3章:「あけぼの」誕生~日本初の非上場株へ直接投資を行う国内籍公募投信~
いよいよここから弊社で最初の公募投信である「あけぼの」(正式名称fundnoteIPOクロスオーバーファンドのロンチのお話です。
川合直也を日本に解放したい
川合と私は、fundnoteの共同創業の仲間です。創業当時から川合が運用するファンドを投資家にお届けしたいという想いがありました。井村さんが、fundnote日本株Kaihouファンド(匠のファンド かいほう)の“かいほう”の意味には、竹入敬蔵さんの運用能力を日本に解放してあげたいという意味も入っているんだと話していますが、私もそのニュアンスが強く、若くて能力のある川合をファンドマネージャーとして日本に解放したいという気持ちもありました。
睡眠以外の時間は全てが仕事
川合は、超が付くほどのハードワーカーです。とにかく仕事量がすごい。京大卒でロンドンビジネススクールも出た川合が、これだけ働いているのだから、こりゃかなわんなと思ったことが何度もあります。 凄いのは運用だけではありません。
一緒に経営をしていて、とにかく本質を理解するスピードが早い。論点を素早く理解し、何を解決すればいいのか判断し、整理し実行します。マルチタスク能力というのかもしれませんが、壁にぶちあたったとき、誰かに聞いて解決するという手段と、自分で解決しにいく手段の両方が超高速でできます。でも、これも根本にはハードワークであることが起因していると私は思っています。そもそも我々、取締役は労働基準法外であり、いつ働いてもどれだけ働いても良いので、私は24時間全て仕事だと思って過ごしています。川合自身もこれまでの運用のキャリアから睡眠時間以外の時間は運用(仕事)のことを考えるという行動を当たり前のようにしてきたので、同じ様な考え方が沁みついているのだと思います。
私募のクロスオーバーファンドの運用からのスタート
非上場から上場にまたがる運用戦略をクロスオーバー戦略と呼びます。 創業当初から、このクロスオーバーの投資信託を絶対に作ろうと川合と話をしていました。 投資家である受益者の方に新たな投資機会を創出したいという気持ちがありました。また事業会社(発行体)に対して、上場株運用者として提供できる付加価値があると考えていました。しかし、その時点ではまだ、投資信託に非上場銘柄を組み言えることはルール上できませんでした。そのため私たちは2021年の創業時から、投資事業有限責任組合というLPSの形態の私募にてクロスオーバーファンドの運用を行ってまいりました。
「死の谷問題」の解決を目指す
アメリカはクロスオーバーファンドが沢山ありますが、日本においてはほとんどありません。非上場企業への投資は活発化する一方、発行体の上場が近づくにつれ株主に求められる役割は変わってきます。上場後すぐに、VC(ベンチャーキャピタル)が持ち分を売却することで、需給が悪化し、株価が右肩下がりになり結果として上場ゴールのような形になるケースが多くあります。これを「非上場企業の死の谷問題」と呼びます。非上場企業の死の谷を解消すべく、上場株プレーヤーとして非上場投資を行うということに付加価値があると思っています。詳しくは川合が書いたnoteをご参照ください。
「あけぼの」誕生へ
しばらくの間、私募という形でひっそりと一部の投資家の方々に川合の運用を提供しておりました。そんな中、風向きが変わる動きがありました。ついに2024年から公募の投資信託にも未上場株の組み入れが認められるようになったのです。投資信託にいつかは非上場組み入れが認められるだろうと思っていましたが、実際に組み入れが認められた瞬間、投信を作るぞ!と意気込んだのを覚えています。 実際に我々はすぐに商品の組成に動きました。そうやって2024年11月に誕生したのがfundnoteIPOクロスオーバファンド(愛称:匠のファンド あけぼの)です。
この商品は、受益者にとっても、非上場企業に投資をできる機会の提供という観点で新たな試みです。他社でも同じ時期に同様の商品がいくつか出ましたが、弊社投信の最大の特徴は、上場銘柄と非上場銘柄を同じチームが銘柄を見ていることです。発行体にとっても、非上場の段階で上場株運用者からフィードバックがもらえるという点で、素晴らしい機会であり、弊社の強みの一つです。
非上場組み入れ公募投信の組成にあたり、大変だったことも沢山ありますが、ぶつかる壁があまりにも多すぎて書ききれないので、また別な機会に記そうと思います。
会社概要
会社名: fundnote株式会社
設立: 2021年8月
代表取締役社長: 渡辺克真
資本金: 140百万円
事業内容: ・投資運用業・第二種金融商品取引業
・適格機関投資家等特例業務
・関東財務局(金商)第3413号
・一般社団法人 投資信託協会 加入
金商法に基づく表示等はこちらhttps://www.fundnote.co.jp/risk/