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〔米国〕FOMC 事前考察&ドル見通し ~どの程度の利下げになるのか?
❏ 背景と予想
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今夜のFOMCは、政策金利の他にFRB経済予測と金利ドットプロットが発表されます。そして、パンデミック後の利上げ局面が終了となるでしょう。パウエルFRB議長はジャクソンホール・シンポジウムで、利下げを明言し、すでに利下げを阻害するものはありません。
利下げの有無ではなく、利下げのペースに焦点が集まるでしょう。
▶今回、最大の論点
今夜の利下げ(フェデラルファンドの引き下げ)そのものは、既定路線なので織り込まれています。0.25%利下げか、0.50%利下げかが影響はするでしょうが。
それより重視されるのは、金利ドットプロットです。6月に発表された2024年末時点の金利予測(下記表:左から2列目)と2025年末の金利予測がどうなるか?これによりFRBの利下げペースを推定できます。金融機関は、この推定によってドルを売買するでしょうから、この流れに乗れればトレードも上手くいくでしょう。
それを知るうえで、とても重要なデータです。
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為替は、金利の影響を受けて値動きます(テクニカルの影響は微量)。ゆえに金利の未来予測は、そのまま為替の未来予測です。金利ドットプロットは、金利変更へ権力行使できる人による投票ですから、他のデータと比べて重みが違います。
❏ フェデラルファンド金利とは?
フェデラルファンド金利(Federal Funds Rate)は、アメリカの中央銀行である連邦準備制度理事会(Federal Reserve Board、通称FRB)が設定する短期金利のことです。※つまり政策金利
具体的には、銀行が互いに一晩(オーバーナイト)で貸し借りする際の金利のことを指します。この金利は、米国の金融政策の主要なツールの一つであり、経済の安定と成長を目指して調整されます。
❏ ファンダメンタル分析
▶もう一つの金利予測
金利予測にはもう1つ有名なものがあります。
それが以下にあるCME金利先物です。
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機関投資家など、為替市場のメーンプレーヤーの意見かが反映される、投資視点の金利予測です。マーケットは0.50%利下げを予想していて、ポジション構築されていると理解できるでしょう。
ただし、FRBの行動とは必ずしもマッチせず、たびたび外すためそれも留意して読み取りましょう。
らかに悪いデータが増えました。特にインフレ率のデータは顕著で、7/11の米CPI直後にはドルが暴落しましたし、6/28PCEデフレータ(上記図)も弱含みでした。
▶インフレ率の状況
インフレ状況を確認しましょう。
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PCEデフレータにフェデラルファンド金利(FF金利)を重ねています。一般に金利がインフレ率より高く設定されると、インフレ率は抑制されます。しかし現状はインフレに対し著しく高い水準で、インフレ率に高圧がかかっています。
今のままでは、高すぎる金利のためインフレ率が2%を割り込む可能性さえでてくるでしょう。
すでにアメリカでは、FRBの利下げは遅すぎたという議論が巻き起こっていて、その理由がこの表となります。
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消費者物価指数(CPI)も同じような動きになっていて、インフレターゲットが見える水準です。同じく利上げを肯定するところまで下がりました。
▶雇用
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雇用データも、失業率がかなり上昇し、非農業部門雇用者数も強い数字がでていません。やや平均時給が高すぎる嫌いはありますが、利下げを肯定できるでしょう。JOLTSでは求人数が激減していて、雇用は悪くなっています。前回のFOMCでパウエルFRB議長も指摘していました。
❏ 発表後、ドル相場の見通し
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パターン別で紹介します。それぞれドル相場の動きが、まったく異なるでしょう。一般論としては、利下げが促進されることになるでしょう。とはいえ、そうでない相場も想定されます。このへんを踏まえてお読みください。
▶0.25%利下げパターン
0.25%利下げと発表されれば、直後にドル急騰となるでしょう。失望からドルが買われます。ドル売り勢が利益確定する動き、予想より金利が高いことでドル買い行動がでてくるはずです。
しかし、考えるのはその次。
FRB経済予測、金利ドットプロット、パウエルFRB議長会見の内容で、色々と変わります。
追加利下げへの示唆となるデータ&発言があればドル売りへ変化
追加利下げへ否定的なケースは、145円に向かう流れに
▶ 0.50%利下げパターン
やや利下げに対応したドル売りがでたあと、利益確定勢ともみあいになるでしょう。乱高下が予想されます。そしてその次が問題となります。
FRB経済予測、金利ドットプロット、パウエルFRB議長会見の内容で、色々と変わります。
追加利下げへの示唆となるデータ&発言があればドルは強い売りへ
追加利下げへ否定的なケースは、ドルが再上昇します。
▶ 利下げ後にドル高騰するシナリオが存在!
パウエルFRB議長が、追加利下げに積極的な示唆をする。金利ドットプロットやFRB経済予測で、利下げへ消極的姿勢を示唆した場合、利下げした後でドル高騰とのシナリオがあり得ます。
たとえば「しばらく利下げの影響を見守るだろう」というように、追加攻撃への期待が萎めば、相場は材料出尽くし感が強くなるでしょう。そうなればいったん利益確定という考えが強まります。
2日後に日本でもBOJ政策金利でタカ派姿勢が示されるか不透明なので、利益確定の余地は大きいでしょう。
逆に「まだまだ下げますよ!」といった示唆がされれば、ドル/円は完全に140円を割り込むでしょう。結局、追加利下げの有無強弱がドル相場を、どちら方向にも動かすことになります。
大変面白いFOMCになるのは間違いありません。
巻き込まれて憤死しないよう、ポジションには気を付けましょう。
記事は以上です
ご参考になさってください。
Fundalia financial philosophy(FFP)