そこだけ空気が一段と輝いていたから、そこの服がひとつ欲しいなと思ったんだ
渋谷駅前に4万人が集結して大混乱だったハロウィンのあの日、私は騒ぎが始まる数時間前の渋谷・神泉のセレクトショップ「R for D」に行っていました。
目的は〈SUÉSADA〉の展示会です。
遠くから、美人オーラを放つ服
「R for D」は思ったより広くて、たくさんの洋服が並んでいました。全体のテイストは、“TOKYOっぽい”感じ。そしてその一角に〈SUÉSADA〉の展示スペースはありました。
先客がいらしたので少し遠巻きにしながら待つことにします。
待ちながら周りのTOKYOっぽい服を見ているうちに、それぞれの服を着ていそうな見ず知らずの顔が次々と浮かんできて、まるで街なかにいるような錯覚を起こしました。
その中にいて、〈SUÉSADA〉のスペースの方向がなんだかキラッとして見えます。電車の中で、美人が乗ってきたことに空気で気づくような、あの感じです。
多分、別注のピンクゴールドカラーのハンガーのせい、だけではないと思います。
女に生まれて良かったと思わせてくれるのは、いつも服
いまこれだけ多様性やジェンダーレスがファッションにも入り込んでいる時代に於いて、錯誤する表現かもしれないけれど、今回〈SUÉSADA〉を見て最初に思ったことは「女に生まれて良かった~!」でした。
魅力的で、女性性の含みのある洋服に出会うといつも思うことです。別に男性が着たっていいだろうけど、体つきが女性の人が着たほうがいいだろうね、そんな服に出会うと思います。
でもその差がけっこう肝心で、男性だとだとこうはならないぞ、と得意げな気持ちにさせてくれます。
そういうところを掴んでくるのが〈SUÉSADA〉は上手です。
何がどうしていいんだろう?現時点での解釈
服から強い印象を受けると、解釈を施したくなります。
素材がいいとか、この袖のデザインがかわいいとか、そういうことではなく、この世界の何が輝いて見えたのか、自分なりに答えを出してみました。
〈SUÉSADA〉は素材やディティールに、フリルやレース、リボンがあるわけではないし、ふわふわもしていなければ透け透けでもないのですが、女性っぽい服です。感触が女らしいというより、記号として女性っぽい。
女を自覚して恣意的にそれらしい役割の表現をするようなことを女性に求めていない服。
だから、解放されて自由になれる服。
そんな解釈をしました。
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