あなたの夢を見たんです
あなたの夢を、見たんです。
何故か2人乗りの自転車で、高速道路を爆走中でした。頬が風を切って、夢ながら凄く気持ちが良かった。
あの時の、まだ誰のものでもない2人が風の中で笑いあっていて、切ないような、でもあの頃に戻りたいわけでもないような、泣きたい気持ちになりました。
今がこの上なく幸せなことに気付いたからかも知れません。
あなたは、今、幸せですか?
なんて書きかけて、そんなこと別に聞きたいわけでもないなぁ、と気付きます。
私が気に入っていた貴方の長所は、まだそこにあるでしょうか。
あの頃、とても綺麗に見えた金色に近い髪の毛が、ただ傷んでいたから光に透けて見えたのだと知ってからも、チラチラよぎるあの時の光を愛さずにはいられません。
愛しているのは、その光を持つ過去の貴方か、その光に魅せられていた感情そのものか。
なんとかく、後者の気もしています。
なんにせよ、あの頃の光は今でも愛しい過去に閉じ込めたままです。
たまに取り出して、自虐的に愛でたりしてしまう、そんな記憶があってよかった。
幸せ過ぎるとどうしても怖くなってしまう、そんな私の拠り所になってくれています。
あの頃、確かに ただひたすら楽しかったけれど、
今更戻りたいとは思いませんし、きっと貴方もそうなのでしょう。
苦しくも痛くもある、笑えない現実を
どうか笑い飛ばして進んで行って欲しいと、無責任に願っています。
いつかまた、2人が誰のものでもなくなった時、
または誰のものであるかさえ気にならなくなった時、まだお互いのことを覚えていたら、軽くなった体で 冒険しましょう。