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人間椅子~闇に蠢く~ツアーレポ:2022/9/4青森公演

名称:2022年秋のワンマンツアー~闇に蠢く~
期間:2022.9.4(日)〜9.19(祝・月) 全7公演
場所:青森quarter(9/4)ー札幌PennyLane24(9/6)ー仙台ClubJunkBox(9/9)ー博多DrumBe-1(9/12)ー名古屋ElectricLadyLand(9/14)ー大阪umedaTRAD(9/16)ーEX THEATER ROPPONGI(9/19)

各公演のセットリストとMC備忘録、感想、レポらくがきなど。
※音楽の専門的なことは知らん一ファンの個人的な所感なのでご留意されたし。また下手推しのため主に鈴木さんに言及していることが多いです。



青森公演概要(9/4)

ソールドアウト!
18:00開場。18:30開演。20:50頃終演。天気は晴れ。
オールスタンディング。キャパは160〜170人ほど。1列11人と12人で列構成。当日会場での来場者登録は特になし。
12/3発売のLP盤発売のフライヤーが配布されたが、会場予約は青森のみできない仕様だった。
入場時に声出し厳禁のアナウンスあり(前回の青森公演での一件を受けてかな)。


青森公演セットリスト

本編
SE新青年まえがき
鉄格子黙示録
侵略者
表徴の帝国
黄金の夜明け
胡蝶蘭
莫迦酔狂ひ
ED75
ダンウィッチの怪
黒い太陽
無情のスキャット
蜘蛛の糸
ねぷたのもんどりこ
幽霊列車
針の山

アンコール1
猟奇が街にやって来る
地獄

アンコール2
どっとはらい


青森公演感想

・セトリが闇に蠢きすぎていた
・緊張感バリバリの指板に釘付けフロントお二方
・Q.好きな人、影響を受けている人は誰ですか?
 A.鈴「三浦呑龍さん」和「稲川淳二!」

アルバムリリースツアーではない題目のないツアーだったため、セトリの予想が全くつかなかった。あえて言うなら~闇に蠢く~と題しているので、闇っぽい曲をやるのかな…?というくらい。しかし人間椅子で闇っぽい曲ってたくさんあるしなあ…と迎えた初日。あれ?これヤバいな???と3曲目以降一生ハテナでした。特にもう聴けないのではないかと思っていた「ダンウィッチの怪」がセトリレギュラー曲だったのでずっと我が主来てた。


本編


SE新青年まえがき
ツアー初日の何がいいって客電が落ちSEが鳴り1曲目が始まる一瞬前の空気の昂まりですよ。人間椅子のライブを観る中で一番楽しみまである。一番は嘘…一番はふんどし…。"待っていたぞ!"という期待と喜びに満ちた熱が一気に放出されるこの一瞬が気持ち良すぎるのね。



#1鉄格子黙示録
実は先行物販に行った時(16:40くらい)にリハの音が漏れていてそれがこの曲だった。セトリ分析脳が即座に働いてしまい、多分1曲目だと予想してしまった…。もうライブに行き始めた頃の右も左も分からない雛鳥じゃないんだ…いまや全国飛び回る渡り鳥よ…。それはどうでもよくて、鉄格子黙示録…やっぱり否が応にもアガる。ベース始まりというのがよいんですね。あの太く重い鈴木さんのベース音、たった一音聴くだけで一気にライブの世界へと胸ぐら掴んで引き寄せてくれるようで本当に好き。臓腑に響くと言いますか、臓腑を叩いてくる重低音なのですよね。


#2侵略者
インベーダー!UFOにabductionされてしまってから作風が変わってしまった曲である「鉄格子黙示録」の次に宇宙人の曲を持ってくるとは趣深い…。のっけから曲順として含みのある、かつ場を温めるのに持ってこいの2曲で心がワイワイした。いや、それにしてもサビの「父さァん」「母さァん」の歌声がなんかどうも…艶やかに聴こえてしまって…全くそういう雰囲気の単語でも歌詞でもないのに何故でしょうね…。それからアウトロの速弾きの箇所、ステージ中央でフロントお二方が向かい合ってかなり集中して弾いており凄まじかった。



開幕挨拶MC
鈴「こんばんはァ、人間椅子です!今日はこんなにお集まりいただいてェ…まことにありがとうございまァす!今日はァ…みなさんそろそろ『苦楽』の曲に飽きてきた頃だと思いますので、古い曲からたくさん演っていきたいと思います。ノリにく〜い、どこでノったらいいのか分からない曲とかやたら長〜い曲とかその後にまた長〜い曲とか演っていこうと思います」
和「ね、いま鈴木くんが有難いことを仰ってましたけど。みなさん!人間椅子2022秋のワンマンツアー~闇に蠢く~青森編へようこそ!今日が初日です!」


#3表徴の帝国
曲前MC
和「日本も何だかおかしなことになってきましたね。これはそんな日本のことを歌った曲です。『表徴の帝国』」

イントロやリフがブレイクする度に鈴木さんの百面相が展開されて嬉しくて心の中でキャッキャッしました。あやされる〜。
音源では積極的に聴かない曲だけど、ライブで観ると曲の聞こえ方が変わる。


#4黄金の夜明け
泣いた。宣言通り、確かにノれなかった。聴き入りすぎて。ここまで辿り着けたのだなと静かに感動した。闇に蠢くツアーの中で、一際明るい日の光を感じた曲だった。「夜明け前」ももちろん夜が明けていく曲でとても勇気付けられるものだが、「黄金の夜明け」はまた味わいが違う。とにかく眩しい曲なのだ、自分にとって。
静かなベースリフが刻まれる中間部、一色のライトがステージを密かに照らしてまさに夜が明けんとしているようだった。神々しくすらあった。和嶋さんと息を合わせるために一歩一歩ステージ中央に歩んでいく鈴木さんの背中、一生眺めていたかったな。


#5胡蝶蘭
長い曲の後に長い曲。しかし色合いがずいぶん違う曲なので胃もたれする感じはなかった。歌詞が沁みますこと…。アルペジオが美しくてちょっと悲しくなる。美しいものはどこか寂しい。
ところで一度静かになる〆の部分で拍手をしてよいものなのかいつも迷う。結局、最後のアルペジオが終わるまで拍手しない方向で自分は調整した。

曲後MC
和「表徴の帝国、黄金の夜明け、胡蝶蘭と3曲続けて久し振りに演りました。もう運指を見るのでいっぱいいっぱい。動きが少ない!運指に釘付け!運指に釘付け胡蝶蘭!」
鈴「ほんと。運指から目離せなくて…たまに気付いたみたいにハッと顔上げたりして…」
和「いやあ、お客さんの綺麗な顔を見れてないです。ね、動きが少なすぎる」

和嶋さんの突然の紳士発言に普通にドキッとしました(チョロめ)。



#6莫迦酔狂ひ
曲前MC

お酒が好きな人の語り口でした。
ズバズバ言う…。

かの忌まわしき(?)無観客配信の時に聴けた曲ですが、やはり映像で観るのとライブで聴くのとでは体感があまりに違う。ずっと良く聴こえた。
しゃっくり音が和嶋さんの自前のしゃっくりなのが面白おかしくてよい。そもそもお酒の神様であるバッカスを"莫迦酔"と字を当てるのも洒落ている。魔法水はおいしく楽しいものだけど、過ぎればたちまち毒となる。それが歌詞によく表されていてお見事である。酒呑みの端くれとして、酒は呑んでも呑まれるなは肝というか肝臓に銘じたいと思います(プルタブを開ける音)。


#7ED75
イントロが一瞬だけ「芳一受難」に聴こえてしまい一人勝手に混乱した。ED75、ゆっくりした曲調だと鈴木さんの歌声のよいところがとてもよく出る。そしてライブで聞くと中間部のギターベースの刻みが列車の音のようにも聴こえてくる。たくさんの人や物を乗せて線路をひた走るあの赤い車体が浮かんでくる…って本物のED75見たことないのだが。今は小樽の方か大宮の鉄道博物館で見られる(鈴木さん談)とのこと。

曲後MC
和「ED75の中間部はまさにねぷたのお囃子のリズムですよね」
鈴「そう。弘前のお囃子」


#8ダンウィッチの怪
いやあ…嘘でしょ!??!と我が耳を疑いましたよ。鈴木さんの「因習めいた村の話です…」の口上でギャッッ!!と声が出そうになった。因習めいた村ときたらダンウィッチの怪と相場は決まっとるんだ!
ああ〜最高でした。それ以外に言葉がない。以前に聴いたのが2018年夏の「恩讐の彼方」ツアーで、難しい曲だと仰ってたのでもう聴けないものとばかり思っていたからそれこそ僥倖でした。美しかったなあ。


#9黒い太陽
改めてリフが重い。リフの刻みのひとつひとつが上からのし掛かるような音圧で救いがない。常に責め続けられている気持ちになる曲。次曲が無情を歌ったものなら、こちらは歌詞にあるように無常が漂っている。
「黄金の夜明け」と同じく太陽をテーマにしていても、「黒い太陽」はまるでドロドロとした泥の塊じみた太陽が目に浮かぶ。太陽が昇ってくる様をイントロから感じるのに明るさが全く異なる。こうまで正反対のイメージを表せるのも幅が広くて脱帽する。


#10無情のスキャット
そろそろお馴染みといってもよいよいのではないかな。この曲が初めて披露された2019年からこっち、間にコロナ禍を挟んで通常のペースでのツアーやイベントがなかったにせよ、そんな中でも「無情のスキャット」が演奏されないライブはなかったと記憶している。少なくとも、自分が参加したライブでは必ず聴いている。しかし何度聴いても音の強さにびっくり仰天する。


#11蜘蛛の糸
ノブさん曲は何だろうな!と楽しみにしてました。「蜘蛛の糸」のリフ大好き!ノブさんのシャウト大好き!フロントお二方のシェアマイクはまだなかったけれども、ボーカルを取らない分自由気ままに演奏しているのが目に楽しい。
しかし今まで何故気が付かなかったのか分からないが、アウトロの怒涛のドラム連打めちゃくちゃヘドバンポイントですね。首が壊れました。


#12ねぷたのもんどりこ
個人的な話にはなりますが、今年縁あって3年ぶりに開催された弘前ねぷた祭りの団体さんにお世話になり運行側で参加させていただきました。そこで生の「ねぷたのもんどりこ」を聴いてこれがあの…!と深く感動したものですが、それを経ての青森公演でこの曲を聴くことができてハネトか?というほどピョンピョンしました。考えようによっては迷惑じゃん?って話だが最下手の壁際でしたので…その…申し訳なし。
本物のねぷたを観てからこの曲を聴くと、改めてしっかりねぷたねぷたしていると感じる。ねぷたの要素が一曲の中にあれもこれも入っている。視覚的な部分(歌詞の中に見るねぷたの絵の描写、ねぷたが道の向こうから来る様や観客の様子、灯りの様)と聴覚的な部分(ねぷたの"戻りの囃子"を組み込んだイントロ、サビのヤーレヤレヤーレヤにアウトロのヤーヤドー、イントロのハッという発声[ヤーヤドーの合間に入る])が一曲の中に綺麗に収まっているので完成度の高すぎる曲だなあ。


#13幽霊列車
人間椅子における列車・電車曲がライブで同時に聴けることあるんだ!?という驚き。「ED75」は実在する車輌だけどこちらは存在しない列車。それにしても乗り物の音を作って演奏するのお上手ね!?爆音の中にいると本当に列車に乗ってるかのように錯覚する。彼方の世へ行く列車の曲だから~闇に蠢く~というタイトルにはぴったりだと思いました。


#14針の山
ノブさん曲〜「針の山」までに2曲挟んだので、以前までの形に戻った感覚になったけど曲数自体は17曲で前ツアーと同じだったのだね。イントロが始まりだすとああ終わってしまう〜という寂しさと最後一発!でブチ上がる嬉しさとで感情グチャグチャになるだね。そしてここまでくると毎度のことながらテンションがMAXになっているので最中何が起きてたのか実はほとんど観ていない…。見えているだけで認識してないのですね。和嶋さんの歯ギターや背弾き、鈴木さんも背…というか肩というか首ベースしていたりたくさんのことが行われているはずだが…。


アンコール

#15猟奇が街にやって来る
曲前MC
鈴「以前この曲を演った時に掛け声のところで腕を上げたらグギッとやりましてね…腕が肩から上に上がらなくなってしまいました。これは変にしてしまったとお医者に行ったら『ああ、五十肩ですね』と言われました。なので今日は腕を上げないでやります」
和「あれ酷かったね」
鈴「この五十肩っておかしくて…高齢の母親が肩が痛いというので病院に行ったら『五十肩だ』って言われるんだと。もう八十代なのに」
和「何かちょっと若返ったみたいでいいじゃないですか!何十歳か若くなったみたいで」
(この話は、ナザレス通信Vol.30「即断」2017.8.15更新分で経緯がよく分かります)

リフの合間に挟まれる「ヘイ!」。腕を上げずにやると仰いましたけど、問いかけるように腕を差し出す動作も大好きなんでございますのよ。お顔が…お顔が良い…。一挙手一投足全部好き…。
明るい曲調だけど中身はまあとんでもない歌詞である。でも楽しいリズムなのでライブで聴くとワイワイできてよいものだ。


#16地獄
ギャッッッッ!!!!!!!!
じ ご く !

タイトルコールなく前曲から流れるように始まった「地獄」。イントロを聴いて"腕が勝手に上がるしこの曲を知っているはずなのに何だっけコレ!?"状態が3秒ほど続いたが理解した瞬間に首の終焉を感じました。何故ヘドバンをするかって、DVD「見知らぬ世界」は田舎館村ライブの「地獄」の鈴木さんのヘドバンに憧れがあるからに他ならぬのです。ということは首を振らないわけがない。振らずにはおれない。でも視界がクルクルくるほどヘドバンをするのは危険なのでそろそろ控えめにしてもろて。
中間部の時報部分、和嶋さんのギターに聴き入ってウットリしているからなのか鈴木さんの恍惚とした表情が目に焼きついている。1時間眺めてても飽きずにおかわりできる自信がある。非常に"イイ"ものです。


#17どっとはらい
〆に持ってこいのこの曲。ナンセンスな歌詞にプログレッシブな響きが愉しいナンバー。そして何より楽しみなのが鈴木さんのステージパフォーマンス。意味の通るようで通らない不可思議な歌詞の世界に引っ張られるが如く上手へ下手へ奇妙なステップで行ったり来たり。腰を妖しく回してみせたかと思えばベロベロと舌を震わせ客席を威嚇。さらには懸命にボーカルを取る和嶋さんの半径30cm以内に絡みついてすさまじい圧をかけていく。マイク前から動けない和嶋さんの見開いた目に若干の動揺を感じるほどだった。

ギター舐めるのか?と思うレベルで近かった。


終わりの挨拶での一幕

この日一番大きな声が出ていた。


どこかであったこと

何の曲の前だったか失念。


そういえば自分が定宿にしているホテルも時計がいつも狂っている。



ねぷた祭りのMC

いたく感動している様が伝わってきた。
下新町の送り絵、確かに美しかった。


まとめ

前回と変わらずコロナ禍のツアーで声出し厳禁などの制約がありつつもキャパを僅かに増やせたりした青森公演。ファンクラブ先行でチケットが完売しているので実質集いのようだなあと思っているが、セトリまで集いか?と惑うほどでよい初日でした。初めて聴けた曲も。ライブに行く度に新たな発見や気付きがある。これだからライブ通いをやめられないぜ。

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