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インターネット黎明期の副業詐欺の話

今、SNSとかでは副業で稼ぐ!とか、ゆるFIRE!みたいなやつが、大人気ですよね。
スマホで数時間でウン万稼げる!とか。
10万初期投資してとある設定をして何年か寝かすだけで資産が億になりますみたいな、胡散臭いにも程があるものも、よく見ます。
インプレゾンビの仲間なの?ってくらい、儲かる差がつく今始めないと損!の嵐。

思えば、昔は平和だった。
ネットで送金とか、まだできなかったしなぁ。
どんな儲け話でも、最終的には電話とかで説明があって、なんか書類送ってきて、それで銀行から入金しなくちゃいけなかったからね。
その前で正気に返る人も、そこそこいたはず。これは25年くらい前に、私にかかってきた副業詐欺の電話の話です。

当時としてはそこそこ珍しく、家にPCとネット回線があった私。確か、Windows98あたりが最新だった頃。
(当時そこそこのPCは30万とかでしたし、1人1台PCがある会社も普通ではなかった)
せっかくあるんだから、これ使ってデータ入力とかなんかちょっとお金稼いだりできないかなぁ?と、若い私は思った訳です。
で、ネットでそれらしき求人を見かけて軽くアンケート的なものに答えたのが、そもそもの始まり。
当時はPHSを持ってたから、その番号を書いた気がします。その後の、とある休日。
電話がかかってきました、アンケートの件で!と。
当時すでに仕事で電話対応をしてた私は、すぐにピンときました。

あ、これダメなやつだ


今では信じられないかもですが、当時は会社宛に死ぬほどセールスの電話がきてたんですよ。
毎日数件は確実に、あった。
最初は分からずに繋いでましたけどね、繋いだ後しつこくセールスされて切ろうとしてるとこを見たり、先輩方のご指導などもあり、すぐにいったん保留にして
「どこどこの誰からの電話といってますが…繋ぎます?居留守でオッケーですか?」
と、確認するようになります。
もちろんたいてい、笑顔でよろしく!です。
そんな電話に毎日対応してると、もう声の出し方というか…なんか、第一声で怪しい電話って、分かるんですよね。

ガチャ切りしようかとも思ったんですが、その日はたまたま暇だった。
どういう手口なのか、聞いてやろうじゃないか!という気分になり、担当者さんのセールストークを1時間近く聞いてあげました。

.仕事は簡単!誰でもできます
.めっちゃ給料いいです
.ノルマもないです
.どうかよろしくお願いします

みたいな序盤から入って、そこから雲行きが怪しくなります。

.この仕事をするためには、登録料○万を払ってもらいます
.そしてインターネットにホームページを作り、とある品を売ってもらいます
.仕入れのお金もちょっとかかります
.でも大丈夫です、ネットですぐに売れるしめっちゃ儲かりますから!
.もちろん、ホームページ作りもサポートします!
.なんならこっちがメインの人いっぱいいます!

インターネットでホームページさえ作れればモノを売るなんて簡単だと、知らない人の中には信じる人もいたのかもしれませんね、当時。しかし、私はインターネット老人会会員。
メモ帳でhtmlを駆使して、カウンター付きのトップ画面を作りキリ番用の掲示板を設置して個人ホームページ運営とか、してた訳です。
それでチャット仲間と交流したり、ね。

「ホームページさえ作ればアクセスが増えて売れるって根拠は?」
「個人ホームページのアクセスなんて、日に100あれば凄い方では?実際持ってるから言うんですけども」
「そもそもネットでモノを買う人ってどんだけいるんですか」
「一体何を売らせようとしてるんですか?」

等々の質問をしたらば、電話が切れました。
もう、25年以上前の話です。
その頃から、こうですよその界隈は。
構造は色々変わっているかもだけど、根底の手口は同じ。

どうか皆さん、甘い話にはお気をつけて。


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