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Notionでリモートワークの情報アクセシビリティを高める!導入から浸透まで
こんにちは!ファンタラクティブPRのannaです。
Notionを個人で愛用しているけれど、自分が所属する組織に導入するのは一筋縄ではいかないと感じている方は多いのではないでしょうか。新しいツールの導入はコストがかかるだけでなく、組織内での抵抗もしばしばありますよね。
今回は、Notionをファンタラクティブ社内全体で利用するまでに至ったプロセスをご紹介します。お話をしてくれたのは、Notionの導入を自発的に推進してくれたデザイナーの水口さんです。
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Webやグラフィックを問わず、関わる全ての人にいいきっかけとなるデザインを提供すべく、日々修行中です。生粋のミスチル好き。
なぜNotionを導入したのか
――まず、Notionの導入をしようと思った理由を教えてください。
水口:社内の情報が、SlackやFigma/FigJam、Google Driveなどの各種プラットフォームで分散していました。そのため、共有された情報がすぐに流れてしまったり格納場所を探すのが困難だったりと、上手く管理しないとスマートにアクセスできない状態になっていました。結果、新入社員やプロジェクトに途中から参加した人への情報共有にも手間がかかっていました。
もちろん、Slackのブックマークを活用したりGoogleドキュメントでリンク集を作ったりなど、各情報にアクセスしやすくするための対策は少しずつしていたものの、やはり個々の努力とスキルによる一時的な小技にすぎないのではと思い、根本的な情報管理をしたいと考えるようになりました。
また、アクセシビリティを高めるだけではなく、社内のナレッジをきちんと蓄積する場が欲しいというのもありました。
――情報管理ツールは色々ありますが、Notionのどこに魅力を感じましたか。
水口:僕自身以前から個人でNotionを活用していて、よく見るギャラリーサイトや素材サイト、読んだ本、個人的な仕事のメモなどを全てNotionに入れて管理していました。慣れればドキュメントツール・情報管理・タスク管理としても、何にでも使えてしまうことに使い勝手の良さを体感していたので、ファンタでも使いたいと思いました。
Notionは無料プランで広範な機能が使える点が魅力だったのと、僕以外のメンバーも何人か個人でNotionを使っていて評判が良かったのもあります。さらに、当時Notionがちょうど日本語対応されて導入を進めやすいタイミングだなと思いました。
社内でのNotion浸透までの道のり
――実は私もファンタに入ってすぐにNotionの導入を提案していたのですが、上手く導入までに至ることができませんでした。水口さんは具体的にどのように推し進めたのですか。
水口:最初に取り組んだのは、代表とデザインマネージャーの承諾を得ることでした。代表は元々、Notionの独自アルゴリズムやデータベースで情報を一元管理することに乗り気でない印象でした。なおかつ僕自身もNotionがいかにファンタに適しているか、Notionを使うと何が違うのかというメリットを伝えきれておらず、別の方法を考える必要がありました。
そこでまずは、
とにかくNotionをアピールする
Notionの記事をシェアする
デザインチームで使ってみる
と、ミニマムなところから始めました。チーム内での運用は、マネージャーの許可を得て無料の範囲内でできることからスタートしました。
チーム内では「さあどうぞ、使ってみてください」と言うだけでは広まらないので、まず自分自身が積極的にNotionを使い、情報共有もNotionを活用するように意識していました。他にも、僕自身のNotionにおける理想を元にさまざまなサンプルページを作成し、テンプレートも用意しました。そうすることでメンバーたちにも具体的な活用イメージを持ってもらえたと思います。
――水口さんがお一人で全て取り組んでいたのですか。
水口:基本的には僕が積極的に推進していましたが、何人かにサポートしてもらっています。社内のさまざまなことを改善していくことをお題としたカルチャーワークショップで、私のチームでは「Notionをどうしたら導入できるか」というイシューを立てました。会社全体での取り組みにしれっとNotion導入を紛れ込ませたのも良かったですね。
社内にNotionを好意的に捉えてる人も一定数いたのは良かったかなと思ってます。僕一人がNotionを推し続けても説得力が足りないので。
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デザイナーによる情報設計
――Notionは機能が多く自由に設計できるので、まさにどう使うかによってその便利性は変わってくると思います。水口さんはデザイナーなので、その辺りも上手くいったのではないかなと。
水口:そうですね。デザイナーの観点もありますが、前職でのリーダー経験や個人で受けている仕事の経験も参考に、ページの構成やデータベースの活用など運用面も踏まえて設計しました。
前職でチームリーダーを務めた際、膨大な案件を複数のメンバーが動かしていく中で各自のタスクや状況を深く把握できなくなる瞬間がありました。結果、一部の人に負荷が集中してしまったりしっかり把握しようとすると僕がパンクするみたいな状況もありました。オフィスに出社して隣にメンバーが居る状況でもそうなるのに、リモートワーク環境では誰がどんなタスクを持っているのか、過去にどんな案件があったのか、などわかるはずもない。
その対策として、ファンタラクティブのNotionではメンバー・クライアント・プロジェクト・タスクという4つの主となるデータベース(以下DB)をそれぞれ紐づけることで状況を可視化する、という基本思想で情報設計を行いました。
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水口:これらの情報はリレーション機能を用いて相互にリンクされています。これにより、さまざまな切り口から情報にアクセスすることができます。
たとえば、僕が参加しているプロジェクト・持っているタスクを見たいならメンバーDBの水口ページに、Web制作プロジェクトの情報を見たい時はプロジェクトDBに、クライアントの過去のプロジェクトを見たい時はクライアントDBにアクセスします。
最近リリースされたNotion Projectという機能も分解すると似たような仕組みになっているので、現時点での最適解はこれだと考えています。
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これを元に実際のページを制作していった。
水口:プロジェクト以外の、例えば就業規則や個人のナレッジメモなども、Google Driveの奥に埋もれさせるのではなく、Notion上で簡単にアクセスできるように整理しました。
今までは例えば経費精算ってどうやるんだっけ、という疑問もバックオフィスの方に確認したり、Slackを漁ったり、Google Driveの中を探したりしていたんですが、今ではNotionを見に行けば良いので、かなり便利になったと思います。
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水口:新入社員など後からプロジェクトに参加するメンバーに対しても、Notionを有効活用しています。前提情報や資料などを全て都度探して共有するのは手間がかかる作業ですが、Notionでその全てをリンクさせておけば、「資料はここにあるので、困ったら見てください」と伝えれば良くなりました。
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導入後のサポートと取り組み
――Notionを初めて使うメンバーもいたと思いますが、どのようなサポートをしていったのでしょう。
水口:ページやテンプレートを用意するだけでは使われないので、積極的なサポートを心がけていました。僕を含めたカルチャーワークショップのチームメンバーが中心となって、社内のメンバーに対してサポートを行っていきました。
例えば、ワークショップ形式でNotion講座を開催して基本的な使い方や機能について共有しました。講座では、参加メンバーみんなでNotion内に「本棚」ページを作ることをお題に、データベース、ビュー、リレーションといった概念を織り交ぜて、仕事以外の日常でも使えるようになることを念頭に実施しました。
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水口:また、Slackに専用のチャンネルを設置しメンバーが疑問や困りごとを気軽に共有できる環境を整えました。Notionに関するヒントやテクニックもこのチャンネルで共有されています。Slackの投稿に「Notion」のスタンプが押されると、その情報がNotionチャンネルに自動的に流れる仕組みもあります。
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活用するメンバーも増えてきた
社内からもNotionは使いやすい!と評判の声が挙がっています。自発的に活用するメンバーも増えてきました。
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最近入社したメンバーにも「Notionがあって助かったと思うことはありますか?」と聞いたところ、次のようなコメントをもらいました。
最初に助かったのはメンバーページで、一番見ていました。
初日のオンボーディングで「社内で使っているツールの説明」を見せてもらいましたが、オンボーディングの後に再確認するのにも助かりました。
Notionは情報の「INDEX」
――最後に情報管理やNotionについての水口さんの考えをお聞かせください。
水口:情報が欲しい人にちゃんと届くようにする、伝えにくいものを伝わりやすくするというのもデザインの一部だと思います。FigJamで図を作ったり、ドキュメントを作ったり、Slackで共有して終わりにしてないか?その情報は必要な時に簡単にアクセスできる環境にあるか?と、常々考えています。
また、情報の管理はあっという間に属人化してブラックボックスになってしまいます。それを防ぐためにはしっかりとした型を作ることが大切だと思っています。
もう一点強調したいのが、僕自身は何が何でもNotionで管理したいわけではありません。GitHubのProjectsが適している場合もあれば、社外共有ではスプレッドシートやドキュメント・スライドが適していることも多いです。
状況に合わせて使いやすいツールを使ってもらって構わない、ただ社内における情報の「INDEX」として、Notionには最低限リンクだけは置いておいてほしいと思います。それさえしてもらえれば、あとはご自由にというスタンスです。正直なところ、Notion内のProject DBやTask DBが運用されなくても構いません。Notionの利用を強制してしまうとメンバーへの負荷が高くなるので、長い目で見るようにしています。
この辺りは今後の課題かなと思いますが、徐々にNotionを上手く扱ってくれるメンバーも増えてきているので安心しています。
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