「人間は生まれ変わることができない」ということ
12月のとある午後、私はこんな言葉が脳裏をかすめた。「人って生まれ変わることが出来ないんだ…!」
至極当然のことである。ゲーム(主にポケモン)のやりすぎでどうにかしてしまったのだろうか。だが、私にとっては新発見の事実であったのである。
当たり前だが、それが何だか最近生きることについて考えがちであった私へのベストアンサーだと思った。
人間、仮に100年生きるとして1日も別の人になるとか、生まれ変われないんだ、一生自分は自分のままで生きなければならないんだ。
だから人間は、時々自分が自分でいることが嫌になるし、逃げたくもなるのだと。本当の意味で生まれ変わって、新しい自分になることは出来ないのだと。もちろん、10歳の自分と80歳の自分ではありとあらゆること、見た目や性格さえも別人のように違うかもしれない。だが、過去の自分がやったこと、嫌な自分の癖、治したい部分、それさえも無かったことには出来ないのだ。
「生まれ変わることは出来ない」という答えは手に入れたが、なんというか人生に絶望を覚えてしまった。1日でもいいから、他の人に生まれ変わるなんてことが出来たらどんなに楽だろうか。1日でもいいから、思考の一部を取り換えることが出来たらどんなに楽だろうか。
もちろん人間、良いようにも悪いようにも変化はするし、1年前の自分が考えたことなんて思い出せることはない。だが、その破片は残っているのだ。
だから、いつまで経っても判断材料は過去の自分だし、自分が変えたい部分を変えるというのは時間がかかるのである。一生、過去の自分は常に頭の中に存在するのだ。
そして、「人間は生まれ変わることができない」というのは人間が悩み苦しむ根本的な原因の1つではなかろうか。
私は、悩んだり不便を感じたら、自分の考えを変えるというより、環境を変えて自分が生きやすい世界に身を置くことが多い。自分自身が変わるのでなく、変わらない状態で上手くやっていけるようにするのだ。例えば、掃除が苦手だったら、掃除を好きになり得意になろうとするのではなく、ルンバを購入するといったように。それでいうと、苦手を得意にするというよりは得意を生かそうという発想である。
それが人間だとしたら、、、生まれ変わるということ、自分ではない誰かになるということではないだろうか。
自分が変えるのではなく手法を取ってきた私は、その事実に絶望してしまったのである。自分という人間に対してのアプローチ法は従来の方法ではいかないんだと。
人間は生まれ変われないから、人と話し疑似的に人の考えを頭に入れ、人に相談し意見をもらう。成功者のメゾット本を読んだだけで、まるで自分が成功者になれる気がしたり。映画やドラマやアニメ、漫画、そういった入り込める場所を見つけては主人公に感情移入をし、まるで自分が自分ではないような、自分の存在を感じないような気さえして。
自分という圧に自分が一番苦しめられる、そんなときがあるのだと思う。
私自身、12月は何だか気力が湧かず何もしたくないような気さえして。
やらなくていけないことはやれるし、それなりに楽しめるのだが
自分だけが関係するようなことは中々やる気が出ず、やる意味あんのかななんて考えることがしばしば。冬季うつってこんな感じなのかなとか。
自分は前向きでもなく、後ろ向きでもなく、ただ人生に対して諦めというか諦観というか生きるんだったら楽しく生きたいと思いつつ。
人に対しても期待せず、言わなきゃ伝わらないし、言っても伝わらない人だと諦めるといった感じだった。でも、何もかも諦めてしまったら人生なんて本当につまらないんだろうな~と。自分のやりたいことに対しては貪欲でいられているから楽しいというだけで。
人間は生まれ変われないんだから、自分という存在以外に逃げる、ということを大事にしたいなと。自分と向き合うほど、自分で自分を変えるという壁のハードルの高さに絶望してしまう。
そして、人間が病んだり自分が嫌になったりするのって、至極当然なんだな~と。
という訳で、人生嫌にならない程度で生きていきましょう!!