〔米国〕ISM製造業景況指数 事前考察&ドル見通し
6/12FOMCや、いずれ起こるであろうアメリカの景気後退(リセッション)を早期に感じ取ることができる経済指標です。簡単にですが事前考察します。
❏背景と予想
先月発表されたISM製造業景況指数は製造業および非製造業(サービス業)ともに、景気分岐点である50.0を割り込むこととなりました。パンデミック後は、弱い製造業と極めて強いサービス業との組み合わせで、超回復をしたアメリカ経済ですが、ついにどちらも弱含みだったわけです。
今夜の見どころは、その弱含みが継続するのか?を確認することです。
アメリカの消費に弱さが見えつつある中、製造業がどういう景況感を持っているかは重要事項です。
弱いISM製造業景況指数となれば、FOMCの利下げ観測が強まる可能性があります。
❏ ISM製造業景況指数とは?
1.概要
ISM(Institute for Supply Management:供給管理協会)が毎月発表する指数で、製造業の経済活動の変動を示します。PMIは、製造業の購買担当者へのアンケート調査を基に算出されます。
2.構成要素
PMIは、以下の5つの要素から成り立っています。それぞれの要素が同じ重みで合成され、総合的な指数が計算されます。
新規受注(New Orders)
生産(Production)
雇用(Employment)
供給者納期(Supplier Deliveries)
在庫(Inventories)
3.数値の解釈
50以上:製造業が拡大していることを示します。
50未満:製造業が縮小していることを示します。
例えば、PMIが55の場合、製造業が拡大していることを意味し、45の場合は縮小していることを意味します。
4.なぜ重要か?
経済の先行指標:製造業の動向は経済全体の動向を反映しやすいため、景気の先行指標とされます。
投資家の注目:投資家や経済アナリストが景気の予測や投資判断の材料として活用します。
政策決定:中央銀行などの政策決定にも影響を与えることがあります。
5.データの利用方法
月次で発表されるため、経済の短期的なトレンドを把握するのに役立ちます。他の経済紙数(GDP、失業率など)と組み合わせて、総合的な経済分析に利用されます。
また、企業経営者も経営判断の資料として使うところが多いと言われます。
❏ ファンダメンタル分析
2022年3月にFRBの利上げが始まり、インフレ率が下がりゆく中、製造業は失速しましたがサービス業が狂ったように強さを保っていました。しかしついに、両方が割り込みました。
これが一時的に割り込んだのか、それとも終わりの始まりなのか?これは誰にも分かりません。アメリカ経済はリセッションになると、何度も言われながら何度も復活してきました。今回も分かりません。だからこそ観察する必要があります。
もし、確証性があるデータが得られれば、他の投資家より先にリセッションを知り得ることができるでしょう。プロ投資家ならともかく、ISM製造業景況指数を正しく分析&活用できる投資家はほとんどいません。
❏ 発表後、ドル相場見通し(ドル/円)
ISM製造業景況指数という経済指標は、事前に相場に織り込むというより、データを確認してから動くものです。ゆえに、結果に対して素直に反応するケースがほとんどです。
予想や前回値に対して強ければドル買い、弱ければドル売りです。ただ、次の事について1つ加えておきます。
▶詳細データにも注目
雇用や新規受注、価格といった指数を構成する詳細項目があります。これら個別も確認すべきです。価格はCPIやPCEデフレータの先行指数になりますし、雇用や新規受注は「景気先行き」を読み取るデータになります。
ISM雇用を雇用統計と関連付けてみている投資家も多くいます。
記事は以上です
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