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頬の血痕
はじめに
日本時間7月14日の早朝に起きたトランプの暗殺未遂事件については、現在も様々な憶測が乱れ飛んでいます。「シークレットサービスによる内部犯行だ」「銃弾はトーマス・クルックスが撃ったものではない」「トランプは神に守られた」などです。
この考察では「誰が暗殺を計画したのか?」「暗殺はどのように実行されたのか?」などについて述べることはしません。注目したのはただ一点だけで「銃弾はトランプの耳に当たったのか?」です。
映像の確認
まず最初に、最初の銃声が聞こえてからトランプがシークレットサービス(以下SSと表記)に囲まれてステージ下の大統領専用車に乗るまでが、編集されていない動画を見てみましょう。
🛑 Trump survived a massive assassination attempt, set to become President of the United States of America
— Data Statistica (@Data_Statistica) July 14, 2024
https://t.co/DS9dCHaz35
次の動画はアナウンサーの音声が入っていますが、ステージ上のトランプがいた位置が最後まで映されています。
2つの動画からトランプの右手に注目して動きを整理してみます。
(2番目の動画の07秒がスタート時間になります)
0秒後:銃声が聞こえた直後、右手を右耳に近づけた後に、
腰を屈めて演台の下に身を隠します。
2秒後:SSがステージに上り、彼の周りを取り囲みます。
62秒後:SSに支えられて立ち上がり、叫びながら右のこぶしを
突き上げて観衆に無事なことをアピールします。
81秒後:一瞬だけ手を開いて、背を向けたSSの 袖口を触った後、
右手を上げて観衆に応えます。
87秒後:ステージの端まで移動したところで手を開いて、
もう一度右手を上げて観衆にアピールをします。
100秒後:女性SSの肩に右手を乗せて階段を下ります。
118秒後:最後に、右こぶしを突き上げてから車に乗り込みます。
この間にトランプの右手が傷ついた耳に触れることが可能だったのは、銃声の直後から立ち上がる60秒後の間だけです。
指の血痕
これは、銃声の直後に右手を右耳に添えた直後の動画を抜き出しました。画質が荒いのでこの時点で指先に血が付いていることは確認できません。
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この後すぐにトランプは演台の下に身を隠しますので、1分後に立ち上がるまで何をしていたのかは解りません。ただ一つ、その時の写真があります。
I often say that photos of Trump are like renaissance paintings.
— Max Meyer (@mualphaxi) July 13, 2024
But on this awful evening for our country, the photos feel more… Biblical. The sunlight found Trump’s bloodied face as he fell to the ground, and produced this photo
Trump 2024 pic.twitter.com/1WX0k2Z0Ki
下を向いたトランプの頬を耳から流れ出た血筋が3本見えます。これは、次の写真でも確認できました。タオルのような布を耳に当てているようにも見えます。右手については、残念ながら親指に血がついていないこと以外は確認できません。
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このバックが青空の写真は、前の写真の後に立ち上がったところを撮影していますから、前後関係は間違えていないはずです。この写真では、3本あった血筋の中央の1本だけが拭き取られたようです。残された血筋も、すでに乾き始めているように見えます。耳からの出血も拭き取った直後だからなのかもしれませんが、滴り落ちているようには見えません。シャツの襟にも血は付いていません。
次の写真は、銃声から81秒後の、再び立ち上がって拳を突き上げた直後に右手を開いてSSの袖口に触った場面です。
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次の袖から手を離した次の瞬間の画像を見ると、SSの白いシャツには血液が付着していません。
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SSの袖に血痕は無い
3枚目は、87秒後のステージの階段を下りる直前に、手の平を見せて観衆に手を振っている場面です。手の平(特に指先)の血痕は不明です。
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別の動画でも確認しましたが、階段に向かう直前に手の平を開いた部分をキャプチャーしてみました。
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手の部分を拡大したものがこちらです
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人差し指から小指までの指先(赤矢印)に少量の血痕があり、第一関節部分(白矢印)に無いことが判るでしょう。これは、トランプがこぶしを握り続けていたために関節の位置に付着しなかったことを意味します。
これだけなら当たり前のように見えますが、不思議なのは指のつけ根部分(緑矢印)に全く血の跡が無いことです。皆さんもご自分の手で確認して下さい。血痕のある指先の腹(赤矢印)部分は、グーを作るとどこに当たりますか?
指のつけ根です。何度もこぶしを握り締めたのにつけ根にはまったく血が付いていないのです。
これに一般的な説明を当てはめれば、トランプは打たれた直後から立ち上がるまでの60秒間の間のどこかで、耳を触ったか床に垂れた血に触れたかして指先に血が付着した。立ち上がって最初にグーを作った時には、すでにつけ根に付着しない程度乾いていしまっていた。だから、指のつけ根にもSSの袖にも血液が付着しなかったのである、となります。
私は耳を撃たれた経験はありませんが、数秒以内に焼けるような激痛が走り、思わず条件反射で手で傷口を触り、傷の状態を確認しようとするのが自然な反応ではないでしょうか。そうなれば指に付く血の量はわずかではないはずです。しかしトランプは、そうしなかったのです。まるで、痛みを感じていないかのように。
止血の不思議
これだけならば、極度の興奮状態のトランプが痛みを感じることを忘れてしまったと解釈する人がいるかもしれません。だから、二度と耳を差触ることをしなかったのだ、と言うこともできます。
では、耳からの出血は誰が拭いたのでしょうか。考えられるのはSSだけです。それを示す写真も見つかりました。SSが持っているのは、先にお見せした床に屈んでいるときに写っていたタオルではないかと思えます。
The Senate briefing on the Trump rally shooting has just concluded.
— Shadow of Ezra (@ShadowofEzra) July 17, 2024
Key points, according to two senators on the call:
- The shooter visited the rally site a few days in advance to scope it out.
- 62 minutes elapsed between the time the shooter was photographed as suspicious… pic.twitter.com/WOwavY968f
このタオルが二枚目以降の物なのかもしれませんが、それでも私が想像したより少ない出血量です
動画から確認できたので、この写真が銃声から64秒後あたりであることは間違いありません。しかも、この後に車に乗り込むまで、トランプに対して新たに止血の手当てしている場面はありません。
SSが周りを取り囲む中で、トランプは何度もこぶしを突き上げ顔をいろいろな方向に向けています。ところがトランプ本人も至近距離にいるSSも、白いシャツの襟や袖に血痕がまったく付いていないのです。耳の上部が赤く染まっている写真はありましたが、新たな血が滴り落ちている画像は見つかりませんでした。床に屈んだ時は3筋の血が流れ出ていたのに、立ち上がった後は出血が続いているようには見えないのです。となると、トランプが屈んでいた60秒(実質50秒?)間に止血が完了したことになります。
皆さんの中に、包丁などで指を切ってしまった経験がある方がいらっしゃると思います。短時間で血を止めるには、傷口付近を圧迫して強制的に血流を止める以外方法がありません。その上で、ガーゼや脱脂綿を当てて流れ出る血液を吸わせるはずです。
一瞬で血が止まる止血薬とか、-60℃の冷却スプレーで血液固めるとか、目立たない瞬間接着剤で表面を覆ってしまうとか、私の知らない方法があるのかもしれませんが、あの場の1分間にSSが行なった応急手当だけで、銃弾が貫通してできた傷口の出血がピタリと止まることはありえないと考えます。それに、黴菌が入ることを考えて傷口が剥き出しのままで良いはずはありえません。これは専門家でなくとも気付くことです。
Absolutely warrior. pic.twitter.com/DkyFFU8gLr
— Catturd ™ (@catturd2) July 13, 2024
この写真でも、新たな出血は無く、血液が乾き始めているようにも見えます。いったいどうやったら、血が止まって、あっという間に固まるのでしょう。
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ステージから降りる瞬間の写真にも、出血が続いている様子はありませんし、トランプやSSの服に血液が付いている場所は見つけられません。
私の推理
この辺りで、驚いた振りをして引っ張るのは終わりにします。ここまでに集めた証拠から考えられる最も論理的な推理は、「銃弾はトランプの耳に当たっていない」です。
130m離れた所から素人が撃った銃弾が、重症や致命傷になる部分に当たらず、視覚的に最もインプレッションを与える顔に血が付く場所を掠めてゆく確率は、どの程度なものなのでしょうか。しかもそれは、あの瞬間にほんの少し顔の向きを変えたことによって起きたのです。それよりも、銃弾が外れる可能性の方が圧倒的に高いと言わざるを得ません。
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物事を確率論で語るのが常に正しいとは思いませんが、「トランプは神に守られたのだ」と主張する人には、なぜ神は、わざわざ耳を掠める位置に銃弾を通過させたのかを問いたいです。これに納得のゆく説明が無い場合、私の推論はあの日のステージ上で起こったことは「芝居である」となります。
あの芝居のお約束は、痛む傷口を気にしない。1分で血が固まる。傷口を覆わない、でした。
これを別の言い方で表現すれば、ヒーローは弱みを見せない。傷跡(血痕)は勇者の印。顔が見えなければいけない、となります。
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ですから、あの場にいたSSはトランプ・ヒーローショーの脇役であったと想像します。映画で使うような速乾性の血糊を塗ったり、細工が見えないようにみんなで壁になったのでしょう。本番でマゴつかないように、演説をするトランプと何度も稽古を重ねた可能性も考えられます。(そう解釈すると、あの日のSSの対応が、警備のプロから見てお粗末であったというのも納得できます)
ただし、私が推理できるのはここまでです。それは、暗殺未遂自体がフェイクかどうかは判らないと言うことです。
射殺された(と言われる)犯人が、トランプが用意したセントラルキャスティングなのか、DSが送り込んだオズワルドなのかは判りません。あの集会(ペンシルバニア州ラリー)に限って大手テレビ局が何社も生中継したのも、どちら側が仕込んだのか判りません。
あの事件で流れ弾に当たって亡くなった方がいるとの報道もあります。仮にその報道がフェイクであるのならば、犯人、SS、地元警察、被害者、搬送された病院、カメラマンなど、多数の仕込みが行なわれていたはずです。しかし、芝居のキャストが多くなればなるほど情報漏洩の可能性が高まります。そうなれば、DSが別の狙撃者を潜入させて本当の暗殺が実行しやすくなるでしょう。
もちろん、追い詰められたDSがあの場での暗殺を試みたことも十分に予想されたことです。彼らは、昔からそうやって政敵を排除してきました。表に出ていないだけで、すでにトランプ暗殺計画は何度も実行されていて、彼はそれを生き延びてきたのだと、私は想像しています。
もし今回の暗殺未遂事件がガチならば、JFKの時のように衆人環視の中で射殺すると言う大胆な計画です。その情報がトランプ側に入っていたならば、衆人環視を逆手に取って、選挙不正が不可能になるくらい国民からの圧倒的支持を得ることに利用しようと考えたのかもしれません。まだまだ謎は続きます。
過去の私ならば、トランプと言えどもこれほど無謀な計画を実行するなどとは考えませんでしたが、偽バイデンにアメリカ大統領を演じさせるような「トランプ革命」の規模と内容が、空前絶後のものであると信じるようになった現在では、こんな芝居も「あるかも」と思うようになりました。
ホワイトハットには、自分の命を賭してでも「トランプ革命」を成就させようとする人達が集まっていたからこそ、彼は危険な主役を引き受ける気になったのかもしれません。(了)