早期退職の50オヤジ、やらかす

こんにちは、赤鬼です。
コロナ禍に50歳で早期退職しました。

↓こちら前回

起業した人の中には、「僕、一回会社作って潰しちゃったんですですよね~」って言う人がいます。
そんな人でも今はちゃんと別の会社で成功してたり。

なんでもそうですが最初から何もかも上手くいくことなんてないもの。上手くいかないのが当たり前なのです。ましてや慣れない事なら尚更…。
だけど世間に転がってる情報は成功者の話ばかり。上手くいかないのは自分が無能だから、起業には向いてない人間だから、そんなふうに思えてきます。きっとその成功話の裏には数々の失敗談が隠されてるにも関わらず…。

今年はこれまで入居していた創業支援施設を出て、事務所を借りることにしました。こちらは店舗付きの物件であったので、レンタサイクルもできるようにお店としての設えにし、駐車場等も用意しました。なので固定費が一気に増えてしまいました。
他にもネット代や水道光熱費等も…。

夏場は暑すぎてツアーが催行できないため売上が作れません。わかってたことではありますが、春のツアーを運営しながら夏の仕込みまでは手が回らず、結果そのまま夏を迎えることに。
そこから動いても大したことはできないのに、今更ながら売上がないことに焦りを覚えました。

一人で色々と思案を続けた挙げ句ひとつの案が浮かびました。社用車としてリースで軽バンを1台昨年から導入してたのですが、軽バンがあるなら軽運送事業ができるんじゃないかと。
貨物軽自動車運送事業は一般の運送業とは違い、運輸局への簡単な届け出で黒ナンバーが交付され事業を開始することができます。
大手ネットショッピングサイトの荷物を運ぶお兄ちゃん達が黒ナンバーで宅配をやってるのを街なかでよく見かけますよね。
2024年問題等のワードはニュースでもよく聞くので、運送業が運転手不足で大変だってことはなんとなくイメージとしてありました。だから運送業始めたら仕事はあるんじゃないかと安易に考えてました。

とはいえリース車なので勝手に黒ナンバーにすることはNGだろうし、ここはリース車を販売したディーラーヘ相談したのです。

「あのリース車、黒ナンバーにしたいんやけど、大丈夫ですかねぇ…?」
と聞いてみたところ、担当の営業マンからは、
「あぁ大丈夫ですよ。後でナンバーだけ教えてくださいね。」

あ、そんなものなのね…。
意外とアッサリ。自分で届け出もしようと思うのでこの件に関する出費はたいしたことない。ならば、実際に運送の仕事をできなくても大したリスクはないし、黒ナンバーに変えるだけ変えてみるのもいいかと。

あぁ、この時点でもっとちゃんと調べるべきでした…。

「赤鬼様、大変申し訳ございません…、実は任意保険代が大きく変わる事がわかりました…」と、黒ナンバーに変えてからすぐに先程の営業マンから連絡が入ったのです。

「はあ?そんなの聞いてないよねぇ! なんでそんな大事な事先に言ってくれないの?」

と営業マンを責めたところで後の祭り…。

総額30万円近い追加費用が発生したのです。そうなると多額の投資して何もしないなんてありえない…。これはなんとしても運送業始めないと。何をどうすれば…。
まさに行き当たりばったりの行動が生んだ結果でした。

そこから本業もほったらかして、運送業の求人情報を探しまくり。実際に応募して面談までしましたが、これが意外に上手くいきません。
僕が応募した会社は個人事業主との業務委託契約がメインで、法人との契約はあまりしていないとのこと。
もし法人として契約するなら車5台は無いと難しいというのです。
車は法人名義なので今更個人名義にはできない。これで運送業の業務委託契約の道はほぼ閉ざされました。

ここまでで僕自身、運送業には興味がなくなっていました。
色々とやってるうちに少し冷静になって、一体僕は何をやってるんだろうと感じたのです。
本業でまだまだできる事があるのに、焦りによって周りが見えなくなっているみたいでした。

この頃、SNSにとても弱気な書き込みをしてしまいます。このような間違いをしてしまうのはきっと一人で悶々と考えてる環境のせいと、何もろくにやってないうちから、自分の愚かさをさらけ出してしまいました。こんなやつが成功する訳ありません。

投稿に対するコメントには心配するものも多くありましたが、一部には暗に「何を甘い事言ってるのか?」というニュアンスの言葉が寄せられました。
しまった…。何を僕は書いてしまったのだろう。

僕はしんどくて面倒くさい事から現実逃避しようとしてるだけだ…。
甘い、甘すぎる…。

そもそも、自分からそんな簡単じゃない世界に飛び込んだのに、それも多くの人の心配を他所に…。さらにはこれまで気にけてもらった人の思いも知らずに独りよがりな投稿をしてしまいました。

僕は決して一人ではなかったのに。

(つづく)






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