この"穴"の衝撃、「明らかだ」
NetflixでTHE PLATFORM(原題:EL HOYO)という、スペイン映画を観ていました。
真ん中に大きな穴の開いた縦穴式の施設「バーティカル・セルフマネジメント・センター」で繰り広げられるサバイバルストーリ。
この施設のルールはシンプルなもの、3つ。
1.中央に大きな穴の開いた階層に分かれた建物へ二人一組で収容
2.何でも好きなものを一つ、持ち込める
3.穴から食事が降りてきて、食事ができるのはこのプラットフォームがフロアに停止している間だけ
この建物、縦型に数百の階層へ分かれているので収容されたフロアが下になればなるほど、食事ができる機会は限られていきます。上層階の収容者がプラットフォーム上の食事を自身の欲求が赴くままに食べつくすことができるので、収容されている階層が下がれば下がるほど、下層の収容者が食事にありつける機会は極小となる。だから過酷なサバイバルを要求されるのです。
一カ月に一度、フロアはシャッフルされ、これまで上層階で悠々自適だった収容者が、とんでもない下層へ収容されてしまいまったく食事にありつけなくなる可能性もあるわけです。上下階は穴が開いているので、それぞれのフロア間でコミュニケーションを取れることから、相互扶助、お互いに助け合えば生き残る可能性を広げることはできるのではないか?
この希望的な発想は物語冒頭、簡単に粉砕されます。
主人公ゴレンと同じフロアへ収容される、相方の個性に応じて様々な投げかけが、作品の中で強いられる不条理、過酷な環境下で自分だったらどう考えて行動するだろうか、色んな想像を搔き立ててくれます。
人には言えない・見せられないはずかしい習慣や、汚らしい仕草、それぞれのエゴ、この環境下ではきれいごとにしか見えない理想論など、それぞれの場面が非常によく考えられたプロットとなっていて、作品から突きつけらることは、色々と考えさせられています。
他の作品を観るか、読書とかしようかな、と、考えていたのですが、結局二回観ちゃってこの時間。三回目はつまみ、つまみで。
わたしはたぶん、スペイン映画は初めて観たんじゃないかなー。今日は刺激的な夜を過ごしています…。