50年ものの婚礼家具にお別れを
住宅の解体現場を立て続けに
最近、住んでいる地域の中で自宅の解体をされている現場がありました。しかも3軒立て続けに。以前地域の役員をやらせて頂いたとき、施設に入られているから今はいらっしゃらないと伺ったお宅も含まれていました。各ご家庭の事情により、解体を選択されたのでしょうが、3軒続いたので少し驚いてしまいました。実は私の実家も、両親が住んでいる母屋と別に、祖父母が住んでいた住宅があるのですが、そこの解体話が浮上しています。そういうこともあり、解体現場がより気になっただけかもしれません。よく、車購入前には検討している車をよく見かける気がする、自分が妊婦の時は町で妊婦さんをよく見かける気がするという、あれかもしれないですね。
古い家が迷惑をかけてしまう?
実家の周りは、交通量も歩行者の数も多く、朝や夕方の通学通勤ラッシュの時はガレージから車を出すのに苦労します。小中高の児童や生徒から、通勤者。特に、時間帯によっては、近くに大手電機メーカーの製作所があるので、そこへ出勤する人の流れが続きます。そういったこともあり、瓦屋根や古い建具の祖父母の住宅のことについて父がとても心配しているのです。地震でも起きた時に、この家が迷惑をかけることになるのではないかと。というわけで、解体に向けた話し合いが始まりました。
思い切ってすっきりしたい
母屋と祖父母の住宅の間には、6畳くらいのプレハブ住宅があります。母屋が狭いので、20年くらい前に建て増ししたのです。ですが、今現在は両親が二人だけで住んでいるので、そのプレハブもついでに解体することになりました。これには私も賛成しました。すっきりコンパクトに暮らすことを目標に、今度は家中のモノの見直しを開始します。
後回しになっていたモノを確認しよう
祖父母の住宅の中がどうなっていたかというと、1階部分には水回りとお仏壇があるので、法事や来客時に使う一部屋をメインにして、残りの部屋は2階部分も含めて荷物置き場のようになっていました。父の趣味で集めていた掛け軸や来客布団に座布団、着ていないけれど捨てられない洋服など。プレハブ住宅の方は完全な荷物部屋です。タオルのストックや、普段使いの布団関連のもの、オフシーズンの洋服など。
2軒を解体するとなれば、これらの荷物を仕分けして、使う物を全て母屋に移動させなければなりません。一番狭いあの母屋に!!というわけで、今度は母屋にある家具やモノの確認を始めました。
必要なモノの【量】とは?
今までは、“とりあえず”置く所があったので、どんどん置いていたのでしょうね。でも、今度はそうゆうわけにはいきません。モノの整理をする時には、「使う」「使わない」で判断していくことが基本です。では、モノの量については?バスタオルは何枚が良いのか。この【量】というものについては、一概に全員こう!とは言えないのです。もちろん家族構成によっても違いますが、生活スタイルによっても変わってきます。そもそもバスタオルを使わない家庭もありますし(我が家は子供たちと私はフェイスタオル、夫はハーフバスタオルを使います)、入浴やシャワー、洗濯の頻度も違いますから、各家庭で必要枚数を検討して決めていきます。それから大切なことは、それぞれのモノに与えられる《収納スペース》を理解しておくこと。タオルを置いておく収納スペースが棚2段分であるならば、そこに余裕をもって取り出せる状態で保管できるだけの【量】を考えていくわけですね。
婚礼家具
まずは、いわゆる婚礼家具中心に大きな家具を手放す決心をしてもらうことから始めました。大きく重たい、そしてなぜかとても使いにくい位置についてるポールや重たくて開けにくい引き出しのせいで、ここ最近は飾り状態で使っていなかったのです。洋服箪笥2棹、着物箪笥1棹、それに立派な三面鏡。母方の両親が娘である私の母を想い用意した家具なので、簡単に手放すことが出来ない気持ちと、でもこれからの生活スタイルを考えると手放した方が良いという気持ちが混在し、なかなか難しい感情になっているであろう母の気持ちを尊重する必要があります。
大きなモノではなく、極端に言えば持ち歩ける、身につけられる、もし今後入院した場合でも持って行けるくらい、どこにいても側に置いておけるものが嬉しいよね、というようなことも話しました。すぐに決断を求めず、ゆっくり考えてもらいました。
前向きなさようなら
数日考えた結果、母から「よし!手放そう!」という言葉が。どうしてもというモノを自分で選別して、居間の一番長く過ごす部屋に残すことにしました。婚礼家具ではなく、祖母が晩年使っていた小さなチェストでした。とても良い選択だと思いました。その他、祖母の使っていた着物の帯をバッグにリメイクしたものなど、使いながら大切にできるものを選んでいました。素晴らしい!!
暮らしが変わっていきます
ここからは、お付き合いのある馴染の工務店さんへ相談して廃棄してもらいました。家の中がスッキリ!感謝とともに手放すことができ、両親もこれからの生活が楽しみだと話していました。
さぁ、次は細かいモノの仕分け作業に入っていきます。信じられない量の折り畳み傘や買ったまま使っていないお皿が売るほど出てきました。モノに圧迫されていたのであろう大切な生活空間を、住みよくしていくわけですね。
家族での介護は一番難しいなんて言いますが、お片づけもやり方によってはそうだと思うのです。大切にしてきたものを「こんなのいらないでしょ!」とやってしまうと、なかなか上手くいきません。
押し入れの中板を外して収納方法を変えたDIY話や、なぜか赤いカーペット敷きだった玄関廊下の張り替えなど、これはまたの機会に!
教えてくれたのは…
林 啓子(はやし けいこ)
インテリアコーディネーター資格取得後、設備メーカーで換気・照明などのプランナーとして勤務後、出産育児のため退職。 子供の生活に合わせることを優先するため他業種での2年間の職務中に、整理収納アドバイザー1級、親・子の片づけインストラクター1級、家計整理アドバイザー1級の資格を取得。 4年前から住宅設備関連の仕事と兼業しながら、お片づけや家計整理のセミナー、お片づけサポートなどを行う。また月に一度、お片づけ後などの不要になった子供服リユースイベント(@ろいやるはうす)のスタッフとしてもお手伝い中。
コンシェルジュのいる総合住宅展示場ふれあいホームタウン
ふれあいホームタウンは、コンシェルジュがいるから、気軽に立ち寄れる総合住宅展示場。
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家づくりを考えている方も、そうでない方も、一度見てみてくださいね。