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〔米国〕FOMC 事前考察&ドル見通し

FRB経済予測や金利ドットプロットの発表はなく、金融政策が動く可能性も低いですが、トランプ大統領の就任なども踏まえ、政策の方向性が動く可能性はあるため注目されます。


❏ 背景と予想

11/7FOMCは、0.25%の利下げが確実視されています。しかし、利下げそのものはマーケットに完全に織り込まれていますので、トレードの材料にはなりません。※もちろん利下げ発表後にドルを売る投資家は多少出てくるでしょうが

2024/11/7 日本時間9時頃の金利予測

すでに利下げを98.1%織り込み済みになっています。FOMCまでにもッと上昇して、極めて100%に近い数字になるでしょう。つまり、トレード材料にはならないということです。
もし、僅かにのこる据え置きという選択肢をFRBが選べば、ドルは急騰するでしょう。サプライズになります。

▶今回、最大の論点 

12月に追加利下げ、翌年以降にも積極的な利下げを示唆するか?これまでと比べて利下げのトーンは上がるのか、下がるのか?ニュアンス1つで、ドル相場は揺れ動くでしょう。

❏ フェデラルファンド金利とは?

フェデラルファンド金利(Federal Funds Rate)は、アメリカの中央銀行である連邦準備制度理事会(Federal Reserve Board、通称FRB)が設定する短期金利のことです。※つまり政策金利

具体的には、銀行が互いに一晩(オーバーナイト)で貸し借りする際の金利のことを指します。この金利は、米国の金融政策の主要なツールの一つであり、経済の安定と成長を目指して調整されます。


❏ ファンダメンタル分析

アメリカのファンダメンタル(現在)の状況をおさらいしましょう。FRBが金融政策をどう考えるのか?その参考になると思います。

▶インフレ率

直近のアメリカでは、インフレ再燃の傾向がデータから示されています。10月に発表されたCPIおよびPCEデフレータ、そして諸々のインフレデータを観察する限り、FRBは利下げに及び腰になると言えるでしょう。

▶個人消費

小売売上高など個人消費は旺盛です。ブラックフライデーやクリスマス商戦が良い結果になれば、強い消費を背景にしたインフレ上昇が見られるかも知れません。

▶雇用

雇用は量と質を区別する必要があります。「量」は雇用者数になりますが、これは悪化しています。非農業部門雇用者数は着実に減っていますし、求人数も減っています。FRBは雇用減少を心配しているとも述べています。利上げ推進の要因となります。
一方で「質」となる賃金は、底堅いです。賃金の強さはインフレ要因ですから、これも追加利下げへのブレーキ要因になるでしょう。

▶株価&長期金利

米国株は直近で史上最高値を記録し、長期金利はまた上昇傾向です。投資家達は、景気に自信を持っているように見えます。AI技術の急激な進歩で、社会の生産性が向上し、それが米国の粘り強い成長になっているという考え方があります。
また、トランプ大統領の就任で減税や規制撤廃などが期待され、景気浮揚を織り込んでもいます。これも当然、FRBが利下げを控える効果になります。

❏ 発表後、ドル相場の見通し

赤枠に注目。GDP、失業率、PCEデフレータ、PCEコアデフレータがそれぞれ
2024年末に2.0%、4.4%、2.3%、2.6%
2025年末に2.0%、4.4%、2.1%、2.2%
※この英語資料はFRB公式よりお借りしています

上記図は、FRBによる米経済予測です。この予測値を満たせない場合、金融政策が動く可能性があり、PCEコアデフレータ(=インフレ率)の達成確率が下がっています。ゆえに、パウエルFRB議長が利上げペースへ消極的な姿勢を見せる余地があります。

▶12月FOMCで利下げをするか?

最初に載せた金利予想と同じ図

マーケットは12月にも0.25%の利下げをすると考えています。ゆえにパウエルFRB議長が会見で「12月利下げを否定するトーン」であった場合、事実上の利上げ発言と認識されます。
金利予測を確認すると、69.9%が12/18FOMCで利下げを予想しています。

この路線が維持されるのか?注目です。

▶ トランプリスク

トランプ大統領の就任が決まりました。彼は選挙公約に「減税」「規制緩和」など、景気浮揚させる(インフレが起きやすくなる)メニューを並べています。トランプ勝利後に株価が急騰しましたが、インフレも一歩遅れて上昇するでしょう。

この要因をFRBが知らないはずなく、利下げを躊躇する要因となります。今夜のFOMCで言及がもしあれば、相場になるでしょう。

▶ タカ派見解に注意

今夜のFOMCで注目すべきは、「FRBがマーケットが考える以上にタカ派に振舞う可能性」です。追加利下げが見込めないイメージを与えられれば、利上げされたのと変わりません。
ドルは買われ、長期金利は急騰し、もしかすると米国株は売られます。

ドル/円が160円に迫る相場観になるシナリオは現実としてあるでしょう。

逆に、利下げを推進する意図を明瞭にすれば、ドル/円は下げ基調になるでしょう。このシナリオもあり得ますが、記事に載せた諸事情を踏まえると、低い確率になるかと。

ドル高に注意すべし。
今回のFOMC後の為替については、そういう想定が立てられます。


記事は以上です
ご参考になさってください。
Fundalia financial philosophy(FFP)

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