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〔米国〕PCEデフレータ 事前考察&ドル見通し
12/18FOMCに向けて、重要なデータとなります。予想値はややインフレ復調となるようですが、どうなるでしょう?また今回は、米感謝祭の影響も受けます。
❏ 今夜の予想
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『12/18FOMCで利下げを考慮している』『来年に向けて利下げが進むだろう』などとFRB要人は発言していますが、直近データはその根拠を弱める者が多くなっています。今夜のPCEデフレータも、インフレ再燃を意識させるような予想値になっています。
来年にはトランプ大統領が再就任し、インフレを増長する政策を並べています。今から強いインフレ率であるなら、さらに加速する懸念はあるでしょう。投資家は、利下げの確率が下がればドルを買いますから、ドル/円が年末に160円に達するシナリオも考慮に入る訳です。
それらの可能性を判断する資料となるでしょう。
❏ ファンダメンタル分析
▶時系列データ
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まず予備知識から入りますが、FRBが「インフレ2%目標」と掲げているのは、PCEコアデフレータ(前年比)に対して2%という意味です。目先にPCEデフレータが下がっていてもコア指数が下がらなければ、FRBは利下げへ動きにくくなります。
2024年春以降の、インフレ率の動きは順調に下がっているとは言えません。とはいえ、現在のインフレ水準から見て4.75%というFFレート(政策金利)は高過ぎるため、利下げ余地はあるでしょう。しかし、引き下げずに様子を見るという選択肢にも説得力があります。
12月は0.25%下げて、来年以降は様子見というシナリオも考えられます。
▶米消費者の変化
これまでアメリカ国民は、猛烈なインフレを前に「給料を手にしたら、即座に(価格が上がる前に)品物に変える」という消費行動をとっていました。そのため、価格が上がるから消費が旺盛になり、消費旺盛になるから価格が上がるという循環が続いたわけです。
しかし、この流れに変化が起こりました。初夏にウォルグリーン(小売り大手)が業績の下方修正と店舗の大量閉店を打ち出して株価急落していました。ウォルマートやターゲットといったディスカウントストアも、数千アイテムの値下げを実施しています。これによって「価格が下がるまで、購入を控える心理」へと変化します。
ただし、直近に限れば値下げの恩恵を受けようと、消費者の購買が盛んになっています。値下げに客が群がり、一過性の消費増大になっているとされ、直近の個人消費データは強くなっています。
この勢いは、現在でも続いています。
直近の消費データを見直すのはもちろん、ブラックフライデー以後のクリスマス商戦の状況を見守る必要があるでしょう。
▶雇用の変化も見られる
雇用は雇用者数が悪く、賃金上昇は強いままという状況になっています。ただし、直近の雇用数悪化は「ハリケーン&ストライキの影響」という側面もあったようで、これも12月発表の(11月データ)を確認する必要があるでしょう。
求人数は着実に減少し続けているようです。
とはいえ、直近の強い消費データから推察すれば、企業は雇用を強めることが予想されます。少なくともクリスマス商戦に向けた一時雇用は活況になるかも知れません。
❏ ドル見通し(主にドル/円)
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現状は、概ねドル買いが続いています。FRBが利下げ鈍化を示唆する、トランプ大統領がインフレ増長する政策を進める、日本が利上げを渋るなどの動きが重なれば、ドル/円は160円を目指すシナリオが現実味を帯びます。
今回のデータは、FRBが示唆する「利上げは継続する」との文言を、阻害するか否か?それによって相場判断が分かれるでしょう。
▶ 予想より強かったケース(タカ派)
もしPCEコアデフレータが、+2.9%以上のデータになった場合は強めのドル買いがあるでしょう。強いファンダメンタルを意識し、利下げの確率が下がるからです。
マーケットがどう考えるかは、長期金利やCME金利予測の動きで分かります。
予想値通りの場合、ブラックフライデーの売上や翌週の雇用統計やISM製造業景況指数データに委ねられる。あるいはFOMCまで様子見ムードになるでしょう。
▶ 予想より弱かったケース(ハト派)
PCEコアデフレータが予測値を大きく下回ってきたケースでは、FRBの示唆を裏づけしたことになり、ハト派の意見が台頭するでしょう。
▶ 感謝祭の影響
感謝祭(サンクスギビング)は、アメリカ人にとって年最大の休暇です。投資家もポジションを手仕舞って祝います(=相場のことを忘れて)。よってポジションが縮小し、取引量が激減します。
つまり、いつも相場を形作る大口投資家が休暇して、テクニカルなトレーダーや短期筋のヘッジファンドが暗躍します。極端なデータがでた場合、小さい流動性に極端な取引が集中して、大きな値動きになったり、「フラッシュクラッシュ」が発生するケースもあるでしょう。
すでに流動性はかなり低下していますから、今夜についても発生確率があります。
記事は以上です
次の記事でまた次の記事でお会いしましょう
Fundalia financial philosophy(FFP)