【マッチレビュー】SoftBank CUP 2023 東京大会 8/17 日本 vs フランス GAME1
スターター
ホーム:日本
アウェイ:フランス
7.PF グーション・ヤブセレ
10.SF エヴァン・フォーニエ
12.PG ナンド・デ・コロ
24.SG ヤクバ・ワタラ
27.C ルディ・ゴベア
試合展開とポイント
1Q
立ち上がりのフランスは左サイドのローポストアタックを起点にオフェンスを展開。216cmのゴベアを中心に、フォーニエのカットインなどでNBAプレーヤーたちがインサイドを攻める。
対する日本のオフェンス。フランスのハーフコートマンツーマンに対し、日本は富永、河村のトップオブザキーからの3ptで勝負しつつ、ウイングからは馬場、富永のペネトレイトで得点を重ねることに。
90°からのピック&ロールを起点とするフランスのオフェンスに対し、日本は高い位置から激しくプレスをかけていくも、マークの受け渡しのわずかな隙をフランスは見逃さず。継続してインサイドを中心にオフェンスを組み立て、試合の主導権を握る。
終盤には日本も比江島、富樫の3ptで反撃し、1Qは20-23の3点差でフランスに食らいつく展開に。
2Q
フランスは0°の深さにおいて左コーナーを広く使うことで、コーディニアの3ptやフランシスコのロング2ptが決まり、引き続き主導権を握る。日本はホーキンソン、馬場のダンクと富永の3ptで応戦。
マンツーマンディフェンスはそのままに、個人個人のフィジカルで勝るフランスのディフェンス強度は一段と上がり、日本のオフェンスが少し停滞すると、今度はデ・コロの連続3ptやフランシスコの3ptで日本を突き放しにかかる。
この試合での日本のオフェンスは、1Qから引き続きトップオブザキーとウイングを起点として展開。富樫の3ptと比江島の1on1の二本立てで、オフェンスをなんとか立て直しながら粘り、40-45の5点差で前半を終えることに。
3Q
日本は河村がペネトレイトで連続得点を決め、幸先の良いスタートを切るも、フランスは日本のディフェンスの動きを冷静に見極め、インサイドとアウトサイドの両面から冷静に得点を重ねていく。
FIBAランキング5位の強豪国相手にも、得点期待値を重視する日本のオフェンスの方針は変わらない。アンゴラ戦に続き、臆さずアテンプトを増やし続ける富永が日本のオフェンスを牽引し、連続で3ptを沈めることに成功。
しかしながら地力に勝るフランスは慌てない。ゴベアとヤブセレを中心にインサイドから日本ディフェンスを攻め、力業で押し込むことに。1on1では少し分が悪く、エンドライン沿いではダブルチームを敷いた日本ディフェンスに対し、フランスはエクストラパスを用いてアウトサイド→インサイドとオフェンスのリズムを手堅く作り、日本を突き放す。
力の差が出た3Qのクォータースコアは13-19でフランスがリード。トータルスコアは57-70の13点差で、最終クォーターへ突入する。
4Q
ゴベアとフォールのハイローでフランスが先制すると、主導権はフランスへ。日本は馬場のアタックからのフリースローや、富永のステップインでのシュートで反撃するも、点差が開いて余裕が生まれたフランスはセカンドユニットへとメンバーを切り替える。
ゴベアがベンチに下がったフランスだが、代わりに218cmのフォールがインサイドでの支配力を高め、積極的なリムアタックから着実に点を重ねることに。
クォーター後半は日本もセカンドユニットへ切り替え、この試合で15点を決めた富樫の3ptと、13点を決めた比江島のリムアタックを中心にオフェンスを展開するも、開いた点差を縮めるには至らず。
最終スコアは70-88でフランスが勝利した。
ボックススコア
総評、雑感
激しいディフェンスを敷きながら、オフェンスでは得点期待値を重視したシュートセレクションを貫いた日本。フランスに力の差は見せつけられることにはなったが、やるべきことは全てやり切った印象だ。
3ptFGは
日本…13/44(29.5%)
フランス…8/22(36.4%)
成功率こそ下回ったものの、アテンプト、成功数では日本が上回ることに。
アテンプト10本で4本の3ptを決め、アンゴラ戦に引き続きこの試合でも20得点を叩き出した富永。5本の3ptを沈め15得点を記録した富樫。そして2本の3ptを含む13得点を決めた比江島がオフェンスを牽引。エース渡邊雄太が不在の中でも、格上相手に一矢を報いた形となった。
アンゴラ戦で課題となっていたリバウンドについては、
日本…36(OR:14,DR22)
フランス…45(OR:10,DR:35)
リードはされたものの、7フッター(213cm)超えの選手を複数そろえるフランスに対し、サイズ面のディスアドバンテージがある中、非常に良く奮闘した数字であると言えるはないだろうか。
日本としてはディフェンスにおいてダブルチームも積極的に仕掛けることは出来ていたが、個々の圧倒的な身体能力とスキルを併せ持つフランスのオフェンスがこれを上回ったように感じた。この試合のフランスが見せたようなハイスピードのパス回しに対処するためには、ヘルプとリカバリーにおいてさらなる強度が求められるだろう。
負けは喫したが、内容としては収穫も少なくない試合。残り1試合の強化試合で最後の仕上げをしつつ、本戦へ向けてコンディションを整えていって欲しいと思う。
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