2022年2月の短歌まとめ
3月も後半となって、やっと2月の短歌をまとめました。先月はこちらです。
3月に入ってから短歌がまったく作れなくなっていて、どうして作れないのか?考える日々が続いていますが、とりあえず2月は盛んに作歌していたのでリストアップします。
ジロジロと冷たい視線うけ流し バカ殿像と一緒にあい〜ん
うおーという絶叫の声近づきつ 聞く勇気あれかしと窓閉じ
賽銭を投げても今は願いごと なくて天気の話を神に
海苔巻けず雑なおにぎりできたけど 塩加減よし!優勝とする!
わき道にそれると眺めのいい散歩 寄り道ないと長めの歩行
おにぎりの米の粒にも歯ごたえが 想いの強さ込められていて
コリほぐす最新器具に依存する 震える我が手もっともっとと
明日ひま?広島に住む親友の 送信日時 10 日も前で
路ひかり水音鳴らし靴響き 雪溶けの朝リズミカリける
東京のとけ残る雪とこしえに 止まるを祈る時計の針が
旧交の温みし通知おっさんの サムネ眩しく雪解の道に
靴擦れの紐の輪緩み適当のニューバランスな歩みを人と
平日の湯けむり漂う天井が野郎の疲労まぜまぜしてる
こだわりの妻のニットはデリケート洗いにしとく優しめの指
ふりかえるママに手をふりまた歩く またふりかえる手ぶくろ黄色く
人生のワンツーパンチもらいすぎドランカーへとなりにけるかな
今わたし昔のはなしふくらまし武蔵野の地のダイダラの岩
白のマス、オレンジのマス、ベランダは 団らんの色がおもいおもいに
都内の子、帰らないとと消え消えに リスポン先はフォートナイトか
風光り眠いまなこにさしこむと三月四月五月六月
こうしてリストアップしてみますと、作った瞬間に比べて歌に対する愛着が大きくないなぁということに気づきます。プロの短歌を読むようになって、早くも乗り越え難い壁を感じているのかもしれません。
とはいえ、素人ながら音のリズムを工夫しようと、なんとか頑張っている健気な歌い手の姿が見えてくるようです。くじけずに続けて欲しいものです。
お気に入りの一首
特に音の工夫など入れずにサクっと詠んだものですが、1ヶ月以上寝かせてみて、これが一番いいじゃんと思っています。
近所から「うおー!」という絶叫が聞こえてきて、それが1回ではなく数分間、それも徐々に我が家に近づいて聞こえてきました。若者の叫び声だったのですが、「自分に彼の悩みを聞く勇気があればなぁ」と思いつつピシャリと窓を閉めて声を遮った、という歌です。
生きているとこういうシーンがよくあると思うのですが、そういう時に他人のために手を差し出せるのか?というところに人間性は出ると思っていて、そういう勇気こそ本当は欲しいものなんだと思いつつ、冷淡にシャットアウトするコントラストが出ています。
冷淡に窓を閉じる作者自身の心の声が「うぉー」となっているような錯覚を起こすような技法を加えられていれば良いのではないか?と思いました。
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