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働きやすい会社を作るのは危険?

「社員が働きやすい会社にする」といった発言をされる経営者さんとお話することがあるのですが、その言葉のまま事を進めると結構危ないというか残念なことになる場合があると思っているので、その理由についてお話します。

働きやすい職場や会社にする、という言葉の響きはいいんですが、焦って前のめりになりすぎると、むしろ逆に会社としての力が弱くなることもよくあるんです。

それはどういうことかと言うと、

そもそも僕のような若輩者が言うのもおこがましい話だと思うのですが「働きやすさ」なんてものは一人一人考え方や捉え方が違います。

ということは、

同じ職場環境にいたとしても、社員Aさんは「この制度や環境は自分にとっては働きやすい」と感じるとしても、別の社員Bさんは「こんな制度があることで仕事がやりにくい」「今の環境は自分にとって鬱陶しい」というように全く別の感想を持つことがザラにあります。

そうした社員間のズレは人数が増えて30人とか50人の規模になっていくと指数関数的に加速します。

昔から人それぞれに好みや考え方、性格が違うことを【十人十色】と言いますが、人それぞれに「何を良しと感じるか」の違いもあるわけで、結局のところ働きやすさも十人十色です。

なので、

会議やミーティングで「社員が働きやすい会社にしたい」といった話題が経営者さんから出てきた時は必ずといっていいほど「・・とはいえ、それは誰にとっての働きやすさ、ですか?」といった質問をします。

ようするに、

研修制度を新設したとしても「それがあることで働きやすい」と感じる人がいる一方で、別の視点では「こんな制度があるから働きにくい」となる人もいるわけで、研修制度の新設がそのまま「働きやすさ」を演出しているわけではありません。

なので、そもそも「もし研修制度を新設するとしたら、それは誰(どんな人)にとって働きやすくなる制度なのか?」といった前提条件を設定した方がいいです、という話です。

そこに手を抜いてしまって、ただ単純に新制度を作れば社員が働きやすくなると思うのは間違いかなと思うわけです。

だって無頓着なまま(誰にとっても)働きやすい会社を作った時に「同僚の目を盗んでサボって楽をしようとする社員」が紛れ込んでいたとしても、その人自身が「こりゃ都合がいいぜ」と思えば、働きやすさは実現していることになるわけですからね。

もっというと、

「人の成功が面白くないと思っている社員」とか、他にも「ミスを誘発するようないじわるに執着している社員」が仮に在籍していた場合、その人たちのことも含めて「働きやすさ」を追求しなければいけないわけです。(それってかなり大変じゃないですか、というより、やりたくないですよね)

でね、もっと悲惨なのは、

働きやすくするために新設した制度や環境に対して、上記に記したような社員が味をしめてしまったら・・・ってことです。

「お、ここは働きやすいぞ」と居座ってしまったら会社はどうなるでしょう?

あまり想像したくないですが、上記のような一部の社員が居座ることに対して「働きにくい」と思う社員が出てきても不思議ではないですよね。

さらには、「こんな現状では働きにくい」と思った社員が離職していく未来が先に起きてしまうかもしれません。

ちなみに、こういった場面で真っ先に会社を離れていく社員は本来なら会社に残って欲しい側の実力のある人、つまり「仕事が出来る側の人」だったりするので大きなダメージになります。

というわけで、

働きやすい会社を目指すことや働く人のことを想うことは本当に大事なことだと思いますが、働きやすさの前提を考えずに、万人受けするような環境や体制に興味を惹かれてしまうのは危険かもしれませんというお話でした。

さきほどは、あえて極端にダメな側の社員描写をしましたが、実際にいますからね(苦笑)

彼らに付け込まれたりすると厄介ですし、独自の解釈をされて勝手な行動を取られたりする場面も数多く目撃してきました。

実際に、そういったリスクが増幅してしまって、本当にいい人が離れていく会社も事業所も施設も見てきてます。

なので、

「でしゃばるようなことを言って大変恐縮ですが…」といった前置きをしてでも、こういう話を伝える時は本当にそこにリスクが潜んでいる時なので落とし穴にハマらないように注意してくださいね。

わざわざ落ちに行くなんてことがないようにお願いします。

最後にもう一度だけ。

本当に重要なので、もう一度だけ言います。

「目指しているのは、一体誰にとって働きやすい会社ですか?」

その前提条件をしっかり設定してから作り変えましょう。

以上です。

それでは、また!

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藤見 ひでゆき
ここまで読んでくださってありがとうございます!