fundnoteの未上場スタートアップ株投資について
お世話になっております。fundnote株式会社の川合です。
日本経済新聞にも取り上げて頂きましたが、fundnoteは非上場株組入投信、いわゆるクロスオーバー戦略の投資信託の運用を開始する予定です。
弊社自身、スタートアップの運用会社という立場で『非上場株投信』×『公募投信参入』×『投信直販モデル』×『基準価額一者計算』というファンド業界的に新しいことにチャレンジしている会社なのですが、その辺りの想いは別noteにて代表の渡辺に譲ります。
今回は、そもそもクロスオーバー投資とは何なのか、上場株投資のキャリアを持つ我々が多数のベンチャーキャピタルが活躍するエリアである未上場株投資の世界にどのように入っていくのか、投資先のスタートアップに対する提供価値は何なのかについてお話しします。
1.近年注目を集めている『クロスオーバー投資』
ここ数年で未上場スタートアップ企業の方、VCの方、運用会社・ファンドの方の間でクロスオーバー投資という言葉が浸透してきています。クロスオーバーというのは未上場と上場を跨るという意味で、すなわち未上場の間から投資し、上場後も継続的に保有する投資スタイルのことです。
①ベンチャーキャピタルが上場後も含めて長期間保有するパターン、②上場株のファンドが未上場のうちから投資するパターンの2通りがあり、米国では2020年前後から➀②双方が流行し始めました。日本では➀としてシニフィアンさんの『THE FUND』が有名です。一方で②については、IPO時に一定量の購入を確約する「親引け」は増えてきていたものの、完全な未上場株の段階から保有する動きはありませんでした。今年投資信託の規則改定があって公募投信による未上場株の保有が認められるようになると、野村アセットマネジメントさん、レオス・キャピタルワークスさんが9月に未上場株組み入れの公募投信を初めて設定するなど、足元で変化が起こり始めています。
クロスオーバー投資は、いわゆる『IPOの死の谷』を解決する手段として期待されています。上場に近付いて会社の時価総額が上がるにつれて、ベンチャーキャピタルは追加投資というよりはEXITを意識する傾向にあります。大型の未上場企業には、レイターステージのベンチャーキャピタルが巨額の投資を行う例も多い一方で、中小型の未上場企業には資金の出し手が多くありません。また仮に上場したとして、上場小型株(時価総額50億円~200億円)を触る中長期の投資家が不足している現状があり、安定的な株価推移が難しい問題もあります。結果として、IPOの前後数年間において資金調達が困難になり、その期間で成長速度が落ちてしまう事例が多く、『IPOの死の谷』等と呼ばれています。このため上場準備中のレイターステージ等の会社に投資し、上場後すぐには売らずしばらくの期間は支援をし続ける『クロスオーバー投資』が活躍する余地が出てきています。
2.fundnoteの未上場株投資スタイル
ー ステージ・対象業種
ステージ:N-2期以降のPre-IPO企業(グロース期、レイターステージ、コーナーストーン投資等)
対象業種:全セクターに対応
ー 投資スタイル
投資スタイル
ハンズイフで必要に応じ上場株運用者として価値提供
リード投資、フォロー投資とも対応
ー 時価総額・チケットサイズ・条件
ポスト時価総額:20億円~500億円
チケットサイズ:3000万円~5億円
必須条件
公認会計士又は監査法人による適正意見が記載された監査報告書が添付された財務諸表の提供
ー 投資期間・投資プロセス
投資期間
ファンド期限は無期限
投資期間はIPO後2~5年以内のEXITを想定
投資プロセス:デューデリジェンスの上でポートフォリオマネージャーが決定
ー まとめ
3.投資先スタートアップ企業に提供できる価値
最後に我々fundnoteが投資することで、投資先スタートアップにどんな良い事があるかについてアピールさせてください。IPOを経て未上場から上場の世界に移行すると、ゲームのルールが大きく変わるのですが、その際に課題となる論点が理解されていないケースが多いと思います。
ー 情報アクセスの課題
未上場企業は証券会社の営業担当(カバレッジバンカー)との話し合いの中で上場準備を進めていきますが、最終的に相対することになる上場株投資家の声を必ずしも拾えている訳ではありません。株式市場の投資家が貴社や業界をどのように捉えているか、投資家目線での競合認識はどうか、バリュエーションの考え方はどうか、等の上場に際して非常に重要な論点を直接聞くことは難しい構造にあります。
fundnoteは経営メンバーがセルサイド、バイサイドで上場株を扱ってきたプレイヤーであり、我々のネットワークを活用したり、我々自身とのオープンな情報交換の場を提供することが可能です。可能な限り生の声を拾っていただき、参考にしていただければと思います。fundnoteが投資するしないに限らず、こういった活動はアクティブに行っております。
ー 利益相反の課題
発行体のスタートアップ、VC、主幹事証券との間で利益相反が存在する点も大きな課題となっています。発行体は資金調達額を多くすることで成長資金を確保することが最大の目的となりますが、VCや証券会社はそうではありません。VCはEXIT IRRの最大化、主幹事証券は顧客投資家との関係で公募価格より初値が上がる事や、自社のリーグテーブル(マーケットシェア)等が重要になります。それが問題で彼らが間違っていると言いたい訳ではなく、事業モデルやインセンティブ設計から自然体で利益相反が起きてしまいます。
fundnoteのファンドは上場後も保有していくスタイルであり、上場後の成長や株価推移が最重要です。このため公募価格も初値もあまり関係ありません。発行体スタートアップと中長期的な関係を築いていくため、主幹事証券との交渉等において後方支援していく立場を取っています。
ー 上場市場理解の課題
上場を目指すスタートアップのCFOや管理担当役員には商業銀行、投資銀行、公認会計士出身者が多いです。コーポレートファイナンスの知識経験が豊富で、経営や財務経理を幅広く見られているスーパーマンですが、上場マーケットの経験だけでいうとギャップがあるケースも多いです。特にグロース市場、中小型株市場は経験者が更に不足している印象です(そもそも中小型を見ている金融関係者自体が少ない)。最近では様々なIR支援会社の取り組みにより未上場CFOと機関投資家・個人投資家の交流が増えてきた印象もありますが、まだまだこれからの分野です
fundnoteは当然ながらこの部分に強みがあり、IR開示や資本政策に関する機関投資家視点でのアドバイスを基本動作として行っています。個人投資家向けIRのサービスへは出演経験もあるなど全体感を熟知しているほか、機関投資家へのアクセスもあるため、幅広い支援ができる自信があります。
以上となります。X(Twitter)やFacebookののDMも常に開放しています。当社サイトの問い合わせメールでも結構です。Twitterはあまり株の為になる話をしていませんが、DMや面談の場では大真面目に仕事に取り組んでおります。我々もスタートアップですので、新しいことや成長に繋がること、知らない人や業界との出会い等は常に欲しています。お気軽にご連絡ください。
当記事は金融商品等の購入・売却等の行為を推奨するものではありません。投資等を行うにあたり、ご自身の判断に基づいて行っていただきますようお願い申しあげます。当記事は掲載時点での個人の見解を示すものであり、必ずしも当社の公式発表・見解を表すものではありません。
会社概要
会社名: fundnote株式会社
設立: 2021年8月
代表取締役社長: 渡辺克真
資本金: 140百万円
事業内容: ・投資運用業・第二種金融商品取引業
・適格機関投資家等特例業務
・関東財務局(金商)第3413号
・一般社団法人 投資信託協会 加入
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