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自称“コミュ障”アパレル販売員さんに、お客様とのコミュニケーションのコツを教えます

こんにちは。

お客様との会話のキャッチボールが時々うまくいかないように感じてますか?

接客の流れは分かっていても、なかなか簡単にはいかないですよね。
お客様の心が読めたら、どんなにラクかしら…。

でも大丈夫、
そうやって課題と感じられる時点で、克服の兆しが見えています。

きっと、接客中にお客様の反応がビミョーだったシーンの記憶があって、気にしてるんですよね?

お客様の違和感を察して、それについて悩めるということは、あなたは相手の気持ちを尊重できる人です。

だから表題を、「自称“コミュ障”」としました。あなたは、コミュニケーションについて真面目に考えているだけで、コミュ障でもなんでもありません。

それではさっそく、その悶々とした気持ちを解消していきましょう !

コミュニケーションは会話のキャッチボールです

「会話のキャッチボール」

これは、お互いに言葉を交わして会話が成り立つ状態を差しますが、「キャッチボール」の動作を具体的に会話に置き換えて想像してみたことはありますか?

ふたりで投げ合うようなイメージがあると思いますが、実はキャッチボールは、その名の通り相手も自分もキャッチできることが重要なのです。

キャッチボールは

基本、ふたりでやります。ボール(話題)は、ひとつです。ボール(話題)を持っている人は、相手の構え(聞く体制)ができていることを確認して、相手が捕れるボール(受け容れやすい話題)を投げます。

店頭でのコミュニケーションは販売員から始めることが多いので、お客様にファーストアプローチをするときにはこれを重要視します。

背後からボールを投げてはいけません。

捕れないボールを投げつけてはいけません。

投げたボールが返ってこないのに、自分のペースで次々と投げ続けるのもよくありません。

初対面ですから、相手はボールの投げ返し方を知らないかもしれないし、実は草野球選手かもしれないし、ソフトボール投げをしてくるかもしれません。どんなボールが返ってきても、捕りに行ける瞬発力と心の準備が大切です。

コミュニケーションは、受容することで発展します

キャッチボールがどうやって始まるか思い出してください。

まずは、「キャッチボールしようよ」「うん、いいよ」という意思の確認があります。
次に、ふたりの立つ距離(ボールを捕りやすい距離)を決めます。

これが、ファーストアプローチで接して察してほしい部分です。お客様の気持ちの準備がまだなら、押しきらずに受け止めて待ちます。準備がまだだったことが分かったので、それで十分、ナイスアプローチです。

理想のキャッチボールに発展できないからといって、焦る必要はありません。受け容れて、受け止めておけば、続きのチャンスは消えていません。お客様がキャッチボールする気になったら、さっき誘ってくれたあなたのところにきっと来てくれることでしょう。

お客様の価値観を知り、尊重しましょう

信頼関係は、相手の気持ちを確認し(あらかじめ決めつけない)、それを尊重する行動をとる(聞いたからには受け容れる)ことで築けます。

しかし多くの販売員は、接客についたお客様に自分が敷いたレール通りのやりとりを期待しがちで、いち早く店内にあるもので決着させようと先を急ぎがちです。

そのせいで、こんなやりとりをよく耳にします。

販売員「ご試着いかがでしたか?」

お客様「うーん、ちょっとピンとこなかったです」

販売員「えー、そんなことないですよ!」

これは、お客様の感想を聞いたものの、販売員が欲しかった返答と違ったので、購入に踏み切らせるために自分の評価を加えて結果的に押しきろうとしています。そんなことない、という否定もしています。

お客様は、その場で思ったことや言ったことを「評価」「否定」されてしまうと、それ以上話す気がなくなるか、意地を張って強く言いたくなります。

断れないお客様だったら、黙って、販売員の押し切りをひと通り聞いて、試着したことを後悔しながらお金を払うかもしれません。ピンとこないと感じた自分が間違っていて、センスのない人と言われたような気持ちになって、帰られます。

言い返せるお客様だったら、きっと「いいえ、大丈夫です」とおっしゃると思いますが、ピシャリと強く言わざるを得なかったことであなたとの関係はもうおしまいです。

失敗例としてはほかにも、間髪入れず「では色違いもお試しになりませんか?」という食い下がりや、「えー、なんでですか?」という受けとめない詰問などが挙げられます。フレンドリーと、図々しいのは違います。

お客様が投げ返したボールを受け取ったことを表現で伝える

前述のようなつまらない買い物をさせないためには

販売員「ご試着いかがでしたか?」

お客様「うーん、ちょっとピンとこなかったです」

販売員「ピンとこなかったですか…どのへんがちょっと違う感じされましたか?」

こんな流れにすると、お客様は「ピンとこなかった」という感想を持った事実を販売員に受け容れられたと感じます。このように、キャッチしたことを伝えるほんの一言が重要です。

この場合はさらに、販売員は次の商品提案や着こなしの工夫の提案に繋がるボールを投げることができています。

ちなみに、お客様には共感して提案する、というのは販売の通説ですが、ここはさすがに共感したらおかしいのでNGです。

「ピンとこない」の一言に、「あー、ですよねー!すみません」なんていう共感リアクションは、お客様に「だったらなぜ薦めた?」というモヤモヤを引き起こします。たまに見かけますけどね…。

最後に

コミュニケーションは、相手を言い負かすことでも、相手を自分の思い通りの着地に引きずり込むことでもありません。

何と言ったら売れるかを考えるより、どうしたら買ってもらえるかを考えます。お客様は納得できないものは買いませんし、買っても後悔されるだけです。

夏のセールもすっかり落ち着き、さばく時期は終わりました。

ぜひ、頭と心をやわらかくして、向き合ってみてください。




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