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ワクワクの枠。

どうしてだか着物のことを考えるとワクワクするようになって、その理由がでもどうしてもわからない。

私は出不精で「暑さ」と「電車」が殊更に苦手だ。もろもろ調子が悪いと容易にパニック発作を起こす。だから仕事で外出しても余計なところには滅多に足を運ばない。常に体力温存を心がける。

それなのに着物イベントとか着物フリマの類には結構無理をしてでも行ってしまう。ほいほい出かけてしまう。どうにもワクワクしてしまう。

去年、京都で仕事があったときも、これまでの私なら用事が終わったらとっとと新幹線に乗ってしまった。なのに、「戻橋に行ってみたい」と思いついてしまったら、もうワクワクしてしまった。

元々取っていた新幹線の時間までのタイトな隙間しかなく、店の滞在時間は30分かつ移動は徒歩(早足推奨)だったのに往復3キロも。着物をゲットした帰り道はウキウキだ。新幹線の中でもさっき買った着物をときどき引っ張り出して、触って、匂いを嗅いだりして、うっとりしていた。

人のワクワクする気持ちというのは、ジグソーパズルのピースがぴったりの穴を目指す磁力なんだそうだ。わかったようなわからないようなだけど、思い当たる節はあるので、なるほどなと思ってしまう。それにしてもこのワクワクの枠は何の形をしているのだろう。やっぱりわからない。

お茶やお花にはさほど惹かれず、歌舞伎は眠いし能などもにさほど興味なく、和裁がやりたいような気もしない(針仕事苦手!)、ちょっと興味があるのは日舞だけど踊っている自分がイメージできない。三味線とかお琴も違うなあ。そういうことじゃない。古着屋さんをやったり人に着物コーディネートを提案することとかにも興味ない。着付師にもなりたいと思わない。

私はどこに行こうとしているんだろうか。全然わからない。

でも、ワクワクするんだよ。

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