートナーと一緒に行くことにしました。
パートナーは私と同じ男性です。
先方からどのような目で見られるのか、お互いの関係など聞かれるのか、もちろんそちらの不安もありましたが、先述した心細さと比較した結果、パートナーを連れて行くことにしました。
建物の自動ドアを通り、受付の女性に予約した時間と名前を伝えます。
さすがプロ。私たちを見ても動揺した素振りなど全く見せず、落ち着いた笑顔でエレベーターを案内してくれました。
エレベーターを上がると別の担当の方がいらっしゃり、私たちのテーブルまで案内してくれました。
なんと言うVIP対応。
また、周囲の購入希望者に比べると私たちの年齢がかなり低い部類に入る事は一目瞭然で、しかも男2人。
冷やかしと思われても仕方がないような私たちに対して、とても丁寧に対応いただけたことを今でもよく覚えています。
テーブルの席につくと、先ほど案内してくれた方がペットボトル飲料と高そうなおしぼりを持ってきてくれました。
テーブルには既にマンションの魅力や周辺情報などがイラストと一緒に描かれたシートのようなものが敷かれており、ここは本当に私たちがエントリーしたマンション専用の場所であることを改めて実感しました。
そして待つこと数分、営業担当の男性の方がいらっしゃいました。
男性の年齢は、私たちより一回り以上年上の方。
物腰はとても柔らかく、受付の女性同様、私たち男性2人に対して全く嫌な顔はせず、マンションの概要の説明から丁寧に説明していただきました。
商談の中では、先方が一方的に話すだけではなく、こちらに対しても会話を振ってくれる場面もあり、私たちが現在同じエリアに住んでいることや、今もこの2人で賃貸マンションで同棲していることなどをお話ししました。
この時点で私たちの緊張もかなりほぐれ、全体の説明が終わったところで、営業マンの方から具体的にどのぐらい本気で住みたいと思っているのか、また実際住むなら何階のどの間取りを希望するのかといった話に移ります。
私たちもこの物件を希望する思いは強く、間取りについてもある程度イメージをしていたため、その話を素直にお伝えしました。
また、先方からは現時点での想定される各間取りの価格帯や、既に仮エントリーというものができることを教えていただきました。
初回と言うこともあり、この後大きく私たちを悩ませる私の持病のことはこの時点では話に出しませんでした。
初回の商談については、次回の予約をしたところで終了になります。
帰り際も担当のスタッフの方が案内してくださり、最初から最後まで本当に気持ちの良い接客をしていただいたと記憶しています。
初回の商談については、大まかにこのような流れでした。価格の提示のタイミングなどは、もしかしたら前後していたかもしれません。
(そして、この後のローン仮審査等の流れについても正直記憶が曖昧なので、その点はご了承下さい。)
6.初めての住宅ローン審査申し込み
さて、初回の商談を受けて、私たち2人の話し合いも進展していきます。
もともと希望していた部屋の価格帯も知ることができ、私たちが想定していた予算の範囲内であったことから、この部屋で具体的に話を進めていこうと言う結論に至りました。
また、住宅ローンの契約についてはペアローンを前提に考えていくことになります。
多くの金融機関が現在提供する住宅ローンでは、条件を満たすことで、同性同士であってもペアローンを組むことができると言う選択肢があります。
金融機関によって、例えば法務局で作成した公正証書が必要な場合や自治体の発行するパートナーシップ証明書を提出すれば良い場合など、条件については金融機関それぞれ異なるため一概には言えませんが、印象としては、公正証書を求める金融機関が多かったです。
これ以後は先述したとおり正直順番が曖昧ですが、複数のことを同時並行で進めていたように思います。
まずは営業担当者との商談を進めていきました。初回の商談を受け、改めて私たちがこの部屋で申し込みを進めていきたいと言う意思表示を行った上で、住宅ローンの仮審査へ進むことになります。
この段階で、私は自身の持病について営業担当者へ初めてお伝えをしました。
第三者から見ればまだ健康な人が多い年齢の私ですので、営業担当者の方もその時ばかりは少し驚かれていました。
ここで自身の健康状態がなぜ住宅ローン申し込みに影響するのかについて、簡単に書いてみたいと思います。
素人知識なので、記載が甘い点についてはご容赦ください。
結論から言うと、住宅ローンの審査そのものに健康状態が影響することはありません。
ではなぜ健康状態が住宅ローン申し込みで重要かと言うと、金融機関は住宅ローンの申し込みにあたり団体信用保険(団信)の加入をほぼ必須としているためです。
団信とは、平たく言うと住宅ローン契約中に契約者が死亡した場合、ローンの返済義務が免除されるといった保険です。
今はほとんどの民間の金融機関で住宅ローンを申し込む場合は、団信への加入が必須となっているのではないでしょうか。
そして団信は通常の生命保険と同様、加入の際に告知義務があります。
そのため加入の段階で持病がある場合、内容によっては団信に加入することができず、それに伴い住宅ローンも組むことができなくなってしまいます。
一方で、通常の団信では告知事項に引っかかってしまうような方でも、内容によっては住宅ローンの金利引き上げを条件に団信へ加入することができる「ワイド団信」と言うものも存在します。
私は後の住宅ローン申し込みで、この「ワイド団信」狙いで話を進めていくことになりました。
場面は商談に戻ります。
私たちは複数の金融機関においてペアローン、かつ私の団信についてはワイド団信で審査を進めていくと言う方向性を営業担当者の方と話し合って決定しました。
「審査」と聞くと、人によっては重たい手続きのようなイメージを持たれる方もいらっしゃるかもしれませんが、仮審査において、その内容はいたってシンプルだったように思います。
手続きは全て商談中にタブレットに入力するのみで完結。内容は氏名や住所等といった基本的な個人情報から、現在の職場と昨年度の年収など。
内容確認後、営業担当者が送信ボタンを押せば申し込みは完了でした。
ここまでくれば、後は一旦仮審査と団信の結果を待つのみ。
一安心して私たちは帰路につくのでした。
続く