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移動日記:絵が連れて行ってくれる、パッタイ

(こんにちは!いつも読んでくださる皆さんありがとうございます!これは特別編で長めです。よろしくお願いいたします〜!)

sちゃんが歯医者さんで歯の詰め物を治してる間、コーヒー屋台で待つ私は、大好きなエチオピアを飲みながらかわいい画集を手に取った。

それが台湾の画家の、JHON HOさんの画集『蜂蜜緑茶』だった。



絵本のような画集で、絵の横に短文が付き、ストーリーがある。言葉はわからないけど漢字をじっと見てたら意味がわかる気がしてくる。このかわいいくまが肉肉熊っていう男の子で、こっちのかわいい猫が花花猫って女の子。

見ているうちに、どうした私、なんだかおかしい、となってきて、いつのまにか大学時代の心もとないデート中の自分にぐるりと戻っていたので動揺した。
街を歩く時どういう風に心細く、どういう事に天にも登るほど幸せだったか。どういう風に風が冷たかったかまで甦っているのだ…。
そして画集の中にある1枚の絵を見つけてしまった。
彼の初期の作品で、擬人化された動物の画風ではなく、人間の姿で描かれてるカップルの絵。それは大学時代の彼と私を、タイムトリップしたかのように強烈に思い出させ、(に、似てる〜〜。)と思った。痛いファン代表のような感想だ!

ネットで一生懸命探したが、画集はもう売っていないようだった。もう一度あの絵が見たくて次の休みにコーヒー屋台に行き、今度は彼と一緒にあの絵を見た。
似てるっ!と彼も食い気味に言っていたから同罪だった!
(なんだかこの1週間ずっと大学生の恋愛中みたいだったんだ、君のおかげでね。)とその幸せな本に挨拶をする。


この画集は、2軒となりのおでん屋さんのkさんがここに寄贈されたそう。kさんはもともと画廊をやっていて、台湾でこの本に出会い深く惹かれ、日本のアートフェアに呼んだんだそうだ。JHONHOさんはうちにも一度コーヒーを飲みに来てくれたよ〜。とコーヒー屋台の店主のNさんは言っていた。

数日後にNさんから連絡があった。おでん屋さんのkさんに私の事を話してくださったそうで、そしたらkさんが「蜂蜜緑茶」を一冊私宛にプレゼントしてくださり、お店で預かってるから取りに来てね。と!!
お礼をいっぱい言って画集を受け取って抱きしめて、kさんのおでん屋さんにお礼に伺ったら、kさんの作るランチの『テビチそば』のあまりの美味しさが自我を貫いてキャパシティを超えた。『旨いっ!』としか考えられなくなったのだ、獣のように。。。

お店の隅にとっても良い感じの壺があった。私は壺が好きで色々見ちゃうんだけど、その壺のムードの良さには嬉しくて目を見開いた。kさんが惚れ込んでる希少な紹興酒だという。

1日中、うわ言のように旨かったー、ああ旨かった〜と口が勝手に言い続け、次の日、やっぱりあのテビチそばがもう一度ちゃんと食べたいし、みんなに食べさせたいし、飲めなかったあの紹興酒を飲まなきゃ、と思って、こんどは家族もsちゃん夫妻もみんなでお邪魔した。
プラムみたいな、あの紹興酒。美しい、なんて清々しい夢が見れるんだ、というような!そしてあの日のテビチそばは、私の人生で一番美味しかったものフォルダに入った。
ちなみにこのフォルダには、なぜかギャラリーのオーナーが作った料理ばかり入っている。



週末。JYONHOさんが個展をされていたので、3人で吉祥寺に行ってきた。道中、どこもかしこもイチョウが美しい!そしてダークカラーのダウンコートの人波に、ピンクのタンクトップオチビが目立つぅ〜。

新作の絵の熊や猫の目にまた吸い込まれる。この星にいるだけでこうも苦しくて寂しくて所在ないのは当然、それは終わることがないながらも、ずっとそれに落ち込んでるのは飽きるし、色々と面白そうだから旅を続けよう!と言う気持ちになる。

…で。JYONHOさんは大変に素敵な方で、大層におこがましいのだが、ちょっと、夫くんに顔が似ていた。絵が似てたわけだ!


うれしいサイン!


井の頭公園には大学時代に何回かデートに来た。何十年も前だ。
チビコを連れて、こんな風に3人になって井の頭公園にまた来るなんて面白い。
明るい夕日に、紅葉もイチョウも赤や黄色をさらに光らせて、恐ろしいほどきれい。銀色の水面を揺らしてうろつく白鳥ボート達を見ながら、「ちょっと早いけど夕飯どうする〜?」
と夫くんが言い、私は
「パッタイが食べたい。」
と言った。
なぜだかはっきりとタイ料理のイメージが湧く。そしたら夫くんが
「ああ〜っ!行ったねえ!」
とか言い出して、調べたら公園内にタイ料理屋さんがあった。

大学時代に行ったって彼は言うが、そんなの私が覚えてるわけは無い。だけどお店に入る階段を登ってたら、すんごく、ここで楽しかったってことを体から思い出した。

半分外みたいな作りの自由な店で、向かいの女の人達がそれぞれ生まれたての赤ちゃんを抱っこしながらご飯食べてるとおもってたらどっちもセーターを着た小型犬を抱っこしていた!!チビコと2人で驚きすぎて目を剥く。

パッタイはちゃんとあった。そして彼のジントニックは大学時代の味がした。破れてる赤い合皮のソファー席もめちゃくちゃ大学を思い出す。なのに、そこに座る私と彼の間で、チビコが生春巻きを食べてくつろいでいる。これってなに〜!?こんな不思議な感じでいいの??(笑)と思った。

JYONHOさんが昔描いたあの絵のような、カラフルな耳付きニット帽をかぶった若い子が、生き生き楽しそうに仲間と働いていて、すごく嬉しい気持ちになった。
チビコもいつか、こういう楽しいバイトができるといいね!



プリント作品を買えた!😍


最後まで読んでくれてありがとうございました!

まったね〜!😻