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〔米国〕小売売上高 事前考察&ドル見通し
FOMCを見通すうえで、とても重要なデータになるでしょう。
❏ 今夜の予想
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7/31FOMCまで3週間となり、さらに9/18FOMCの利下げが意識される中、小売売上高がでます。
先日のCPIが減速して、パウエルFRB議長はそれを好感して利下げ示唆をしました。ここで小売売上高が弱いデータを示せば、さらに利下げ観測が強化されるでしょう。なぜなら『消費鈍化により、インフレ率は下がった』という皆が理解できるロジックが完成するからです。
▶2024年にFOMCが何回利下げするのか?
1回か2回か、それとも3回目も浮上するのか?
この判断を分岐させる可能性があります。
❏ 小売売上高(米国)とは?
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▶データ発表
小売売上高は、米国商務省の国勢調査局(U.S. Census Bureau)によって毎月発表されます。発表は通常、対象月の翌月中旬に行われます。
▶構成内容
小売売上高のデータは、食品、衣料品、自動車、ガソリン、電子機器、家具など、さまざまな小売業態の売上を含みます。総売上高だけでなく、特定のカテゴリごとの売上高も報告されます。
▶調整値
季節調整値(Seasonally Adjusted)と非調整値(Non-Adjusted)の両方が報告されます。
季節調整値は、季節的な変動(例:ホリデーシーズンの売上増加)を平滑化するために調整されています。
▶経済への影響
小売売上高は消費者支出の指標として非常に重要です。消費者支出はアメリカのGDPの約70%を占めるため、小売売上高の増減は経済全体の健康状態を示す重要なサインとなります。
高い小売売上高は、消費者信頼感の向上、雇用の増加、経済成長の促進を示唆します。一方、低い小売売上高は、経済の停滞やリセッションの可能性を示唆することがあります。
▶小売売上高が為替相場に与える影響
経済は次のように動きます。現在の利下げが考えらえる状況下では、次のような思考回路が必要となります。
まず消費が弱くなる
生産現場は生産量を絞る(ISMなどで証明できる)
人が過剰となり解雇が始まる(雇用統計で証明できる)
失業者が増えれば賃金は上がらない(雇用統計で証明できる)
結果としてインフレは減衰する(CPIなどで証明できる)
FRBは5.25%の高すぎる金利を下げることができる(FOMC)
金利が下がるのなら、ドルは売られる(為替相場)
小売売上高は、消費系指標の代表格です。
つまり、小売売上高が弱まれば上記のサイクルが強まることを意味します。
❏ ドル見通し(主にドル/円)
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すでに投資家は戦々恐々としています。今回こそ円安時代が終わるのではないかと。今回のデータがCPI後のドル/円を裏づけるのか?それとも反発するのか?注目されます。
基本的に発表データに対して素直に為替は反応するでしょう。
▶ 予想より強かったケース(タカ派)
データの程度にもよりますが、ドル高になるでしょう。
先週の急落を埋める動きがでてくるからです。やはり利下げはまだ先となれば、キャリー勢が円売りを入れてくるでしょう。
▶ 予想より弱かったケース(ハト派)
データの程度のにもよりますが、弱めのデータでCPI結果をフォローするならドル売りになります。7/31FOMCで利下げに向けたアナウンスが期待され、それを織り込む形でドルは売られるでしょう。ただし、基本的にマーケットはFOMCを待つ姿勢を取ります。
問題は、非常に悪いデータだったケースです。
すでに前回値も悪く、CPIも悪く、パウエルFRB議長はハト派発言をしています。ここにショッキングなデータが加わると、7/31FOMCの利下げ確率を誘発することとなります。
データが悪いから売られるだけでなく、積み上げられている膨大な円売りポジションが切り崩されるでしょう。小売売上高がファンダメンタル修正を促すため、1円単位でドル安になるシナリオが想定されます。
いわゆるCPI相場の二の舞になります。
記事は以上です
次の記事でまた次の記事でお会いしましょう
Fundalia financial philosophy(FFP)