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アセットを活かした協業がもたらす観光の進化。マッチング面談から協業へ至った両社の出会いが生んだストーリーに迫りました。

Eight(Sansan株式会社)が主催する投資・事業連携に特化した個別面談専門イベント「Startup JAPAN FUNDeal 2024 - 秋 -」が今年の11月20日(水)・21日(木)に開催されます。

前々回のnoteで、僅か2か月という驚異的なスピードで協業を実らせたiHistoryさん。JR西日本イノベーションズさんとも協業が生まれました。
今回は、JR西日本イノベーションズさんの熊澤さん・鳥家さんにもご協力いただき、異なる立場の両社の協業について伺って参りました。
ご協力:
株式会社iHistory : CEO 中野 一誠さん、今村渚さん
株式会社JR西日本イノベーションズ : 熊澤 祐樹さん、 鳥家 祥平さん

協業事例詳細はこちら

武者修行のつもりで気になる企業に面談オファー

ーーiHistoryさん・展開するサービス「PointMap+」について教えてください。

中野さん : PointMap+ は写真が映えるデザイン性の高いデジタルマップを簡単に作れるサービスです。
to C向けにはデジタルマップを作ってユーザー間で楽しんでもらい、to G、to Bでは、デジタルマップの作成・運用を代行するサービスを提供しています。
作成したデジタルマップへの集客施策やレポート分析、インフルエンサーやタレントキャスティング、紙媒体との連動等まで担当させて頂くケースもございます。

ーー中野さんがFUNDealに参加した目的を教えてください。

中野さん : 正直に言えば武者修行のつもりで乗り込みました(笑)
4月にPointMap+を開発することを決断して、5月にかけピボットして、エンジニアやデザイナー達がめちゃくちゃ頑張ってくれて、リリース直前状態にもっていってくれたばかりだったので、とにかく何か新しい取り組みの、きっかけを生み出さなきゃと飛び込みました。FUNDealのマッチングサイト上で相性が良さそうな事業会社に対して、ダメ元で面談依頼を”いくつか厳選して”出しました。その中で、JR西日本イノベーションズさんから快くOKをいただきました。

ーーそうしたアグレッシブさから、様々な企業とのディスカッションが進んでいるんですね!

JR西日本イノベーションズの「アセットを活かした協業」

ーーでは、JR西日本イノベーションズのお二人について教えてください。

熊澤さん : 弊社は、CVCとしてJR西日本グループの課題解決や、事業創出に貢献する立場の企業でございます。
私がCVCとして投資を担当していて、鳥家が新規事業・事業共創の側面を担当しています。FUNDealに実際に参加したのは私のみでした。

ーーやはり鉄道に関する領域で投資や協業を進めているのでしょうか。

熊澤さん : はい。もちろん鉄道が主軸であることは前提なのですが、この人口減少の日本社会においても鉄道という事業モデルは大きな固定費を抱え続けるんです。この固定費を低減できるようなサービスを持つスタートアップ企業と協業できればと考えています。
鳥家さん : 加えて、新型コロナウイルスのような大きい外的要因が今後もう一度発生しても事業として耐えうるような事業基盤を創出することも新規事業開発の指針として持っています。やはり既に有しているアセットが駅や鉄道なので、「西日本エリアをはじめとする地域の活性化に寄与する」ようなソリューションとの協業に強みを持っています。
熊澤さん : さらに私個人としては観光系のスタートアップ企業を中心に調査していました。訪日観光客も多いので、特にインバウンド領域での課題解決ができる企業との出会いを期待していました。iHistoryさんが海外への発信もできると事前のチャットで聞いていたので会ってみたいなと思いました。

既存サービスを支える協業のかたち

ーー改めて両社間での今回の協業について聞かせてください。

鳥家さん : 弊社がこれまで展開してきた”鉄道専用”のSNS、「Railil(レイリル)」の新しい可能性を探る手段として、iHistoryさんのPointMap+を併用することにしました。Railil自体は、既にたくさんのユーザー様にご活用いただいており、そのコミュニティをさらに拡張していくことを目的とした協業です。

ーー既存サービスのリプレイスとしてではなく、相互に利用する形での協業なんですね。

中野さん : はい。PointMap+が持つ思想では、あらゆるSNSとの共存を目指したいと考えています。なので、PointMap+だけにこだわっていただく必要は決してなく、あらゆる事業に相乗効果をもたらすサービスでありたいと考えています。

ーーRaililを発展させていくための協業、素敵ですね! では、この協業の中で大変だったことがあれば教えてください。

中野さん : どういった企画で進めるかゼロベースでイチから検討して進めたことです。あれこれアイデアをたくさん出しあっていました。
お二人とも実験と実現性を含め積極的に議論を行わせて頂けたので少しでも良い企画になるように、一緒になって頭をひねっていました。大変でもありましたがとにかく楽しかったです。今ももちろん継続して議論しているので次の取り組みに繋げられるように両社で全力を尽くしています。
鳥家さん:その企画の中身で言えば、ユーザー様にとって本当に価値のある取り組みを追求するという点を尽力したと思います。ユーザー様との接点を管轄している岩嶋というコミュニティマネージャーのメンバーが企画を考えてくれています。
「鉄道旅」というと普遍的なコンテンツなんですが、観光のチェックポイントを洗い出してマップ上に落とし込んでいくこと、ツアー・ルートにしていくことの難しさを特に感じましたね。
ユーザー様が気軽に投稿できるか、参照して有益に感じてもらえるかを特に意識しています。

ーーちなみに どういったコンテンツだとユーザー様の評判がいいなどはあるんでしょうか?

鳥家さん : 特にフォトスポットに人気が集中するようです。個々の分析はグルメ、景色、アクセスの良さなどあらゆる変数が複雑に絡んでいるので一概には言えませんが。
中野さん:僕は色んな観点での色んな楽しみ方がある方がむしろ良いと思っています。iHistoryとして「マッパーカルチャーを創る」と打ち出しているので、旅行MAP・便利MAP・思い出MAPなど、色々な種類のマップをそれぞれ作って楽しんで頂くことに意味があると思っています。

ーーこの協業がスタートしたのはいつ頃ですか?

中野さん : 前回のFUNDeal(5月)が終わってからすぐ2回目のMTGをしました。
協業がスタートしたといえるのは7月くらいかもしれません。その頃には協業することは決まっていて、先ほどのプレスリリースを8月8日に発出することをマイルストーンに定めて進め、実際にその通りに進行できました。

ーーまたしても急ピッチでの協業スタートですね!

FUNDealで多くのネットワークを築けた

ーーでは、FUNDeal当日のMTGについて是非詳しく教えてください。

熊澤さん : スタートアップあるあるかもしれませんが、PointMap+がリリース前だったので、iHistoryさんから面談のオファーが来た段階ではPointMap+の情報がWebサイト上に何も無い状態だったんです(笑)
ただ、中野さんの自己紹介を読んで経歴が多彩なのも分かっていたので、まずは会ってみようかな!と思いました。

ーーちなみにどこでFUNDealのことを知っていただいたのでしょうか?

熊澤さん :私は今回初めて参加したのですが、弊社としてはこれまで継続して参加させていただいております。今回は投資文脈で私のみが参加していました。

ーーその文化はなんとも嬉しい限りです!!!

ーー中野さんは、前回のインタビューで20分では足りないと仰っていましたが、熊澤さんのご所感もぜひ聞きたいです。

熊澤さん : 確かに20分じゃとてもじゃないですが時間が足りず、次の方が来るまで延長戦をしていました(笑)。
とはいえその分面談のコマ数も多く確保できていますし、登録者が多くてネットワークをうまく作れたのが良かったです。

ーー実際に会場ではどんな話をされましたか?

熊澤さん : 当初はRaililとは異なるポイントでの協業のイメージを仮説立てて面談に臨んでいました。ですが、Raililの方が相性が良さそうだとその場で会話が進み、大阪に帰った次の日には鳥家にすぐ共有して連携するくらいのスピード感で進めました。

ーー面談以外のコーナーにも足を運ばれましたか?

熊澤さん : はい。交流会・名刺交換会も参加してかなりの数の企業とご挨拶し、実は本件以外にも連携事例が出来ています。

ーー他にもFUNDealについての率直なコメントをいただけると嬉しいです。

熊澤さん : FUNDealのマッチングサイトで事前に情報が分かったものの、アポイントを希望されるスタートアップ企業があまりに多く、嬉しい悲鳴ですがその取捨選択に難しさを感じました。
とはいえ、事前にしっかりとマッチングできることが何よりも素晴らしい価値と感じました。

ーー11月開催のFUNDealではレコメンド機能がより使いやすく改善されていますので、効率的なソーシングに寄与できるように事務局も全力を尽くします。

異なる立場の両社に共通する”ベンチャーマインド”

ーー中野さんから見て、JR西日本イノベーションズさんの印象をもう少し詳しく伺いたいです。

中野さん : 「イノベーションズ」という社名だけあって、”超ベンチャーマインド”をもった人たちだと率直に思っています。

ーー素晴らしいですね!

中野さん : 熊澤さんは、初対面の会場であらゆる可能性を探っていただいているなと感じました。とにかく建設的で、社内にこういう方がいて…とアイデアを次々出して頂けました。鳥家さんをお繋ぎいただいたスピード感も素晴らしかったです。
鳥家さんはとにかくロジカルなんですが、気さくに雑談もする関係ですし岩嶋さんはとにかくユーザー目線で。三人にとても助けられています

ーーでは、お二人から見たiHistory 中野さんの印象もお聞かせください。

熊澤さん : 中野さんが冒頭で「武者修行」と言っていましたがそのような粗削りには全く見えず、ピッチやご説明もとても丁寧で、一緒になって何かを生み出そうという姿勢がすごい良かったです。
鳥家さん : 良いサービスを創ろうという気持ちが強い人だと思いました。ユーザーに対する向き合い方も気持ちが良いですし、iHistoryさんが良いチームで事業をやられていると最初のMTGで感じました。

ーー互いにtoCビジネスである同士の相性の良さがあるかもしれませんね。

熊澤さん : 仰る通りで両社のメリット・デメリットが噛み合い、Win-Winの関係だと感じます。


スタートアップ企業の皆さまだけでなく、自治体の皆さまも、ぜひ参考にしていただければ幸いです。
FUNDeal会場で皆さまにお会いできるのを楽しみにしています。
2024年11月20日(水)・21日(木)東京ビッグサイト開催!公式サイトはこちら
https://eight-event.8card.net/climbers/startup-japan/fundeal/?code=fd_sns_note
インタビュアー:Sansan株式会社 本藤美波、株式会社StartPass 小室直也

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