内定の喜びと、家族の反対。
ーーーー現在、2022年2月中旬。
大学を卒業したのは昨年の3月で、ほぼ一年が経とうとしている。
ついに1つだけ内定が決まったのだ。
私にとっては待ちに待った内定で、やっと安心できる、解放される、自分で稼げるという喜びでいっぱいだった。
「どんな服を着て働くんだろう?」「欲しかったあの車買えるかな」「華金のビールを楽しみにするのかな」と妄想がとまらなかった程だ。
今日は内定が決まったことを両親に報告するため、実家に帰省した。
卒業後は当たり前に働くだろうと思っていた娘が、一年もフリーターをしていてやっと働くのだ。喜ばない親なんていないだろう。
そう思ってたのになぁ……。
母:「家族まで保険に加入させられるんで
しょ?」
「大変だと思うなー。そんなとこ入るな
ら、ほら、◯◯(学生時代にバイトをして
た飲食店)の方がマシよ。」
「もっと都会でバリバリに仕事したいのか
と思ってた。」
「もっと自分を活かせる仕事にしなよ。」
私はたった一言、「よかったね」と言ってほしかったのだが、そんな期待は大きすぎたのだろうか。
実は反対の意を示したのは母だけではなく、姉や祖母、親友までもがそうであった。
これらの反対意見を受けて、その場では「まぁまぁ、そんなに長く続ける気もないし大丈夫だよ」と楽観的で傷付いてなどいない自分を演じた。
ーーーー今、じわじわと膨れ上がる、応援されていない事実への悲しみを無視できずにいる。
この気持ちを解消するために、誰かに相談したいと思うが、おそらくそれは相談ではなく、「その仕事で間違ってない」と言ってくれる人を探しているだけだ。
自分に自信があれば、自分が選ぶ仕事に不安を持つこともなかっただろうに。
いつかの公務員を目指した理由と同じように、結局誰かに誉められる仕事に就きたいというつまらないプライドがまだ残っていたんだとわかった。
それでも、母の言葉に対して、「親の思う幸せを子どもに押し付けないで」という怒りもないわけではないわけで………。