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SSTR2021 ~サンライズ・サンセット・ツーリング・ラリー~ 前編
【はじめに】
今年9回目を迎える「SSTR」に参加してきました。ラリースト風間深志さんが考案し、実現したバイクのイベントです。今年が9回目。今回はそのレポートを。写真たくさんで文章も長いので前後編分割です。
SSTRは、思い思いの場所で海からの日の出を見てスタートしたライダーが、石川県の千里浜なぎさドライブウェイで日没を見る、という共通のゴールに向かって日本を走り抜けるというもの。途中、道の駅やSA/PAをチェックポイントとしてポイントを集めるというラリー要素を取り入れつつ、自由な距離・ルートで愛車とのツーリングを楽しむ内容になっています。期間は10月2日から2週間。その中で日を選んでエントリーします。
山道を行くか、高速道路で行くか、下道か、近くか遠くか。ライダーはそれぞれの思い出出発地やルートを考えます。バイクでの長距離ツーリングのルートを考えるのはとても楽しいことですので、まずそこで興奮してしまうわけです。
そしてなにより、千里浜というライダー憧れの地に、同じ目的を持ったライダーが集まるなんて、想像するだに楽しいことではありませんか!
7月のエントリー開始の日、早朝からPCでアクセスし、無事エントリーを終えました。10月10日の参加で、前後合わせて3日間のツーリングを考えました。翌日の帰路も考えて土曜日に希望が集中しますが、私は日曜参加のためすんなり。すぐに土日両日の宿も予約しました。月曜日も休みなので可能な日程です。
9月に入ってガイドブックやリストバンド、ゼッケンシールなどが送られてきて、気分が盛り上がります。
【ルート選定】
スタート地点には宮城県の南三陸町を選びました。津波で大きな被害を受けましたが、今は静かな志津川湾を抱えた港町です。震災翌年からボランティアで訪問し、すっかり大好きになりました。今まで20回近く訪問し、ボランティアだけでなく観光やイベントなどを楽しんでいます。強い思い入れがありますから、スタートの合図となる日の出を見るのに、これほどふさわしい場所が他にあるでしょうか(反語)。
しかし、南三陸から石川県千里浜まではかなりの距離があります。Google Mapで試算してみるとおよそ650km。南三陸の日の出が5:38で千里浜の日没が17:21。意外と時間がありません。ルートをよく考えないと日没までにたどり着かないという残念な結果になってしまうので、慎重に検討します。
また、SSTRのルールとしてポイント制と「指定道の駅」というものがあります。道の駅や高速道路のSA/PAに立ち寄るとポイントが貯まります。さらに各都道府県に一つ指定された道の駅を、どれか必ず通らなければなりません。コース次第では時間のロスになってしまうので、これも難しい。
こういったことを勘案して決定したルートが、宮城県から山形県米沢市を経由して新潟県にでて、高速道路で石川県まで移動するもの。せっかくのツーリングなのでできるだけ地方の一般道を走りたいのですが、時間に間に合うように高速道路を使います。休憩時間の予定も考えて、到着が17:55頃。う~ん、ゴール手続きは間に合うけど、日没は間に合わないし、寄り道をする余裕が一切ないですね。
あとは無理のない程度にペースを早めたり、休憩時間を削ったりして間に合わせるしかありません。正直、天気が悪かったら厳しいプランでした。10月10日は晴れの特異日という都市伝説があります。そこに賭けました。
【サンライズ・出発】
10日は4時に起きて準備・パッキング。ガソリンは前日のうちに満タンにしてあります。5時過ぎに定宿にしている民宿を出発。早朝ながら宿のお父さんや同宿の方にお見送りいただき、スタート地点として選んだ南三陸町の海岸、「サンオーレそではま」という海水浴場に行きました。パートナーとなるバイクは愛車CB1100。前年夏にも岩手まで走っているので、長距離はお手の物。メーターの上のスクリーンやタンクなどにゼッケンを貼って、準備万端です。
天気は曇り。明るくなっても、空は厚い雲に覆われていました。
しかし! 東の海の彼方を眺めると、水平線は晴れているようです。もしかしたら、と期待して待っていたら、その狭い晴れ間から太陽が顔を出してきたではないですか!
水平線からダイレクトに昇る太陽の美しいこと。南三陸らしい、最高のスタートとなりました。
ところで、せっかくの南三陸からの旅です。南三陸宣伝を兼ねていますので、パートナーを連れて行くことにしました。南三陸のゆるキャラ、オクトパス君です! 南三陸復興の先頭に立って頑張っている彼とは、実はNHKで共演?したこともあります。南三陸のシンボルとして一緒に石川県を目指してもらいます。
【三陸道・仙台東道路・東北自動車道 CP:道の駅三滝堂・村田】
CBのエンジンが温まってからは、制限速度いっぱいのペースで距離を稼ぎます。
いつもは高速道路を80km/hぐらいで走って高燃費を狙っているのですが、今回は時間優先です。少し昇った太陽は雲に隠れ、路面は雨が乾ききっていない状態です。やや陰鬱な空の下ですが、交通量が少ないので快調に距離を伸ばします。早い時間に仙台を通過するのが重要。
三陸道入ってすぐの道の駅三滝堂で2Pを獲得し、次は道の駅村田。宮城県の指定道の駅になっている村田は高速道路すぐ近くにあり、時間のロスを最小限にできます。SSTR本来の考え方なら、あえて寄り道するためのものだと思いますが、今回の私の行程はその余裕がないのです。その楽しみはまたいずれ。ここでは3Pを獲得です。
村田ではSSTR参加者と初めての出会い。BMWの男性とお話しました。次は道の駅米沢とのこと。少しルートが違いますね。
村田から再び東北道に乗り、白石へと向かいました。
【国道113号 CP:道の駅七ヶ宿・いいで・関川】
高速道路でのツーリングは、実はあまり好きではありません。疲れるばかりで、退屈なのです。使うとしても、首都圏をパスしてその先で色々走る時間を増やすためです。今回は時間の問題で高速を使っていますが、やはり一般道を走りたい。白石ICで東北道を降りて、国道113号に入ります。山間部から七ヶ宿町を抜けるこのルートは、奥州から羽州、そして下越を結ぶ国道です。羽州への峠越えは七ヶ宿街道。その名の通り街道沿いに宿場町が点在していたそうです。今もその名残がありますね。道の駅で2P獲得です。
113号線は緩やかな起伏とカーブで、交通量も少ない快走ルートです(もっとも大人数のツーリング集団にだいぶ困りましたが)。
この道で峠を越えて山形県に入りました。それまでどんよりしていた空が、山形県では一気に青空が広がりました。これこそ峠越えの醍醐味ですね。気温も上がって、さらに快適になります。ツーリングっぽくなってきました!
高畠・南陽・長井と置賜盆地の肥沃な田園を走り抜け、米坂線とともに再び山中へ。道の駅いいででトイレ休憩をはさみ(2P)、小国町を過ぎると東北横断終了、新潟県です。オクトパス君は新潟は来たことあるのかな?
新潟最初の道の駅関川に立ち寄ります(2P)。ここまで4時過ぎに食べたコンビニおにぎり一つで走ってきたので、お腹が空いていました。
関川で出会ったのが、「ポッポ焼き」の露店です。新潟県下越で有名なおやつです。黒糖の風味がきいたパンのようなお菓子で、とても美味しい! 以前新発田に泊まったときに出会って、大好きになりました。久々の再会です。嬉しいですね。9本300円、あっという間に完食です。
なお、関川で1回目の給油です。
~前編 おわり~