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新サウナに誘われて・みのり湯(兵庫県尼崎市)
今夜はふらっと、尼崎市のみのり湯さん。
ちょうど昼間に、ご主人からLINEを頂いていた。
「男湯のサウナをリニューアルしました。全面に吉野檜を使用しています」
みのり湯さんのサウナは、座面二段でスペースも広く、もともと素晴らしいものだった。そこをリニューアルしたとなると、どんなサウナになったのだろう。
仕事もそこそこに切り上げて、みのり湯さんにお伺いした。番台には若々しくも、高齢になる女将さん。いつもニコニコとしてらっしゃる。
入浴料に加えて、サウナはバスタオル付きの180円。この「180円の価値」をお客さんに感じて頂くためにと、サウナタオルを日夜運んでは、洗濯機にかけ、サウナ室を丁寧に維持しているのも女将さんだ。
リニューアルしたてのサウナは、アロマを炊いているのかと勘違いするほどに、溢れかえるような檜の香りに満ちていた。真新しい檜が放つ、爽快感のある精油の刺激が、鼻腔を突き抜けてゆく。サウナ室全体の木材をすべて張り替えたことで、ばっと明るい雰囲気になった。
サウナのクールダウンで水風呂に入っていると、女将さんと番台を変わるご主人が浴室まで来て、声をかけてくださった。
「サウナ、昨日出来たばっかりやけど、まだ香りが強すぎるでしょう?」聞けば、今晩からサウナを焚きっぱなしにして、強すぎる香りを飛ばしてゆくらしい。2、3日経てば、入りやすい香りに落ち着くそうだ。
「サウナのリニューアルなんて、完全に赤字やけど……。まぁ、それでもお客さんが気持ちよく入ってもらえたら、それでええと思てます」と、ご主人は笑って番台に引き上げて行った。
お客さんの湯心地のためなら採算度外視。ご主人のお客さん想いは相変わらずだ。
そんなご主人だからこそ、廃業するしかなかった銭湯「みのり湯」を、復活させることができたのかも知れない。そのあたり詳しい事情は、また別の話。
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