職探し奮闘記 〜 その6(決断編 )

(この文章は2015年の10月に、就職が決まって初出勤を待つ間に書いたものです)

余談ですが、今回就活して思ったのは、今自分が住むサンフェルナンド・バレーという地域、流石エンタメのお膝元、その業種からの仕事が多い事。。!
必ずしもエンタメ事業でなくとも、エンタメ業界の人達専用の保険を扱っている会社、とか、エンタメ業界の人達専用の財務関係の会社、とか、会社自体はエンタメじゃなくても、そこで働く人たちに特化したサービスを提供する会社からの募集が沢山ありました。
勿論自分の周りの友人達の中でも、エンタメ関係の仕事している人は沢山いるけども、今回就活してみて、改めて実感。
自分がメディア関係を狙って応募している訳ではないのに、場所柄、紹介される会社が大体そんな。特にリクルーターが出す仕事募集は、会社名は伏して、仕事内容と場所だけで募集をかける事が多いのだけど、単純に近場で選んで蓋を開けると、結構な確率でエンタメ関係。
もう炭鉱都市状態ですわw。

そんな考えているとDGAに面接に行った次の日の火曜日、ディズニーから正式オファーがありました!
サラリーと、その他のベネフィットの書かれた書類が送られてきた。
サラリーは教授が言っていた範囲内の下のほうで、私も多分このくらいかな、と思っていた額でした。
(それでも以前の会社のサラリーよりはずっといいですヨ。)
ベネフィットも普通に良い、、というか昨今の経済状況の中では、相当良いです。
ディズニーのベネフィットでユニークなのは、ディズニーランドに行きたい放題ということ(笑)。まあその時間があればだけど。しかも3人まで一緒に入園させることもできるという。今や一人一日$200するディズニーランドの入場券、ディズニー好きな人には、ちょっとしたおもてなしとして喜んで貰えそう。
ちなみに、LAだけでなく、フロリダのディズニー・ワールド、パリと香港のディズニーランドにもタダで入れます。残念ながら東京ディズニーランドは、ディズニー所有ではない(オリエンタルランドが所有している)ため、入れません。。

でも本当に、DGAでなく、ディズニーで良かったと確認したい、もとい、DGAがどんな数字を出してくるのか、見てみたい、と思い、あさって木曜日までに返事をします、と言って電話を切りました。
ディズニー・リクルーターのルイスは、ちょっとがっかりした感じに聞こえで、何か心苦しかった。。
すかさず、DGAのほうがどうなっているのか、そちらのリクルーターにも問い合わせました。木曜日まで待ってくれれば、クリスからオファーを貰えるかもしれない、と言われ、待ってみることに。

が、個人的な問題が、、ここのところ就活でずーーっと忙しく、個人的に期限までに終わらせなければならない別の事があり、全然できていない。
仕事の事に気が散らされて、集中できない。
仮に両方からオファーされたら、どうしよう?どっちを選ぼう?どう対応しよう?
待たされているディズニーが機嫌損ねたら、、?
とか考えて、心配になってきたりして。。
DGAが上回っているのは、恐らくストレスの少ない環境と、もしかしたら待遇がディズニーより少しいいかもしれない事。しかし、技術と経験的な事、今後のキャリア的な事、通勤の距離など色々考えると、やっぱりディズニーのほうに軍配が上がる。同じ条件かDGAがちょっとだけ上、くらいでオファーを貰っても、多分ディズニーを選ぶだろう、
給料倍くらいでもなければDGAは選ばないだろう、 と思い、もうさっさと決めてしまって、先に進む事にしました。

それで早速リクルーターのルイスに電話をしたら、
「あらKaoriだったのね!電話を取って良かったわ!今ちょうどランチに行こうと立ち上がったところで、電話を取るかどうか迷ったのよ~」
と言われましたw それで、まだ水曜ですが、ディズニーのオファーを受ける事に決めました、って言ったら、
「本当に!?やっぱり電話に出て良かったわ!あぁ、これで最高のランチが食べられるわ!」
って凄く喜んでくれました。まあ彼女にコミッションがこれで入るからとは思うんですがw
それで、これからバックグラウンドチェックとか、色々準備があるので、それにかかる時間を考えて、問題なくプロセスが済むと仮定して、私がオフィスに初出社する日は11月の頭から、という事で予定が立ちました。
うむ、決めて良かった。気持ちが非常に晴れやかになりましたw

それでDGAのほうに報告したら、あちらはまだこれから面接予定の人もいるらしくて、どっちみち木曜日までに返事はできなかったみたい。なので、やっぱりさっさと決めて正解だったのでした。

その二時間後くらいに、早速チームのマネージャーのR氏からもメールがあり、「Be part of the magic, join our team!」って件名でしたw
要はウェルカムメールで、
「とても楽しみにしている、君の経験と新しい技術への情熱がこのチームにピッタリだと思う、必要なソフトや本やリソースは何でも揃えるよ、質問があったら言ってね」
というような内容でした。
また、ディズニーは良い会社で、社員の仕事と生活の良いバランスを重要視している事や、ディズニーランドにはタダで入れるし、ディズニーストアやリゾートでのディスカウント、社員のイベント云々があって素晴らしいよ、って事が書いてありました。
質問があれば、って言われたので、
「ルイスからは11/2から出勤、って聞いたので、もし今のうちに何か頭に叩き込んでおいたほうがよい事があるなら教えてください」
って返信したら、具体的な日付は彼もまだ聞いていなかったようで、
「おお、それは素晴らしいニュースだ!もし何か思いついたら知らせるよ、まあしばらく休んで、今はゆっくりしたらいいよ」
って返事がきました。
そうか~、じゃあゆっくりしよう(^^)10月は個人的な事で何だか色々忙しかったので、とても良いタイミングで仕事は始まると思う。

それにしても、R氏が予想以上に楽しみにしていてくれる感じなので、ちょっと嬉しいです。その反面緊張でもあるけど。。
事実、他の候補者を差し置いて私を雇うと決めてくれたのだから、そりゃ気に入ってくれていて、楽しみにしてくれているという事は、頭ではわかるのですが、、未だに、何が気に入られたのか、何で私が雇われたのか、全然わかりません(笑)。
経験と情熱だけなら、他の候補者にもあるでしょうし。
でも確かに、今になって思えば、情熱は大事だったのかもしれない。
最初に働いた会社の随分昔のプロジェクトは、自分が中心になってほぼ全部デザインしたけども、それは楽しかったし、その時の話をした面接ではほぼ共通して良い結果が出ている。
C++プログラマ募集の二回目の面接に呼んでくれた会社も、リクルーターから「君の情熱を褒めていたよ」って言われて、その時は単なる慰めで言っているだけだと思ったけど、案外本当にそこがポイントだったのかもしれない。
やはり、楽しかった時の事を話すと、相手にも伝わるものなのだね。

でも多分、ですけど、今考えると、給料の関係も大きいかも。
例の教授の話によると、オファーされるサラリーは自分の最近のサラリーの額が大きく影響するらしい。
普通は今までのサラリーより低い数字は出してこないので、つまり普通は、その人に経験があればあるほど、企業は高い給料を提示しなければならない、という事になる。
今まで働いていた友人の会社は、まあ普通に生活するには適当なサラリーだったけども、プログラマーとしては、相当の安月給でした。
日本ではプログラマーは安月給なイメージですが、アメリカのプログラマーは基本高給取りです。
私の以前のサラリーを言うと愕然とするリクルーターもいたりして。
というのも実質パートタイムだったし、自宅勤務だったし、グリーンカードのスポンサーにもなってもらったし(でも費用はほぼこっち持ちでしたけど)、その辺を差し引いての額を貰っていた。(それでも安かったけど。ベネフィットも無しだし。)そうすると、4大出の新卒のプログラマーが普通の企業に勤めるよりお安い給料で働いていたという。
つまりディズニー側としては、新卒を雇うのに近いような給料で、ある程度経験のある人間を雇える、という、かなりのお買い得商品だったのかもしれません。

LinkedInで、このポジションに他にどんな人たちが応募しているのか、統計を見れる機能がありまして、オファーを貰った時点では、4大卒が約30%、修士卒(Master)が約65%、博士課程卒(Dr) が2%、その他が3%でした。
私はもちろん、「その他」(笑)、コミュニティー・カレッジ卒でございます。
多分ですが、MasterやDr持っている人には、オーバークオリファイドになってダメなんだと思います。例え経験がなくとも、彼らにはやっぱりサラリーは上乗せして提示しなきゃいけないし、実は企業側は雇いにくいのかもしれない。
その点コミカレ卒の私はめっちゃお安い(笑)。
しかも、実際問題、このポジションには学位より経験とスキルのほうが雇う側から見て断然価値があると思うので、バーゲン品です。
多分そういう事かな~と思っています。

後は後処理で、他のリクルーター達に、決まったのでもう大丈夫です、お世話になりました、ってお知らせをしました。
そこで「おめでとう~」と社交辞令でも一緒に喜んで感じ良く終えてくれたリクルーター達と、そうでない人達と分かれました。
感じよくない人達、次は使わないw もちろん今回色々機会を与えてくれて、感謝しているけども。

そしてその二日後くらいに、オリエンテーションの招待状が来ました。
「Disney Beginnings」という題名のイベント仕立てになっていて、招待状もそんな雰囲気で面白い(笑)。
ディズニーの本家はThe Walt Disney Companyという会社で、そこが全ての事業を統括しています。
スタジオ(映画・音楽)、メディア・ネットワーク(TV、ラジオetc)、パーク&リゾート(ディズニーランド他) 、ディズニー商品(開発・営業・販売)
と、大きくわけて4つの事業があり(2015年現在)、私の働くABCは、メディア・ネットワーク部門で、テレビ局、ラジオ局を所有し、ニュースを含めた番組の製作と放映をし、ディズニーチャンネルその他、たくさんチャンネルを持ってます。
その他ストリーミング・メディア、ケーブルTVなどにも参入していて、
実はDisneyの稼ぎ頭、Company全利益の50%がESPN含めたメディア事業かららしいです。
映画やパークじゃないんですね~、意外です。
その全ての事業の新入社員をまとめて、The Walt Disney Companyのオリエンテーションとして、「Disney Beginnings」というのが、毎週ではないと思いますが、月曜日にあるらしいです。
まる一日かけて(ランチ付き)、The Walt Disney Companyの紹介、理念の教育的なものを教えられるらしい。。
それはまあいいとして、スタジオ・ツアーをしてくれるというのがちょっと楽しみ(笑)。
私が働く場所は、本社やアニメスタジオのある場所から数ブロック離れたオフィスビルにあるので、滅多に本社の様子を覗くことはこれからないと思うので~。
そしてその同じ週の金曜日に、ABCのオリエンがあるんですって。

送られてきたオリエンテーションの案内。
まるでエンタメ・イベントの招待状のようで、
まるでファンタジーの世界に足を踏み入れるようで、
非常にアガりました(笑)

という事で、晴れて11月からDisney-ABC Television Groupで正社員として働く事になりました。
就活を始めた9月に、一体誰がこのような展開を予想したでしょう。。

長々と呼んでくださった方、ありがとうございました~~。
とりあえず、ここで「職探し奮闘記」は完結します(笑)。
ではでは〜


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?