敬語



待ってます、いつでも誘ってください
君は私に会いたいとは言ってくれない

波ひとつ立たない水面に浮かんだ君の言葉達がいつも静かに私を見つめている

それなのに私は、その滑らかな水面に
感情という波を探してしまう

暗いけど暖かい海の中を泳いでるうちに
どうやら溺れてしまったみたいだ
溺れてしまったけれど、私は水中での息の仕方を身につけて、もう元の私への帰り方なんて忘れてしまっている
それでも良いと水中を漂い続けて
ただ君を待っている

かと言って私はもどかしい
わかりやすい波が来たら
私は待ってましたと言わんばかりに
その波に乗って君の元まで行けるのに

それでも、このままでいいとも思う
この心地いい海の中から追い出される位ならば
私は息ができなくたって、構わない
これが永遠に続け、とも思いながら
今日も私は君の中の違う誰かになりたい

気付かれないように気持ちを零した言葉達を
君が同じくらいの気持ちで読んでいたら嬉しいけれど
水平線まで見渡したって
水面に反射している空が、少しも歪むことは無かった

終わりのないイタチごっこだ
君は私を振り切らない
見えなくなる所までは走っていかない
いつも視界の端っこギリギリのところに君はいる
私が追いかけるのをやめたら
君はそのまま居なくなってしまうのかな
この不確かな繋がりが
いつまでも私を離してくれない

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