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GAME OVER|脚本

梗概

生命が誕生する前の地球。

大自然が猛威を振るい、雷鳴が轟き、竜巻が相次ぎ、巨大な雹が降り注ぎ、火山は噴火し、地震と津波が押し寄せる。

とどめに隕石が落下し、地球は爆発する。

登場人物

なし

脚本

○テロップ
  「4.6 billion years BC」

○大地
  ギラついた太陽が降り注いでいる。
  岩と石だけの広大な大地がどこまでも続いている。

    ×    ×    ×

  雲が太陽を覆い、暗闇が訪れる。
  やがて雨が降ってくる。

    ×    ×    ×

  激しい雨風。 
  小さな岩々が雨に濡れている。
  上空にピカッと雷の光。
  直後、轟く雷鳴の音。
  雷、小岩に落ちる。
  小岩、軽々と破壊される。
  また雷の光。
  雷、別の小岩に落ちる。
  小岩、軽々と破壊される。
  また雷の光。
  雷、別の小岩に落ちる。
  小岩、びくともしない。
  雷、もう一回光る。
  雷、同じ小岩に落ちる。
  小岩、やはりびくともしない。
  雷、もう一回光る。
  雷、同じ小岩に落ちる。
  小岩、びくともしない。
  雷、間髪あけず光る。
  雷、同じ小岩に落ちる。
  小岩、びくともしない。
  雷、間髪あけず光る。 
  雷、同じ小岩に落ちる。
  小岩、びくともしない。
  雷、間髪あけず光る。
  雷、同じ小岩に落ちる。
  小岩、びくともしない。
  雷、光を連打する。 
  ぴかぴかぴかぴかぴかぴかぴかぴかっ。
  ややあって、すごい音の雷が小岩に落ちてくる。
  小岩、やっと砕ける。
  雷、静かになる。

    ×    ×    ×

  強風がびゅーびゅー吹き付ける。
  雷に砕かれた石々が風にのって地面を転がっていく。 

   ×    ×    ×

  石たち、風に吹かれて崖の前まで転がってくる。
  崖下には海が広がっている。
  石たち、次々と崖の縁に溜まってゆく。
  先頭の石、後続の石たちに押し出される形で崖の縁からはみ出す。
  先頭の石、崖下に落ちそうで落ちない。
  後続の石、どんどん転がってきて、先頭の石をさらに前に押し出す。
  が、先頭の石、落ちそうで落ちない。
  やがて後続の石が尽きる。
  大量の石たち、今にも落ちそうな格好で崖の縁に溜まっている。
  と、都合よく地震発生。
  大地が揺れ、弾みで石たち、一斉に海へと落ちてゆく。
  直後、ゲーセンの警報ブザーのような爆音を響かせた突風が海の向こうから吹いてくる。
  崖から落ちそうだった石たち、怒りの突風で押し返される。
  石たち、元来た道へと転がってゆく。

     ×   ×   ×

  石たち、突風によって雷に砕かれた場所まで押し戻される。

     ×   ×   ×

  石たち、さらに転がってゆく。
  その先に大地の地割れ。
  石たち、裂け目に落ちそうになる。
  が、地割れ側からも突風が吹きつける。
  二つの突風、拮抗する。
  地割れ側の突風、石たちを少し押し返す。
  が、また押し返される。
  また押し返す。
  が、押し返される。
  海側の突風が押し切り、石たち、地の底へと落ちてゆく。
  が、直後、地の底から上昇気流が発生し、落ちた石を巻き上げてゆく。
  上昇気流、そのまま突風を突き上げ、突風と絡み合い、竜巻が爆誕する。

     ×   ×   ×

  竜巻、崖にやってくる。
  ライバルの竜巻、待ち構えている。
  二つの竜巻、ぶつかり合う。
  竜巻、独楽のように衝突を繰り返す。
  なかなか決着がつかない。
  竜巻、互いに距離を取り、助走をつける。
  二つの竜巻、勢いよくぶつかる。
  竜巻、合体して巨大化する。
 
     ×   ×   ×

  巨大化した竜巻、荒波の海の上を進んでいる。
  霧のかかった正面から、小型のザコ竜巻、やってくる。
  二つの竜巻、ぶつかり合う。
  竜巻、難なくザコ竜巻を吸収する。
  竜巻、さらに少し大きくなる。
  と、空から野球ボール大の雹(ひょう)が降ってくる。
  巨大な雹、海へドボドボ落ちる。

     ×   ×   ×

  雹が降り注ぐ中、竜巻、我が物顔で進んでいる。
  竜巻、さらに図体が大きくなっている。
  やがて正面に陸が見えてくる。
  強敵竜巻が陸で待ち構えている。
  二つの竜巻、同じくらいの大きさ。
  竜巻、陸にあがる。
  竜巻、強敵竜巻と戦う。
  独楽のように何度もぶつかり合う。
  竜巻、優勢。
  強敵竜巻、竜巻に押され気味。
  竜巻、果敢に強敵竜巻にぶつかってゆく。
  強敵竜巻、その衝撃で体内に取り込んでいた雹たちを大地に散らばせる。
  竜巻、もう一度強敵竜巻にアタックする。
  強敵竜巻の体内から雹たちが飛び出る。
  強敵竜巻、竜巻に恐れをなし、大量の雹を散らばらして退散する。
  竜巻、大地に残った雹を悠然と吸い上げてゆく。

    ×    ×    ×
  
  雹がやんだ大地。
  あちらこちらに雹が散乱している。
  竜巻、雹を吸い上げてながら進んでいる。
  竜巻、雹を一つ吸い上げ損ねる。
  竜巻、吸い上げて損ねた雹に気づいたのか、踵を返す。
  竜巻、その雹をきっちり吸い上げると、再び前進する。

    ×    ×     ×

  竜巻、肩で風を切って進んでいる。
  竜巻、落ちている雹をことごとく吸い上げてゆく。
  斜め前方、ピンポン玉サイズの雹がぽつんと一つ落ちている。
  竜巻、それも見逃さない。
  竜巻、斜め前方へと進み、その雹を吸い上げる。
  そうこうしていると、目の前に先ほどの強敵竜巻が再び姿を現す。
  竜巻、余裕綽々で待ち構える。
  と、強敵竜巻の背後から超弩級サイズのラスボス竜巻が姿を現す。
  ラスボス竜巻、逃げる強敵竜巻を軽々と吸収する。
  竜巻、呆然と立ち尽くす。

  以下、フラッシュバック

  竜巻、上昇気流と突風の息子として地の底より生を授かる。
  竜巻、崖でライバル竜巻と戦っている。
  成長した竜巻、海をゆく。
  竜巻、ザコ竜巻を軽々と吸収する。
  さらに成長した竜巻、強敵竜巻と戦う。
  強敵竜巻、尻尾を巻いて逃げる。
  竜巻、一つぽつんと落ちているピンポン玉サイズの雹をきっちり吸い上げる。

  フラッシュバック、終わり

  竜巻、ラスボス竜巻の前に呆然と佇む。
  二つの竜巻、対峙する。
  竜巻、思わず雹をお漏らしする。
  ラスボス、蔑むようにそれを見ると、ゆっくり踵を返す。
  竜巻、命拾いする。
  
     ×   ×   ×
  
  相変わらず暗い雲が空を覆っている。
  突如、空が切り開かれ、雲の合間から聖なる光が射し込む。
  聖なる光は火山の頂へ降り注いでいる。
  竜巻、光を見上げている。

     ×   ×    ×

  竜巻、導かれるように火山を登ってゆく。
 
     ×   ×    ×

  竜巻、光の降り注ぐ火口にたどり着く。
  火口にはマグマが溜まっている。
  竜巻、マグマの上でうろついている。

  以下、画面は俯瞰視点(真上からの視点)になる

  竜巻、火口をうろついている。
  真上から見ると、竜巻の頭である積乱雲の円周と火口の円周が同じサイズであり、ときどき、二つの円がぴたりと重なる。
  積乱雲、円が一つに重なるタイミングを見計らい、雷を放つ。
  雷の光に包まれ、二つの円の輪郭が鮮明に映し出される。
  二つの円、わずかにずれている。
  雷、空しくマグマへと落ちる。
  ややあって、二つの円、またぴたりと重なる。
  その瞬間、雷、光る。
  雷の光に包まれ、二つの円の輪郭が鮮明に映し出される。
  二つの円、わずかにずれている。
  雷、空しくマグマへと落ちる。
  今度は円が重なる少し前のタイミングで、雷、光る。
  雷の光に包まれ、二つの円の輪郭が鮮明に映し出される。
  二つの円、明らかにずれている。
  雷、空しくマグマへと落ちる。
  うろうろする竜巻。
  タイミングを見計らい、雷、光る。
  雷の光に包まれ、二つの円の輪郭が鮮明に映し出される。
  二つの円、見事にシンクロしている。

  俯瞰視点、終わり

  雷、火口へと降り注ぐ。
  直後、轟音と共に火山が噴火する。
  火口から吹き上げる巨大な煙と火がたちまち竜巻を飲み込む。
  やがて煙が去り、竜巻が姿を現す。
  竜巻、炎を纏った火災流(火炎竜巻)へと進化を遂げている。

      ×   ×   ×

  海が不穏な静けさを放っている。
  ラスボス竜巻、海を見つめている。
  そこへ火炎流、現れる。
  両者、睨み合う。
  ラスボス竜巻、火炎流に襲いかかる。
  火炎流、大きさではラスボス竜巻に敵わず、押されてしまう。
  ラスボス竜巻、さらにアタック。
  火炎流、押される。
  ラスボス竜巻、とどめとばかりに助走をつけ、火炎流にアタック。
  火炎流、吹っ飛ばされたかと思いきや、ラスボス竜巻の体に蛇のよう絡みついている。
  火炎流、力を込めて締め付ける。
  ラスボス竜巻、暴れ回る。
  火炎流、絡みついて離さない。
  ラスボス竜巻の図体、徐々に小さくなってゆく。

  以下、フラッシュバック

  ラスボス竜巻、上昇気流と突風の息子として崖の下より生を授かる。
  ラスボス竜巻、進んでいると、目の前に巨大な穴。
  穴には大量の雹。
  ラスボス竜巻、ボーナスステージで有らん限りの雹を吸い上げ、一気に巨大化する。
  ラスボス竜巻、逃げる強敵竜巻を軽々と吸収する。
  目の前にはお漏らしをする竜巻。
  ラスボス竜巻、蔑むようにそれを見て、踵を返す。
  
  フラッシュバック、おわり

  ラスボス竜巻、火炎流に締め付けられ、消失する。
  残った積乱雲から膨大な雹が降り注ぎ、やがて積乱雲も消える。
  火炎流、その雹をきっちり吸い上げ、超弩級化する。
  と、海から轟音。
  巨大な津波が火炎流を襲う。
  火炎流、恐れることなく津波に向かってゆく。
  火炎流と津波が衝突し、津波、真っ二つに裂ける。
  火炎流、割れた海を進んでゆく。
  目の前に氷山が現れる。
  火炎流、頭上の積乱雲から雷を落とす。
  氷山、雷で破壊される。
  また目の前に氷山。
  火炎流、雷で氷山を破壊。
  また目の前に氷山。
  雷、発射。
  氷山、びくともしない。
  雷、発射。
  氷山、びくともしない。
  氷山との距離が迫ってくる。
  雷、連射。
  ぴかぴかぴかぴかぴかぴかぴかぴかぴかぴかぴかぴかぴかぴかぴかぴかぴかぴかぴかぴかぴかぴかっ。
  ややあって、すごい音の雷。
  氷山、やっと割れる。
  割れた氷山から細長い石柱が出てくる。
  モノリスである。
  火炎流、モノリスを吸い込む。
  直後、火炎流、オーロラ色に変化する。 
  頭上の積乱雲にキラキラと輝く星が搭載される。
  オーロラ竜巻、星を発射。
  星、爆発し、海全体を爆ぜる。
  爆風はオーロラ竜巻をも巻き込む。
  やがて爆風が収まる。
  オーロラ竜巻、無傷。
  オーロラ竜巻、次々と星を発射する。
  星々、海と大地を破壊していく。
  やがてオーロラ竜巻、点滅し出だす。
  オーロラ竜巻、気にせず星を発射する。
  直後、オーロラ竜巻の点滅がやみ、元の火炎流に戻る。
  火炎流、爆風に飲み込まれる。
  暗闇が訪れる。

○タイトル

(おわり)

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