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彼の家へ 期待と不安と

明後日の日曜日、初めて彼の自宅に行く。
以前、通りから外側を見たことはあるけど、中には入らなかった。
亡き妻の持ち物は全て人にあげたり、処分したりで部屋にはハンガーと衣装ケースだけが残っていて、彼女の位牌と写真は和室の扉の中。扉を開けない限り目に入らないよ、と彼は言う。

行ったら彼女にお線香あげさせて、と言うと彼は少し驚いていた。
でも写真は私に見えないようにしてね。
だって彼女の顔を見る勇気と余裕はまだない。見てしまったら彼女がその家で過ごしていた姿をさらにリアルに想像してしまうから。
ただいま、と言えなくなりそうだから。

一戸建てかぁ。
長いこと都内のマンション暮らしだったからなー。
庭で芝刈りとか言っていたから庭も広いんだろうなー。ガーデニングしようかな。
私の部屋もあるっていうし。
心機一転、家具もカーテンも一から全部揃えよう。



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