首里小屋
沖縄に引っ越して、1年が経とうとしている頃。
年末年始で山形に里帰りしていた小川さんが戻ってきて、久しぶりの日本酒で乾杯しました。
いつもは行かない、私たちにとっては少し高級な居酒屋「炉ばたsakiyama」。
もうすぐ小川さんは大学院を卒業して、就職します。
生活が変わる、これをきっかけに、「一緒に住もうよ!」と提案したのは私です。
小川さんもすぐに同意して、でも、懸念事項がひとつ。
私にはつい1ヶ月前に、彼氏ができていました。それも、小川さんのともだち。
これは、男同士で話したほうがいいね。と言って小川さんが交渉することになって、優しい上にちょっと鈍感な彼は、大した問題にしませんでした。
すぐに三人がかりで家探しが始まります。地域は、それまでも住んでいた首里一択。沖縄のほかの地域を知っているわけではないけれど、文化の薫り高いような気がして、私たちが好きな地域です。
3LDKで、お値段もそれなり、私の絶対条件だった花ブロックもある物件に決めました。むらの名前は、崎山町。居酒屋さんの名前と同じです。
(首里小屋、というのは私たちの家の名前。ミスター・チルドレン、から影響を受けています)
文 平岡あみ
絵 サイトウマサミツ
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