小さなブランドの小さなInstagaramアカウント、3つの実態
こんにちは。
なんやかんやで、クライアントのブランドのSNS運営に一枚噛んだりメインでやるようになったりして数年が経ちました。とはいえ、どれも私の持ち物ではないのでクライアントの意向や予算、依頼されている仕事の優先順位を尊重しており、SNSアドバイザーとして入っているわけではないので情報収集しながらちまちまと提案しつつ携わる程度です。
セールスの仕事がメインなので、時代的にはSNSでもっとブランドを大きくしていくことも仕事のうちといえますが、いろんな事情といろんな言い訳をしながら、これまでそこに主な力を注いできませんでした。
ただ、ずっと、見てきたんです。何もしないながらに、いくつかのブランドのやり方とそのアカウントのユーザーの動き、そして twitter の TL に溢れる成功法則、騙され事例、有料情報に散見される超固有名詞型再現性ゼロ案件 etc...。
参考になるものはあるし、常に情報に触れていることって大事だなという実感はとてもあるし、これからもう少し力を入れていかないとなー(すぐにでも!)という気持ちはありますが、結局ブランドその背景とお客様のことがよく分かっていないと、どんなにもっともらしい成功の法則も失敗に終わるという超当たり前の話を、今日は書き記しておきたいと思います。詳細に数え上げると6例くらいあるけれど、その中から3つを選んでお伝えします。
フォロワー数よりアクティブユーザー数である
携わってきたもの、ここに記すものはどれも、約1,500~3,000フォロワー未満の小さなアカウントです。それでも、この数までくる間の増やし方は三者三様でした。
先ず1つ目、ブランドAとします。
ものづくりの歴史は長い、英国の革製品ブランドです。このブランド、商品は良いのに色々あってなくなっちゃったのですが(清算済み)、超怪し気なコンサルみたいな人に日本の社長が引っかかってしまい、コンサルさんはInstagaramのフォロワー買ったみたいです。
これやると何が起こるかというと、単純にフォロワー数の割に「いいね」が付かないです。どうせやるなら、「いいね」もしてくれるフォロワーを購入すればよかったのに、高いんでしょうね…。当時はまだスマホ表示でも「いいね」数が表示される仕様だったので、フォロワー 2,300に対し、いいね 7 みたいなことが平気で起こるんです。完全にハリボテですね。
ハリボテでも多少のハッタリをかましながら、ユーザーの目に留まって雪だるま式にフォロワーが増えたらよかったのですが、投稿が、なんというか一言でいうと日本受けしない感じだったんです。あとコンサルさんが多分、どこかで仕入れた情報を精査せず受け売りでデキる風に見せていた。だから、全然増えていきませんでした。本国はInstagaramでファン形成してどうこうというより、ヨーロッパ貴族やアラブの富裕層のすごいオーダーで生きていたので、国内ではあまり本家のビジュアルも揃わず苦戦です。「いいね」を最も稼いだ投稿は女性の海外モデルさんがタイトなミニスカートで惜しげもなく美脚を披露している画像です。商品は、写っていたかな?くらいの大きさ。それでも、フォロワーは別に増えていませんでしたけど。
インサイトの質
2つ目、こちらはブランドBとします。
(※このブランドBと次のブランドCは現存するので、ここに書けることは少し減りますがご容赦ください。)
Bは、ライフスタイル系のアパレルブランドです。Pitti Uomoに出店したり、海外大手通販に卸もしているけれど、SNS広告というものをほぼ打っていません。というか正確には、昨年末にイベントをやった際試しにちょこっと黙って出してみた、その1回だけです。
今1,760人くらいのフォロワーさんで、2年前引き継いだときは350人くらいでした。だいたい毎月平均50フォロワーくらいのペースで増えていきます。投稿は、最近だとフィードに月2~4回くらい、ストーリーズにはその倍くらい、卸先様やユーザーのタグ付き投稿のシェアは気づいたらできるだけ全部なので納品やイベントがあると多めになります。
もちろん増える一方というわけではなくて、インサイトを見ると結構減ってる月もあります。でもまぁ、いっか、と思っています。なぜ減ったか?はちょっと気になるけど、リムーブなんて私もするし、でもそこにはそんなに深い理由はないので、また気にかけてもらえるようになれたらいいなー、くらいに思うことにしています。
というのもこのアカウント、私がインサイトを見てきた6つくらいのアカウントの中で一番アクティブユーザーの割合が多くて、一番保存もあるし、関係者の「いいね」で埋まってるわけでもないので、平たく言えばインサイトの質が良いと感じるからです。でも、だからこそ、ふたまわりもそれ以上もブランドの外側にいる人たちに、広告という手段を使って知られることが得策なのか?と手をこまねいてしまうところがあります。知られてないのは存在しないも一緒なので知られている方が良いのですが、要検討事案です(やったほうがいいとは思っているし、反対があるわけでもないけれど)。
アクティブユーザーの内訳は?
最後に、ブランドCです。
こちらは、某鞄メーカーPBブランドで、昨年6月に450人くらいだったフォロワーが2021年2月現在1420人くらいです。
上層部が一度やってみたかったようで、先月終わりからインフルエンサーを使ったPRをしていました。3人くらい使って、3~4週間でフォロワー200人増です。(これっていい方なんですか…?謎)
こちらは今売り出し中なので、昨年12月にサイトもリニューアルして、SNS広告もなるべく常に打って、公式LINE配信の活用もしています(これらの仕事をしました)。
このアカウントはアクティブユーザーが多めといえば多めですが、その内訳が問題です。当初、お客様より関係者や忖度のお付き合い「いいね」に支えられていました。メーカーPBにはありがちなのかもしれないですが、テーマもペルソナイメージもなく、「なんか、材料があったから作った」みたいなノリで「こういうの売れるんでしょう?」をやってしまうのです。そうすると商品のツラがバラバラ、フィードのトーンや画像加工のポイントも整理されていないまま、軸は「うちが作ったこと、これがブランド」なので、カッコよくもなければ分かりやすくもなくて、ブランディングはマイナスからのスタートでした。
あと、ブランドの主なインスタ担当さんが、とにかく投稿するだけで精一杯で、投稿のトレンドとか、フォローやいいねをしてくれたアカウントさんを見に行くとかを全然されておらず、感覚が最近まで結構やばかったです。フォロワーさんを人と思ってない感じがしたので(というと言いすぎですが、数として見ているの意味です)、その点はちょっと口を出させていただきました。ほかのメンバーも含めて、義務と思わず興味で動いてもらえるのがよいのですが、気持ちは続いているかしら…。
まとめ
書いてみたものの、公開するには大して詳しくも書けなくて、SNSを専門でやっている方から見たら疑問だらけかもしれません。モヤモヤさせたらすみません。でも、SNS素人ながらに、何をするにもやっぱりまずはお客様の方を向いてやっていくのが一番なんだろうなと思っています。それができていれば、リアクションに手ごたえを感じられてそんなに不安になることもなく、結果的に質も上がるのではないでしょうか、という記述でした。
おわり
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